デンマークの照明ブランド「ルイスポールセン」は、さまざまな部屋のスタイルに調和するシンプルかつ美しいデザインの照明を幅広く取り扱っています。
照明は、部屋の印象を大きく左右するほど重要なアイテムの一つ。
寒い冬の時期が長いスカンディナヴィア地方で伝わる、室内を快適に過ごすための工夫が施された名作たちが揃っています。
この記事では、世界で愛されるルイスポールセンの魅力と7つの代表作を紹介します。
目次
機能的で美しい輝きを放つ照明ブランド「ルイスポールセン」
1874年に創業したデンマークの照明ブランド「ルイスポールセン」。
デザイン手法である「光をかたちづくるデザイン」という考え方のもと、光と照明デザインがお互いに作用するような数々の作品を作り上げてきました。
光がシェードに反射して明るさを作るように設計されたルイスポールセンの照明は、室内に温かく柔らかな灯りを届けます。
そんなルイスポールセンのデザイン手法の先駆けとなったのは、近代照明の父と称される「ポール・ヘニングセン」が製作した「パリ・ランプ」です。
パリ・ランプは1924年に製作されたのち、翌年に開催された照明デザインコンペで入選。
一躍世界で注目される存在となったのです。
そしてこのランプの登場を皮切りに、ヘニングセンは数々の名作照明器具をルイスポールセンと共同開発していきました。
なかでもヘニングセンの頭文字を取った「PHシリーズ」は北欧照明器具の代表格となり、世界から広く愛されています。
またルイスポールセンはヘニングセンをはじめ、「アルネ・ヤコブセン」「ヴェルナー・パントン」「オイヴィン・スロット」などの巨匠デザイナーとコラボレーションを果たし、数々の魅力的な名作を世に送り出しています。
ルイスポールセンのコンセプトとこだわり
ルイスポールセンではシンプルかつナチュラル、そして機能的なデザインを指す「スカンディナヴィア・デザイン」にもとづいた製品づくりを行っています。
スカンディナヴィア・デザインとは、多くの人が聞き馴染みの多いであろう「北欧デザイン」とほぼ同じ意味です。
冬場の日照時間がわずか3時間しかない日もあるスカンディナヴィア地方では、1日のうちとても長い時間を家の中で過ごします。
その長い室内での時間を、より豊かで生活しやすくなるようにさまざまな家具のデザインが工夫されているのです。
ブランドの基礎を築き上げたデザイナー「ポール・ヘニングセン」
ルイスポールセンのデザインの基礎となる考え方「光をかたちづくるデザイン」を築いたポール・ヘニングセン。
彼のデザインする照明は「グレア」を見せないように設計されています。
グレアとは夜間に対向車のヘッドライトを直接見たときや、暗い場所でテレビを見たときに感じるような不快感のあるまぶしさのこと。また強い光を見たあとに残像が見えるといった現象も含みます。
ヘニングセンは光をコントロールするために人生の大半を費やして徹底的に計算し、グレアを直接見ずに美しい光を楽しむデザインを考案しました。
そしてこの発明は、ルイスポールセンの光をかたちづくるデザインの先駆けとなったのです。
ヘニングセンが発明した生活にちょうどいい柔らかな光は、この先何十年も受け継がれていくことでしょう。
ポール・ヘニングセンが手掛けた名作照明シリーズを紹介
ここからは、世界中で愛される北欧照明メーカー、ルイス・ポールセンのなかでも、特に名作と名高い6つの「PHシリーズ」を紹介します。
いずれもデザインを手掛けたのはポール・ヘニングセンであり、前述した「グレア・フリー」に加えて、美しい光のグラデーションを演出する特殊なカーブ「対数螺旋」を描くシェードを取り入れているのが特徴。
建築物や芸術にも影響を与えるほど美しいカーブは、ブランドを一躍有名にしました。
ルイスポールセンの代表作「PH 5シリーズ」
印象的な美しいデザインが目を引く「PH 5シリーズ」は、ルイスポールセンを語るうえで欠かせない名作アイテムといえるでしょう。
北欧インテリア誌やメディアなどにもよく取り上げられているため、一度は見たことがある人も多いかもしれません。
特徴的な形のシェードは、綿密な計算のもと光を的確にコントロールして「まぶしくないけど明るい光」を実現しました。
全17種類のカラー・種類展開が用意されています。
- モダン・ホワイト
- クラシック・ホワイト
- グラデーション
- ブルー / グリーン / グレー / レッド / オレンジ / ローズ
- モノクローム
- ブルー / ブラック / ホワイト / オイスター・グレー / ペール・ローズ
- パステル
- オイスター・ブルー・ローズ / ブルー・ローズ・ピーチ
- メタル
- 真鍮ポリッシュ / 銅ポリッシュ
どのような部屋のテイストにも合わせられる豊富なラインナップなので、きっとあなた好みのデザインが見つかるでしょう。
存在感抜群の「PH スノーボール」
圧倒的存在感を誇る「PH スノーボール」は、まるで彫刻のような印象的なデザインから凛とした空間を演出します。
シェードの両面を光沢とマットに塗り分けることで光の微妙な反射をコントロールし、独特で美しい光を作り出しました。
サイズも大きく存在感のあるPH スノーボールですが、全体的に丸みを感じる優しいデザインのため、自宅はもちろんカフェやオフィスなどさまざまなシーンにマッチするでしょう。
格調高い雰囲気に仕上げたいときに最適なアイテムです。
高級感あふれる「PH アーティチョーク」
「PH アーティチョーク」は、72枚もの羽根が完璧に配置された高級感あふれるデザインです。
12列に6枚ずつ配置された羽根の内側で光を反射し、下のシェードを照らします。
こうしてコントロールされた光は照明器具全体を照らし、まるで大きな光をまとっているかのように広範囲まで明るく照らす仕様となりました。
PH アーティチョークは、コペンハーゲンのランジェリン・パビリオンにあるレストランのためにデザインされた照明です。
レストラン店内を美しく飾る光の演出により、瞬く間に注目を浴びました。
エレガントな雰囲気を作りたい部屋や、ホテルやレストランなどにもピッタリの作品といえるでしょう。
ノスタルジックな雰囲気を楽しめる「PHテーブルシリーズ」
デスクライトや読書用ライトとして最適な柔らかい光を作り出す「PHテーブルシリーズ」。
マット塗装された3枚のメタルシェードは効率的に光を下方に集め、手元を明るく照らします。
また用途やスタイルに合わせて使える3サイズが用意されており、ベッドサイドボードやカウンター、卓上などさまざまなシーンに合わせて選べます。
凛とした佇まいはノスタルジックな雰囲気を演出するでしょう。
スッキリと印象的な「PHペンダントシリーズ」
3枚のシェードでスッキリとした見た目が特徴的な「PHペンダントシリーズ」は、シンプルな雰囲気が好きな人にピッタリの照明といえます。
ルイスポールセンの作品で最も人気なPH 5シリーズと同様に、家庭に取り入れやすいデザインとして人気です。
PH 5シリーズとPHペンダントシリーズはシェードの材質が異なり、前者はアルミ素材、後者はガラス素材を用いています。
ガラス素材のシェードは、光を透き通らせて空間全体を明るくしてくれます。
そのため下方のみならず壁や天井まで柔らかく照らすのが特徴といえるでしょう。
演出される雰囲気の違いにもぜひ注目してみてください。
スタイリッシュに佇む「PHフロアシリーズ」
PHシリーズの美しさや特徴をそのままスタンドライトにした「PHフロアシリーズ」。
照明全体をソフトな印象に仕上げるオパール色の乳白ガラスのシェードと、クロームメッキのスティールの組み合わせによるスタイリッシュな佇まいが特徴的です。
きめ細やかなフロスト加工がされたシェードの内面に光が反射することで、下方に向かって効率よく明かりを届けます。
加えて手元を優しく照らしてくれるため、ソファサイドやベッドサイドに配置すると優れた機能性で快適に過ごせるとともに、一気にホテルライクな洗練された空間に仕上がるでしょう。
さりげなく上品に照らす「PHウォールシリーズ」
落ち着いた佇まいを重視する住宅のエントランスにふさわしい「PHウォールシリーズ」。
シェードに銅素材を用いたことで、時間の経過とともに緑青が形成され、味わい深い質感へと変化していきます。
さらに3枚のシェードは内面を白色マット塗装に仕上げたことで、地面までしっかりと明るく照らす機能性も持ち合わせます。
またアンティークで印象的なデザインながらも小ぶりなサイズなので、複数並べても圧迫感がなく上品さを感じられるでしょう。
建物のプレスティージを決定づけるPHウォールシリーズで、自宅の顔となる玄関に格調高い雰囲気を演出しましょう。
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ルイス・ポールセンの照明を手掛ける代表的なデザイナーを紹介
ここからは、ルイス・ポールセンから多くの照明を生み出した、代表的なデザイナーを紹介します。
ルイス・ポールセンを、北欧を代表する照明メーカーとしての地位に押し上げた功労者は、「PHシリーズ」を生み出したポール・ヘニングセンといえるでしょう。
しかしその後も、彼が切り開いた光をコントロールする照明デザインの哲学を受け継いだデザイナーたちが、ルイス・ポールセンから数多くの照明を発表しています。
デザインにこだわりが強い建築家兼デザイナー「アルネ・ヤコブセン」
「アルネ・ヤコブセン」はデンマーク出身の世界的建築家で、家具デザイナーです。
数多くの建築物を手がけていますが、北欧デザインらしい多くの家具も生み出しました。
そのデザインの特徴は無駄のないミニマルスタイルで、どこからみても美しいフォルムが魅力です。
ルイス・ポールセンからは、角度のついたシェードがスタイリッシュな「AJシリーズ」を発表しました。
50年以上たっても色あせない洗練されたフォルムは、今でも世界中で人気のデザインです。
デンマーク機能主義建築の先駆者「ヴィルヘルム・ラウリッツェン」
「ヴィルヘルム・ラウリッツェン」はデンマークの建築界にとって重要な建築家です。
彼は、建築を総合芸術作品ととらえ、特にデンマーク放送局(ラジオハウス)の建築では、設計だけでなくインテリアの細部まで設計しました。
そしてルイス・ポールセンの協力のもと、ラジオハウスのためにデザインされた「VLシリーズ」を発表しました。
乳白色の丸いガラスのフォルムが特徴的で、ペンダントライト・ウォールライト・フロアライトがあり、どれも温かな柔らかい光で周囲を照らします。
20世紀のデンマークデザインで最も影響力のある「ヴァーナー・パントン」
「ヴァーナー・パントン」はデンマークを代表する家具インテリアデザイナーのひとり。
中でも照明デザインは、シンプルな曲線的フォルムとインパクトのある色彩感覚が目をひきます。
ルイス・ポールセンからは、1970年代に「パンテラ」を発表しています。
半球型のアクリル製シェードからの光が、同じ素材の本体部分に反射して、優しく繊細な雰囲気をかもしだします。
本体部分にはシルバータイプもあり、よりスペーシーでポップな印象です。
世界で注目される日本人デザイナー「nendo(佐藤オオキ)」
佐藤ナオキは日本のデザインオフィス「nendo(ネンド)」の代表であり、日本を代表する建築家・デザイナーです。
世界中で多くの受賞歴があり、東京2020のオリンピック聖火台のデザインも手がけています。
ルイス・ポールセンとのコラボレーションで生まれた照明に「NJPシリーズ」があります。
昔から建築家に愛用されていた伝統的なアーム式ランプを再構築してデザインされた照明は、オフィスだけでなく、住宅インテリアにもなじむデザインです。
伝統と革新の融合を目指すデザインデュオ「ガムフラテーシ」
「ガムフラテーシ」は2006年に結成された、デンマーク人とイタリア人の建築家ユニットです。
デンマークの機能性やクラフトマンシップと、イタリアの遊び心のあるデザインが混ざり合い、独特な世界観を作り出しています。
ルイス・ポールセンからは「Yuhシリーズ」を発表しています。
シェードのフォルムは垂直の支柱を中心に回転できるようなデザインで、ミニマルなスタイリッシュさが魅力です。
タイマー機能もあり、リビングや寝室で使いやすい照明です。
北欧空間を実現できるルイスポールセンで部屋を照らそう
今回はデンマークの照明メーカー、ルイス・ポールセンの特徴や名作シリーズの数々、代表的な北欧照明デザイナーなどを紹介しました。
スカンディナヴィア地方の伝統を取り入れた構造とデザインにより、空間を優しく照らす光を作り出す名作たち。
ヘニングセンが発明したグレア・フリーの光は、室内で過ごす時間をより豊かにしてくれるでしょう。
ルイスポールセンの印象的な照明で、ぜひ理想の北欧空間を実現してみてくださいね。
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そしてスカンディナヴィア地方の伝統を取り入れたルイスポールセンの照明は、心地よく生活するために考えられた機能性と、長く使っても飽きのこないシンプルなデザイン性にこだわり抜いています。