ルイス・ポールセンが販売を手掛ける「パテラ」は、見る人の心を奪う美しいセルの螺旋と、無駄を許さない曲線、そこから放たれる柔らかな光が特徴です。
前衛的なデザインなのにどんな空間にも落ち着く独特な魅力を放っています。
この記事では、パテラの特徴やデザイン、機能性、コーディネート事例について紹介します。
目次
パテラとは
ルイス・ポールセンにおける人気の照明の一つが「パテラ」です。
2015年にデンマーク人のデザイナーである「オイヴィン・スロット」によってデザインされました。
無数のひし形で構成された球体型のフォルムが愛らしく、柔らかな曲線状に交差されたセルから、優しい光が溢れます。
丸いフォルムなのに、まるでシャンデリアのような煌びやかな印象を与える不思議な魅力を持った照明です。
見る位置で表情が変化するデザイン
パテラは計算されたセル配置がなされています。
そのため、どこから見ても規則正しい美しさを放ちますが、見る角度によってその美しさは違った表情を見せます。
たとえば、パテラと目線を合わせた高さから眺めてみると、完璧なまでに美しい球とそのライン、流れるようなセルの配置に目を奪われるでしょう。
天井から吊るされた様子を部屋から眺めてみれば、空中に浮かぶモダンなミラーボールのようにも映ります。
真下から見上げると、花弁の多い花のようにも見えてきます。
飾る場所によって見え方が大きく変化する照明は、そう多くはありません。パテラは一つで色々な楽しみ方ができる贅沢な照明です。
フォーカルポイントになる存在感
部屋の中で視線を集める場所を「フォーカルポイント」と呼びます。
たとえば、白と黒だけで構成された空間に真っ赤な花を置いたり、ナチュラルな空間の中に無骨なウォールアートを取り入れたりするのが代表的です。
フォーカルポイントは、コンセプトから少し異なるアイテムで作ることが多いです。
さまざまな家具が置かれている空間で、パテラだけが一切の乱れがない美しい曲線と規則正しい螺旋を描いています。
パテラの存在は数々の造形が混ざる空間の中で、目を引くフォーカルポイントとなるでしょう。
吹き抜けとリビングに使える3サイズ展開
パテラのサイズ展開は3種類です。
白熱電球タイプなら600サイズと900サイズ、LED電球なら450サイズです。
吹き抜けなどの高い位置に吊るすのであれば、600サイズ以上がおすすめ。
高い場所にあっても目立つ大きさと充分な光を放ちます。
日本のリビングや食卓のペンダントライトとして活用するのであれば、450サイズがちょうど良いでしょう。存在がうるさくなりすぎず、程よく部屋に馴染みます。
「フィボナッチ数列」から生まれた螺旋パターン
パテラの螺旋パターンは、「フィボナッチ数列」から生まれました。
フィボナッチ数列とは、内側から外側に螺旋を描きながら数が増えていく数列です。
自然界で見ることが多く、例として頻繁に挙げられるのが、ひまわりの中心にある種の配置や松ぼっくりです。
デザイナーのオイヴィン・スロットは、自然界からインスピレーションを受けてデザインを決めます。
自然界に点在するフィボナッチ数列を照明に取り入れることで、無駄のないオイヴィンらしい美しさを実現しているのです。
計算されたセルの配置
フィボナッチ数列によって設置されたパテラのセルは、光をより美しく、豊かなものに変えてくれます。
セルによる効果の一つが、柔らかい光の演出です。
中心に設置された電球の光が直接降り注がないよう、セルが遮っています。
セルに当たって反射された光は分散され、豊かな光彩を放ちながらセルをすり抜けて部屋を照らします。
顔の真上に設置したとしても、暗い影を落とさないのがパテラの光です。
人が心地良いと思えるように、必要な明かりを必要な分だけ作り出してくれます。
2021年には楕円形タイプの「パテラオーバル」も新登場
2021年に新モデルとなる「パテラオーバル」が発売されました。
パテラの美しいセル配置はそのままに、美しい楕円形のデザインを実現。
モダンテイストの空間にも合わせやすく、本家パテラと比べてよりシャープな印象のインテリアを作れるメリットがあります。
形状が変わるだけで部屋の雰囲気や照明の見え方が違ってくるので、実物を見比べながら好みのタイプを選んでみましょう。
パテラのコーディネート事例を紹介
パテラは店舗や一般住宅など、さまざまなシーンで取り入れられています。
空間によってどのような魅せ方ができるのか、コーディネート事例を参考にしてみましょう。
明かりをつけなくても様になる吹き抜け
パテラを吹き抜けに設置すると、とても華やかな雰囲気になります。
セルが採光窓や別の場所から入る光を反射させるのと、真っ白な球体が明るいイメージを作るためです。パテラは明かりをつけなくても、まわりを優しく照らしてくれる存在です。
モダンリビングのシャンデリア的存在に
パテラの豊かな光の演出を、現代のシャンデリアと呼ぶ人もいます。
とはいえ、シャンデリアそのものは華やかすぎて、インテリアに馴染ませるのが難しいもの。
パテラはシャンデリアと同じく天井と空間を彩る光を発しながら、その場に馴染みやすいフォルムを併せ持っています。
そのため、シャンデリアを合わせづらい空間にもぴったりとマッチし、存在感を放ってくれるのです。
ナチュラルインテリアのアクセントとして
自然界の数列から生まれたパテラは、同じく自然界を思わせるナチュラルインテリアとも相性が良いです。
木の多い空間にパテラを設置することで、インテリアのアクセントになりながらも、しっくりと馴染みます。
パテラで空間に華やかさと優しさを与えよう
この記事では、パテラの特徴やデザインの魅力、コーディネート事例について紹介しました。
パテラ自身は視線を集める強い存在感を放ちます。
しかし、パテラの放つ光は、優しく心地良いものです。
インテリアとして機能させつつ、照明として必要な明かりを作り出せるパテラで、空間に彩りを加えましょう。