美しい曲線と効果的な直線で作り上げられた、無駄のないフォルムが魅力の家具が揃うブランド「PPモブラー」。
多くの名作家具を世に送り出し、今もなお世界中で愛されている北欧ブランドです。
妥協を許さないクラフトマンシップによって磨かれた繊細な家具たちは、上質な使い心地と芸術的な外観を実現しています。
この記事ではPPモブラーの魅力や特徴を紹介します。
目次
- 1 ウッディな素材好むサスティナブルなブランド「PPモブラー」
- 2 厳選したおすすめのPPモブラー商品5選
- 2.1 しっかり体を受け止める「PP68」
- 2.2 一目でウェグナー作とわかる名品「PP58」
- 2.3 木材×スチールのシンプルな「PP701」
- 2.4 椅子の中の椅子と呼ばれる逸品「PP503」
- 2.5 熊のような愛嬌のある「PP19」
- 2.6 木の温もりをダイレクトに感じる「PP70」
- 2.7 優雅な曲線を描くチェア「PP66/PP56」
- 2.8 ユーモアと機能性が融合したデザイン「PP250」
- 2.9 異なる素材のコントラストが美しい「PP502」
- 2.10 クジャクが羽根を広げたような「PP550」
- 2.11 クロスした脚が空間にアクセントをつける「PP85」
- 2.12 ワンランク上の壁掛け式チェア「PP512」
- 3 ナチュラルでシンプルな空間を演出するPPモブラーシリーズ
ウッディな素材好むサスティナブルなブランド「PPモブラー」
PPモブラーは、1953年にデンマーク家具職人である兄弟「アイナー・ペダーセン」と「ラース・ペダーセン」の小さな工房から始まったブランドです。
ブランド名の「PP」は兄弟の名字の頭文字に由来しています。
多くの家具職人が彼らの工房に憧れて集まり、やがて有名な工房へと成長しました。
現在も家具製作の全工程を自社工房で行い、優秀な家具職人の手作業で一つひとつの家具を仕上げているのも特徴。
少数精鋭の姿勢を崩さず、木目の美しいハイクオリティな家具作りを貫いています。
PPモブラーのコンセプトとこだわり
PPモブラーは、上質で高耐久な木材にこだわり、何十年も愛用できる家具作りにこだわっています。
後世へと代々引き継いでいけるほど丈夫でタイムレスなデザインのチェアやテーブルは、デンマーク国内だけではなく世界中で人気です。
またPPモブラーで使用される木材は、デンマークとドイツの持続可能な森林から伐採される樹齢100年以上の樹木と決まっています。
「最低限樹齢と同じ年数使用できる家具」をコンセプトとし、樹木にリスペクトを払いながら製作を行っているのです。
さらに伐採も切り株を残さず新しい木が育つ土壌を保つ方法を採用し、森林との共生を実現しています。
大統領にも選ばれた世界的に名高い「PP501 ザ・チェア」
PPモブラーは比較的歴史の浅いブランドですが、創業時よりクラフトマンシップを大切にし、家具製作における独自の哲学を掲げています。
老舗家具メーカーに引けをとらない上質な家具を生み出し続け、なかでもジョン・F・ケネディの大統領選やバラク・オバマの国際会議などで使用された「PP501 ザ・チェア」は世界的な北欧家具として有名です。
ハンス・J・ウェグナーの作品を最も多く製造している工房
PPモブラーは、世界的家具デザイナーの「ハンス・J・ウェグナー」と共同製作を繰り返してきたことでも有名です。
ウェグナーの妥協を許さない家具作りの精神と、PPモブラーの洗練された高い技術が融合し、いくつもの素晴らしい家具を生み出しました。
時代に流されないデザインと高いクオリティにこだわるアイナー・ペダーセンに、ウェグナーは強く共感し、晩年に訪れた工房はPPモブラーだけでした。
そのためPPモブラーはウェグナーの作品を最も多く製造する工房となり、世界中にその名が知れ渡ったのです。
厳選したおすすめのPPモブラー商品5選
続いては、数あるPPモブラーの商品のなかでもとくにおすすめの商品を5つ厳選して紹介します。
しっかり体を受け止める「PP68」
PP68は、ウェグナーが晩年にデザインした集大成的なチェアです。
ウェグナーがデザインしてきた数多くのチェアの良い部分を取り入れ、デザイン性と使い勝手にこだわりました。
とくに滑らかな曲線の背もたれとアームレストは体をしっかりと受け止め、快適な座り姿勢をサポート。
素朴で無駄のない木材フレームと、柔軟性のあるペーパーコードの座面は、タイムレスな美しさと座りやすさを両立したチェアを実現しています。
一目でウェグナー作とわかる名品「PP58」
PP58は、ウェグナーの後期にあたる80年代にデザインされたチェアです。
一目でウェグナーの作品であるとわかるような、機能性とインパクトにこだわった一脚に仕上がっています。
綿密に計算されたフォルムは美しいだけではなく体にフィットし、食事中や作業時の姿勢を心地良く維持し、長時間座っても疲れにくい設計です。
木材×スチールのシンプルな「PP701」
1965年に発表したPP701は、ウェグナーが自宅用の椅子としてデザインした一脚。
ウェグナー作品のなかでも珍しいスチール脚を採用しており、繊細な木目が美しい笠木部分とのコントラストが楽しめます。
また軽やかでスマートなフォルムは最大4脚までのスタッキングも可能で、収納のしやすさも抜群です。
椅子の中の椅子と呼ばれる逸品「PP503」
PP503は、ウェグナーが1950年代にデザインし「ザ・チェア」の愛称で親しまれている一脚です。
完成度が最も高いといわれ、愛称どおり「椅子のなかの椅子」として世界中で認められています。
緻密に計算され手作業で削り出された笠木部分は、体によく馴染み快適な座り心地を実現。
シンプルでありながらも重厚感のある佇まいは設置空間を上品に演出します。
テレビで放送されたアメリカの大統領選討論会で、ケネディー大統領が使用していたことでも話題になりました。
熊のような愛嬌のある「PP19」
PP19は「テディベアチェア」とも呼ばれる、熊のようなフォルムが魅力的なチェアです。
ゆったりとしていてボリュームと愛嬌のあるデザインは、体を包み込むように受け止めます。
見た目が可愛らしいだけではなく、ウェグナー作品のなかでも上位を争う座り心地の良さで、世界中の北欧家具ファンの人気を獲得しました。
木の温もりをダイレクトに感じる「PP70」
素朴な円形の天板と全面で感じられる木の質感が特徴的なダイニングテーブル・PP70。
ウェグナーによって1975年にデザインされ、どのような空間にも馴染むシンプルさと使いやすさが人気を集めました。
天板の直径は126cmと大きめですが、温もりを感じられる木目が圧迫感を抑えています。
優雅な曲線を描くチェア「PP66/PP56」
1976年にウェグナーによりデザインされたPP66とPP56。
17-18世紀の中国、明時代の椅子にインスピレーションを受けたことから「チャイニーズ・チェア」の愛称で親しまれています。
優雅な美しい曲線を描く曲木は強度があり耐久性も抜群で、体にフィットする座り心地を実現し、年月と共に木肌の表情が変化する味わいを楽しめる逸品です。
同じボディで座面の素材が異なるシリーズとなっており、PP66の座面はペーパーコードという素材を職人の手作業で丁寧に編み込まれたもの。
PP56の座面はアニリンレザーを使用し、使うほどに深みが出て魅力が増します。
ユーモアと機能性が融合したデザイン「PP250」
PP250は、「就寝時の衣服をいかに効率的に整理するか」という論点でウェグナーが1943年にデザインした、「バレットチェア」と呼ばれるユニークな佇まいのチェア、PP250。
胴体にハンガーを載せたようなスリムな背もたれで、開く座面の内側は収納スペース付き。
ユーモア溢れるデザインに、まるでコンシェルジュが洋服を持っているような機能性を備えています。
マジカルなアイデアを彫刻的な美しいデザインで仕上げた、ウェグナーの個性が光る3本脚のチェアです。
異なる素材のコントラストが美しい「PP502」
ウェグナーの作品では珍しい、木とスチールの組み合わせにレザー座面を採用したスタイリッシュなチェアPP502。
通称「スイベルチェア」と呼ばれるキャスター付きの回転椅子は、好みの高さに調整が可能。
床面への安定感があるキャスターなので、長時間座っていても疲れにくいのがポイントです。
美しい曲線を描く木の背もたれと、異なる素材の違いが生み出す洗練されたデザインは世界中で高い評価を受けており、モダンなインテリア空間を演出してくれるでしょう。
クジャクが羽根を広げたような「PP550」
「ピーコックチェア」の愛称で親しまれるPP550は、1947年に発表されてから今日までタイムレスに支持されるウェグナーの代表作の一つです。
大きく湾曲した背もたれは、華やかなデザインと共に座る人を包み込むように設計された構造の美しさが特徴。
座面は紙を縒って作ったペーパーコードを職人の手で1本ずつ編み込んだもので、天然素材ならではの温かみと優しい座り心地を実現しました。
インテリアに優雅さを添え、目を喜ばせてくれます。
クロスした脚が空間にアクセントをつける「PP85」
ウェグナーが1955年にデザインしたダイニングテーブルPP85。
「クロスレッグドテーブル」とのプロダクト名のとおり、交差した脚が特徴で空間にアクセントをつけます。
幕板を排除しているため脚間が広く、アームチェアもラクに収納できる構造なのでダイニング空間がすっきり!
天板、脚の輪郭線が滑らかに仕上げられているため優しい手触りが心地よく、経年と共に深まる天然木ならではの変化が楽しめるのも魅力です。
ワンランク上の壁掛け式チェア「PP512」
簡単に収納できるイージーチェアを作るために1949年、ウェグナーがデザインした壁掛け式の「フォールディングチェア」PP512。
無垢材と籐の2つの天然素材を使用し、熟練職人の手で丁寧に作られた籐編みが印象的なデザインです。
座面の深い角度が身体をゆったり預けられ、自然な柔らかさが居眠りしそうな心地よさを感じることでしょう。
持ち運びに便利なハンドル付きで、全ての輪郭が角を落とした使う人に優しい仕上がり。
別売りの専用フックを合わせて使用すると壁掛け時に便利で、折り畳み時も美しいチェアです。
ナチュラルでシンプルな空間を演出するPPモブラーシリーズ
今回は、クラフトマンシップと高い技術で上質な家具を製造し続けるブランド・PPモブラーを紹介しました。
製造工程や素材に注がれる並々ならぬ情熱は、美しく使いやすい家具作りに欠かせません。
そのようにして世に送り出された家具は、代々家族に引き継がれていく「価値のある家具」として生き続けるでしょう。
手の込んだ繊細なデザインから、タイムレスで素朴なデザインのチェアやテーブルが勢揃いです。