新たなデザインに挑むチャールズ&レイ・イームズ|歴史や代表作を紹介

    チャールズ&レイ・イームズはアメリカの夫婦によるデザインユニットです。

    20世紀のデザイン界を率先し、後のデザイナーたちにも多大な影響を与えました。

    この記事では、イームズ夫妻の成り立ちやデザインの特徴、代表作について詳しく解説します。

    ミッドセンチュリーデザインを象徴するイームズ夫妻

    チャールズ&レイ・イームズ夫婦

    アメリカのデザイナー、建築家、映像作家である「チャールズ&レイ・イームズ」夫婦。

    ミッドセンチュリーデザインの象徴といえる存在です。

    二人は創作に対する好奇心が強く家具や建築物、おもちゃなど、幅広いジャンルのデザインを手掛けています。

    チャールズ&レイ・イームズのデザインの特徴

    イームズ夫妻の作品の特徴の一つとして、時代の先端をいく素材を使っていることが挙げられます。

    積層合板やプラスチック、金属などを用いた、シンプルながら遊び心を感じるデザインが印象的です。

    ワシントン大学建築科に入学したチャールズ

    チャールズは1907年、アメリカのミズーリ州セントルイスに生まれました。

    1924年にはワシントン大学建築科に入学しましたが、近代建築に情熱を注ぎすぎたため退学。

    在学中に最初の妻である「キャサリン・ウォーマン」と結婚しています。

    エリエル・サーリネンに才能を見いだされる

    チャールズのデザインした建築作品が、アメリカの私立大学院「クランブルック・アカデミー・オブ・アート」に務めるフィンランド人の建築家「エリエル・サーリネン」に評価され、二人は親交を深めました。

    1940年にはエリエル・サーリネンの息子である「エーロ・サーリネン」と共同でニューヨーク近代美術館(MoMA)主催のコンペに出品。

    のちにヴィトラから製品化された「オーガニックチェア」で、優勝をおさめました。

    同年にチャールズは、クランブルック・アカデミー・オブ・アートのインダストリアルデザイン部門の責任者に就任されます。

    レイ・イームズと出会い結婚する

    1940年にクランブルック・アカデミー・オブ・アートで、チャールズとレイは出会いました。

    レイは1912年、カリフォルニア州サクラメントに誕生。

    ニューヨーク州ミルブルックの「ベネット・カレッジ」に通い、1937年まで抽象絵画を描いた画家「ハンス・ホフマン」のもとで絵画を学んでいます。

    その後クランブルック・アカデミー・オブ・アートに入学したレイはチャールズと知り合い、1941年に二人は結婚。

    ロサンゼルスに移住し、夫婦での制作活動がスタートします。

    成型合板の技術を発展させる

    ロサンゼルスに拠点を移したイームズ夫妻は、成型合板(プライウッド)の研究と家具開発に努めます。

    当時プライウッドは建築用の資材として使われるのが一般的であり、家具の素材に用いられることは、ありませんでした。

    そんな成型合板に目を付けたイームズ夫妻は、家具のクッションの代わりに使えば大量生産できると考え、技術を発展させ、多くの製品を生みだします。

    その中にはモダンデザインの象徴的作品となる「プライウッドチェア」も含まれています。

    レッグ・スプリントの開発が転機となる

    足が骨折したときに使うプライウッド製の副え木「レッグ・スプリント」の開発を海軍から依頼されたことが、イームズ夫妻の転機になります。

    1942年にレッグ・スプリント5000本を受注し、成型合板の研究と開発をおこなう「プライフォームド・ウッド社」を立ち上げました。

    大戦が終わるまでに作られた数は15万個以上。イームズ初の大量生産品となります。

    この取り組みに海軍から「人命救助に関する感謝状」が送られました。

    その後レッグ・スプリントなどで培った最先端の成型合板技術は「DSW」「LCW」「チルドレンズチェア」「プライウッドエレファント」など、後の作品の誕生にもつながっています。

    ハーマンミラー社のデザインコンサルタントに推薦される

    1947年チャールズは、アメリカのデザイン界を代表する人物「ジョージ・ネルソン」によって、インテリアブランド「ハーマンミラー」社のデザインコンサルタントに推薦されます。

    1948年にはMoMA主催の「ローコスト家具デザイン」コンペに出展し、賞を獲得。

    同年からハーマンミラー社のグラフィックを担当することになりました。

    FRPの出現をきっかけにシェルチェアが誕生

    1950年「FRP」というガラス繊維で補強したプラスチックが誕生します。

    金属よりも軽く、コストが低いのが特徴的な素材です。

    チャールズはFRPを用いて、のちの代表作となる「シェルチェア」を制作。

    1951年に製法を変え「ワイヤーメッシュ チェア」として製品化を果たします。

    夫婦で映画制作にも挑戦する

    夫婦で写真好きだったため、二人はショートムービーの制作にも挑戦しています。

    1959年にはモスクワ博覧会映像展において、友人および同僚の「バックミンスター・フラー」が設計したドームで7つのスクリーンに映写されました。

    チャールズ&レイ・イームズの代表作5選

    イームズ夫妻の手掛ける作品の特徴は、シンプルながらも個性を感じるデザイン。

    ここからは代表的な作品を5つご紹介します。

    ミッドセンチュリーを象徴する「プラスチックシェルサイドチェア」

    ミッドセンチュリーを象徴する「プラスチックシェルサイドチェア」

    1950年に発表された「プラスチックシェルサイドチェア」。

    大量生産された初のプラスチック製チェアであり、ミッドセンチュリーのアイコン的な作品の一つです。

    丸みを帯びたシェルと、スタイリッシュなワイヤーベースの組み合わせが印象的。

    背もたれには適度に柔軟性があり、ゆったりと腰掛けられるので、長時間座っていても快適です。

    デザイン性と機能性を兼ね揃えた作品です。

    軽量かつ丈夫な「ワイヤーメッシュ・チェア」

    ワイヤーメッシュ・チェア

    ワイヤーメッシュ製の座面が軽やかな印象のチェアです。

    「エッフェル塔」とも呼ばれるワイヤー製のレッグが程よい存在感を放ちます。

    軽量で持ち運びが楽なのも嬉しいポイント。

    発売から半世紀以上が経った現在も新鮮さを感じる、イームズ夫妻らしい作品です。

    贅沢な空間を演出する「ラウンジチェア&オットマン」

    ラウンジチェア&オットマン

    「ラウンジチェア&オットマン」は1956年に発表されました。

    ドキュメンタリー映画などにも取り上げられ、イームズの作品の中でも特に人気が高い作品の一つです。

    レザー張りのクッションと、7層の合板を組み合わせたデザインが、贅沢な空間を演出。

    職人による手作業で組み立てられており、座り心地も秀逸です。

    世代を超えて受け継ぎたい名作といえるでしょう。

    どんな場所にも馴染む「アルミナムグループ ラウンジチェア」

    アルミナムグループ ラウンジチェア

    1958年に屋外向けのチェアとして製造されたイームズの名作の一つ。

    すっきりとしたカーブと高めの背もたれが身体に馴染み、長時間腰掛けていても快適です。

    アルミニウム製のフレームとベースは、軽量でありながらも耐久性に優れています。

    すっきりとしたデザインなのでワークスペースやダイニング、リビングルームなど、さまざまな場所に馴染みます。

    木目がポイントの「プライウッドラウンジチェア」

    プライウッドラウンジチェア

    木目がアクセントになっている「プライウッドラウンジチェア」は、モダンデザインのアイコン的な作品です。

    アメリカのニュース雑誌「タイム」誌において「20世紀最高のデザイン」にも選ばれています。

    プライウッドは硬材の層を挟んだ5層構造となっており、とても丈夫。

    身体にフィットする絶妙なカーブにより、座り心地も抜群です。

    新たなデザインに挑戦し続けたイームズ夫妻

    一度見たら忘れられない個性を感じる作品を、数多く手掛けたイームズ夫妻。

    時代の流れからニーズを読み取る力に優れ、積極的に新しいデザインに挑戦しました。

    彼らのデザインに対する信念はイームズオフィスにより受け継がれています。

      ABOUT US
      さときちセールスマネージャー
      大手住宅メディア出身の工務店オタク。工務店の家づくりの魅力を広めるために東京から2時間かけて通勤。趣味は愛犬キャバリアと北欧家具を愛でること。最近の悩みは椅子を買いすぎて妻に「あなたは何人家族ですか?」と言われること。