採光を目的に設置される中庭のことを「ライトコート(光庭)」と呼びます。
居住スペースや通路の一角をライトコートにすることで効率的に採光を確保でき、よりデザイン性の高い空間を作ることができます。
この記事では、家づくりにライトコートを取り入れる目的やメリット、人気の配置パターンについて解説します。
目次
ライトコートとは?
ライトコートとは、採光を目的に設置する小さな庭のこと。
別名で光庭(こうてい)とも呼ばれます。
省スペースで多くの光を取り込めるメリットがあり、日当たりが悪い土地や狭小住宅でも採用しやすいのが特徴です。
中庭との違い
ライトコートは中庭の一種ですが、目的がより採光に特化しているのが特徴です。
中庭は採光に加えて景観や機能性、過ごし方なども重視されるのに対し、ライトコートは比較的シンプルな装飾が多め。
光を反射する白タイルやウッドデッキのみを設置した事例も多くあります。
吹き抜けや天窓などと同様に、光の通り道を作る目的で設計するのが一般的です。
ライトコートを取り入れるメリット
ライトコートは設置場所を工夫することで、空間にさまざまな良い効果をもたらしてくれます。
ここでは、ライトコートを取り入れる代表的なメリットについて紹介します。
採光を確保できる
一番のメリットは採光による明るさの向上です。
柔らかい自然光を取り込めるので、家全体が明るく過ごしやすい空間になります。
日当たりの悪い土地や住宅密集地でも取り入れやすく、効率的に採光を確保できるのもポイントです。
風通しが良くなる
採光だけでなく通気性が良くなるのも特徴のひとつ。
家の一部、もしくは中心部分が風の通り道になり、隣接する部屋に新鮮な空気を送り込めます。
地窓を設置して空気の流れをコントロールすることで、横だけでなく縦方向にも空気を循環させられます。
物干しなどを設置すれば、洗濯物を乾かすスペースとしても活用できるでしょう。
プライバシーを確保できる
ライトコートは四方を壁で囲う設計が多く、人の目が気にならないプライベート空間としても活用できます。
ティータイム・ヨガ・読書・ガーデニングなど、ベランダやインナーテラスと同じ感覚で自由な癒し時間を過ごせるのも魅力です。
空間に開放感をプラスできる
部屋の一部をライトコートにすることで、空間に抜け感や開放的な雰囲気をプラスできます。
部屋に突如として現れる小さな屋外スペースは、注文住宅だからこそ実現できるおしゃれな空間デザイン。
広さと採光をバランス良く両立したい方にはおすすめです。
ライトコートを取り入れる際の注意点
ライトコートを検討する場合は、メンテナンスのしやすさにも気を配りましょう。
屋外と繋がっているため悪天候時は雨ざらしになるケースが多く、日々の掃除やお手入れが手間になる可能性があります。
窓枠や床タイルなどの素材を汚れに強いものにすれば、掃除の手間を少なく抑えることができます。
また、むやみに設置すると居住スペースを圧迫してしまう場合もあるので、住み心地と採光のバランスには特に気を付ける必要があります。
どのような目的でライトコートを設置するのかを明確して、最適な設計プランを相談してみましょう。
ライトコートのインテリア事例を紹介
ライトコートでは、さまざまなインテリアや家具のレイアウトを楽しめるのが魅力。
小さな庭でもアイデア次第で自由度の高いインテリアが可能になります。
ここではいくつかのインテリア事例をピックアップして紹介します。
採光をメインにした光の通り道に
採光を重視するなら、ライトコートはあえてシンプルなインテリアでまとめるのも良いでしょう。
光を反射しやすい白い素材で床・壁を設計すれば、光が増幅して自然光の量がより多くなります。
白で統一された空間は存在感があり、ナチュラル・モダン・北欧テイストのインテリアとの相性もばっちり。
窓枠を2階部分まで伸ばすことで、建物全体に光を届けることも可能になります。
シンボルツリーを配置して景観を楽しむ
四方の部屋からライトコートが見える「ロの字型」の設計にする場合は、中央に大きなシンボルツリーを配置するインテリアがおすすめです。
家の中心に木が見える配置はとてもおしゃれで、家の中に非日常感をプラスしてくれます。
吹き抜けやベランダと隣接させれば、階段を上りながら木を眺めたり、2階から木を見下ろしたりと、家の中で癒しの景観を楽しむこともできます。
アウトドアリビングの要素を取り入れる
拡張スペースとして、アウトドアリビングのように使う方法もあります。
リビングから出入りしやすい設計にすれば、天候が良い日に窓を開けて屋外と繋げて使うことも可能。
ゲストを招いて料理を味わったり、リクライニングチェアに寝転がって読書したりと、青空の下で日光浴したりと、贅沢な休息の時間を楽しめます。
役割を持たせないフリースペースとして活用
あえて明確な役割を持たせずに、無の空間として設計するのもおすすめです。
前述した白を基調とした採光メインの空間にするのも良いですし、ウッドデッキのみを配置したシンプルな空間に仕上げるのもおすすめ。
気分に応じて植物を配置して育てたり、子どもと一緒に遊んだり、状況に応じてさまざまな用途に対応できます。
コの字型のライトコートでも、一面に壁や木の仕切りを設置すればプライベート空間にすることは可能。
普段の使用目的に応じて、間取りのパターンを変えてみるのも楽しそうですね。
ライトコートで空間に自然な光を呼び込もう
今回はライトコートを取り入れるメリットや主な活用事例について解説しました。
家具のレイアウトや設計を工夫することで、家中に優しい自然光を届けつつ開放的な雰囲気も演出できます。
土地が狭くても取り入れやすいため、採光に悩んでいる場合はぜひ検討してみましょう。
リビングの一部をライトコートにして採光を確保したり、吹き抜けと組み合わせて各階へ光を届けたりと、設計の自由度はかなり高いです。