リビングに階段を設置する「リビング階段」。
家族が顔を合わせる機会が自然に増えるので、コミュニケーションにつながるのが大きな魅力です。
この記事では、リビング階段の特徴やメリット・デメリット、導入するときのポイントについて詳しく解説します。
設置を検討している方は、参考にしてみてくださいね。
目次
リビング階段とは?
リビング階段とは、名前の通り「リビングに設置された階段」のことです。
「リビングイン階段」と呼ばれるケースもあります。
自室に行くまでに、リビングを通過するため、家族同士のコミュニケーションが取りやすいのが大きな特徴です。
少し前までは玄関に階段を設け、そのまま2階へ行くのが一般的でしたが、最近はリビング階段が主流になりつつあります。
リビング階段のメリット
家族同士のコミュニケーションの取りやすさや、開放的でおしゃれな雰囲気から、注目を集めるリビング階段。
この章では、リビング階段を導入する代表的なメリットを解説します。
コミュニケーションの機会が増える
リビング階段を設置する一番のメリットは、家族同士のコミュニケーションの機会が増えることです。
リビングに階段があれば、子どもが成長し自分の部屋をもつようになっても、個室に行くまでに顔を合わせられます。
自然に挨拶を交わせるので、その日の様子も分かります。
「今日は何だか元気がないな」など、ちょっとした変化にも気付きやすいので安心です。
また外出したかどうかや、帰宅した時間など、家族の行動も大体確認できます。
リビングスペースのポイントになる
リビング玄関は、インテリアとしての要素も兼ねそろえています。
おしゃれなデザインが多いので、設置すると空間全体が洗練された雰囲気に。
踏み板と骨組みだけで作られた「スケルトン階段」は開放的で、特に人気があります。
また、円を描きながら上下階をつなぐ「らせん階段」に憧れる人も多いでしょう。
リビング階段のデメリット
メリットが大きいリビング階段ですが、デメリットもいくつか存在します。
設置する前に具体的なデメリットを知り、対策方法を考えておくことが大切です。
冷暖房効率が下がる場合がある
リビング階段を設置すると、通常よりスペースが広くなるため、冷暖房効率が落ちる場合があります。
寒がりな場合は、冬の寒さに悩む人もいるでしょう。
とはいえ、家自体の耐熱性は異なりますし、感じ方には個人差があるため、絶対に冷暖房効率が悪くなるとはいえません。
以下のような対策を行っておけば、問題なく過ごせるでしょう。
- 日差しの入り方を考えて窓を配置する
- 断熱性と気密性が高い「樹脂サッシ窓」などを取り入れる
- シーリングファンを天井に取り付けて、空気を循環させる
音・ニオイが伝わりやすい
リビング階段のデメリットとして、音やニオイが伝わりやすいことも挙げられます。
特に音は、気になる人が多いでしょう。
リビング階段の場合、2階までに隔たりがないため、話し声や足音が響きます。
子どもの友だちが頻繁に遊びに来たり、子どもが2階で勉強したりするご家庭は、しっかりと対策を行いましょう。
具体的な方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 2階の扉は防音性の高いものを選ぶ
- リビングと階段の間に廊下を設ける
- 壁や床に、音を吸収しやすい素材を使う
- 階段の前にカーテンや引き戸を取り付ける
調理するときのニオイを緩和するには、階段から離れた場所にキッチンを設けるのがおすすめです。
換気扇は大きいタイプを選ぶと、ほかの部屋にニオイが伝わりにくくなります。
リビング階段を設置するときの3つのポイント
この章では、リビング階段を設置する場合に、押さえておきたいポイントを3つ解説します。
配置する場所をよく考える
リビング階段を導入するときは、設置場所をよく考えましょう。
位置によっては、リビングにいる人の邪魔になってしまう場合があります。
ソファやテレビの近くを行き来したり、通路幅が狭かったりすると、お互いに気を使いますよね。
2階までの動線は、なるべく短くするのがポイントです。
インテリアに合うデザインを選ぶ
リビング階段は階段としてだけでなく、インテリアの役目も持ち合わせています。
何となく選んでしまうと、空間全体がチグハグな印象に。
インテリアのテイストを決めてから、雰囲気に合ったデザインをセレクトしてくださいね。
階段下を収納として活用すると便利
リビング階段の下を、収納スペースとして活用できると便利です。
家族が集まるリビングはモノを出し入れしやすいので、無駄にしないようにしましょう。
ロボット掃除機の置き場所や、ペット用のスペースとして利用するのも、おすすめ。
ただしスケルトン階段の場合は、階段下に収納できないので、注意が必要です。
リビング階段で失敗しやすいポイントと対策方法
家族団欒にうってつけのリビング階段ですが、考えなしに設置してしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性もあります。
この章では、リビング階段で失敗しやすいポイントと、対策方法を紹介します。
設置した場所が悪くて落ち着かない
リビング階段の設置場所によっては、「家にいるのに落ち着かない」といった状況にもなりかねません。
子どもの友達が遊びに来て頻繁にリビングを通ったり、訪問者から見える場所が多くて散らかった状態にできなかったりといった悩みはよくあります。
できるだけリビングの出入り口に近いところに階段を設けるなど、間取りを工夫すると良いでしょう。
リビング階段が場所を取り、家具を置けない
リビング階段を導入するには、それなりにスペースが必要です。
最低でも2帖ほどの空間は確保しておきたいところ。
あらかじめ、家具のレイアウトやサイズを確認しておかないと、置きたい家具を設置できない場合もあるので気を付けてくださいね。
お手入れのことまで考えていなかった
「リビング階段を設置する場所やデザインに気を取られて、お手入れのことまで考えていなかった」というケースも考えられます。
リビング階段はホコリやゴミが溜まりやすく、小まめな掃除が必要です。
特にスケルトン階段は、踏み段と踏み段との間に板がなく、真下にもホコリが落ちます。
小まめな掃き掃除や、拭き掃除が必要になることも踏まえたうえで、リビング階段を導入しましょう。
家族団欒を重視するならリビング階段
この記事では、リビング階段の特徴やメリット・デメリット、導入するときのポイントを解説しました。
「なぜリビング階段を設置するのか」という目的を、明確にさせることが大切です。
現在の状況だけでなく、子どもの成長など将来的な暮らしの様子もイメージして、配置する場所などを考えるのもポイント。
家族団欒を重視したい人は、リビング階段のメリット・デメリットを踏まえたうえで、検討してみてくださいね。