レトロなのに近未来的なエッグチェアの魅力|特徴や導入事例を紹介

    世界中で広く愛用されているエッグチェア。

    タイムレスな雰囲気があり、映画やCMなどでも近未来を映し出すシーンで使われています。

    独特なハイバックは、座ってみると誰かに守られているような安心感を味わえるのが特徴です。

    この記事では北欧デザインを代表するエッグチェアの魅力を紹介します。

    エッグチェアとは?

    エッグチェア

    エッグチェアは建築家でデザイナーのアルネ・ヤコブセンによってデザインされ、1958年に発表されたラウンジチェアです。

    メーカーは北欧デンマークを代表する「FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)」。

    エッグチェアの近未来的な美しい曲線のシルエットは名作チェアとして知られ、発売から60年以上経った現在でも世界中で愛され続けています。

    身体をスッポリと包み込む卵のようなフォルム

    エッグチェアの置かれたリビング

    「EGG」の名前の通り、卵を連想させる丸みが彫刻のように美しいエッグチェア。

    背もたれが高く顔を包むような形をしているため、ラウンジなどの広い空間でも周囲の視線や雑音をさえぎり、落ち着いたプライベートな場所に変えてくれます。

    また座ると体のラインにぴったりと合い、同じEGGシリーズのオットマンに足を乗せればゆったりとリラックスできます。

    加えてエッグチェアにはロッキング機能があり、前後にゆらゆらと動かせるのが特徴。ロッキング機能はレバーで固定・解除が可能です。

    硬質発泡ポリウレタンを使った斬新なチェア

    エッグチェアを上から見た様子

    エッグチェアの独特な丸みのある形は、当時新しい素材だった硬質発泡ポリウレタンをいち早く使うことで実現しました。

    硬質発泡ポリウレタンとは発泡スチロールを硬くしたようなもので、住宅・建設業界で断熱や防音、充填材に使われることの多い素材です。

    それまでの椅子は枠を組んだ中に藁などを詰めて成形しており、自由な形には作れませんでした。

    しかしヤコブセンは硬質発泡ポリウレタンで自在にデザインできることに注目。

    だんご

    硬質発泡ポリウレタンを布で覆い美しいフォルムと座り心地の良さを両立させたのが画期的だったのです。

    バリエーションが豊富な張地で部屋の雰囲気を自在に変えられる

    エッグチェアとスワンチェア

    エッグチェアの張地はファブリック(布地)と革から選ぶことができ、ファブリックだけでも450色以上の豊富な色数が用意されています。

    色は公式サイトにて写真を使った確認が可能です。

    アルミ製のスターベースは黒やグレーに加え、サテン仕上げなどの全5種類から選べます。

    書斎やオフィスの応接室に革張りのエッグチェアを置けば、高級な存在感を放ってくれるでしょう。

    またカラーバリエーション豊かな布張りは、シックな色を選ぶことでぬくもりのある空間に、ポップな色なら明るい雰囲気にします。

    アルネ・ヤコブセンと関係の深い「SASロイヤルホテル」

    エッグチェアはSASロイヤルホテル(現ラディソンブルーロイヤルホテル)のロビーやラウンジに置くためにデザインされました。

    設計とデザインをアルネ・ヤコブセンが手がけたSASロイヤルホテルは、1960年にスカンジナビア航空(SAS)のホテルとして開業。

    ヤコブセンはホテルの設計だけでなく、内部の家具や照明、果てはドアノブや食器までトータルデザインを施しました。

    だんご

    SASロイヤルホテルは2018年に大改装され、現在ではロビーと606号室だけにヤコブセンのデザインが残されています。

    エッグチェアとよく馴染む相性抜群の「スワンチェア」

    エッグチェアとスワンチェア

    エッグチェアより背もたれが短く作られ、高層階ラウンジのお客様に「窓からの景色を楽しんでいただきたい」とヤコブセンが考えデザインしたスワンチェア。

    ヤコブセンがSASホテルをデザインするときに、エッグチェアやドロップチェアなどと一緒にデザインされました。

    「SWAN(白鳥)」の名前の通り、白鳥が羽ばたいているかような見た目が魅力。

    エッグチェアとともに60年以上たった今でも世界中で愛され続けています。

    だんご

    同じホテルのために作られたので、スワンチェアとエッグチェアの相性は抜群。同空間に並べると統一感のある落ち着いた部屋になります。

    エッグチェアの導入事例を紹介

    エッグチェアの独創的なデザインは、モダンなイメージでありながら日本のインテリアにも意外とマッチします。

    豊富なカラーから選べるエッグチェアは、色によって部屋にしっとりと馴染んだりアクセントになったりします。

    ここからは、エッグチェアのコーディネート例を見ていきましょう。

    仕事の合間のリラックスタイムに

    エッグチェアに座る人

    リモートワークが増えた昨今、仕事とプライベートの切り替えが難しいと感じる人が多くいます。

    こうした場合には仕事用の机や椅子とは別に、窓際にエッグチェアを配置するのがおすすめです。

    窓から美しい景色を眺めながらリラックスタイムを楽しんだり、頭を切り替えたりできます。

    エッグチェアとお揃いのフットスツールを使えば、全身が癒やされる時間を過ごせるでしょう。

    ソファと組み合わせて

    エッグチェアとソファ

    エッグチェアをリビングに置くなら、ファブリックのグレー系やブラウン系がおすすめです。

    ソファは同じフリッツ・ハンセンの「ファウンソファ」や「スワンソファ」を選ぶと、テイストが揃っているので落ち着いた雰囲気になります。

    さらに明るい色のクッションや観葉植物を置くことで部屋にアクセントを加えられるでしょう。

    スワンチェアと相性抜群

    エッグチェアとスワンチェア

    夫婦二人暮らしなら、リビングの角にエッグチェアとスワンチェアを並べて二人だけのくつろぎスポットにするのもよいでしょう。

    小さいコーヒーテーブルを挟むように椅子を配置すると、グッと距離も近づいて会話もはずみます。

    ゆったり過ごしたい場合にはフットスツールを置くのもおすすめです。

    エッグチェアを使って北欧空間を楽しもう

    エッグチェアのあるリビング

    この記事では、卵のようなコロンとした形が魅力的なエッグチェアについて紹介しました。

    体を覆うような背もたれで広い空間にいてもプライベートな気持ちになるエッグチェアは、座る人を穏やかな気持ちにさせてくれます。

    豊富な色でどんな部屋にも合うエッグチェアで、素敵な北欧空間を楽しみましょう。