「CH78」はデンマークの家具デザイナーである「ハンス・J・ウェグナー」が手掛けたエレガントなラインが魅力のラウンジチェアです。
優れた機能と個性的な美しさを兼ね備えたデザインはウェグナーの代表作として、今もなお世界中で高い評価を受けています。
この記事ではCH78の魅力やコーディネート例を紹介します。
目次
CH78とは?
1954年に誕生したCH78は、美しい曲線と木製のアームが印象的な優雅で心地いいラウンジチェアです。
柔らかく丸みを帯びたシルエットは包み込まれるような安心感を生み出し、ゆったりと体を預けられる贅沢な座り心地が魅力といえます。
また特徴的な木製のアームが、熊が手を広げているように見えることから名付けられた「ベアチェアシリーズ」の一つとして「ママベアチェア」の愛称で親しまれてきました。
デザイナーは椅子の巨匠と称される「ハンス・J・ウェグナー」。
長らく製造が途絶えていましたが、2020年北欧デンマークを代表する家具メーカー「カール・ハンセン&サン」にて復刻、再生産がスタートされました。
スッキリとした圧迫感のない適度なボリュームは置く場所を選ばす、手持ちのインテリアともよく馴染みます。
また彫刻のような美しさと機能性を兼ね備えたタイムレスなデザインは、部屋をおしゃれで洗練された雰囲気に導いてくれるでしょう。
当時のラウンジチェアの概念を覆した独創的なフォルム
CH78の大きな特徴は、優美な曲線とさまざまな形が組み合わされた斬新なフォルムにあります。
当時のラウンジチェアは重厚なデザインが主流となっていました。
そのなかで、CH78の優しく包み込むようなカーブが作り出す軽快でエレガントなラインは、ラウンジチェアの概念を覆し人々を魅了しました。
背もたれの美しい丸みや温もりを感じる軽快なシルエット、おしゃれさのポイントとなる木製のアームレストには熟練した職人の細部へのこだわりが感じられます。
上品な見た目と人間工学に基づいたデザインは、くつろぎのシーンに最適な心地よさを演出してくれます。
頭まで支えてくれるハイバック仕様
背もたれが高く、頭まで覆うハイバック仕様は首が痛くなりにくいデザインで、体全体を預けてリラックスするのに最適です。
また上部が内側に湾曲しているため顔回りが隠れ、自分だけのプライベート空間を堪能できます。
さらに、より使用感を高めるオプション「ネックピロー」も用意されています。
後ろに重りが付いており、本体の頭部分に引っかけて垂らすような形状で簡単に取り外せる仕組みです。
座る人に合わせて自由に高さが変えられるため首にフィットして心地よく、CH78と組み合わせて使用すると、よりゆったりとくつろぎの時間を楽しめるでしょう。
また本体と同じ素材を選べるこのピローは、機能だけでなくおしゃれで洗練された印象も感じられます。
豊富なカラーバリエーションで空間を彩れる
フレーム全体に施された見事な張り加工が際立つCH78。
その張地は世界的に評価の高いファブリックメーカー「クヴァドラ」の豊富な「布地(ファブリック)」と「皮革(レザー)」から選べます。
たとえばファブリックのブルーやピンク、レッドといった明るい色を選べば、ポップでおしゃれな空間を演出できるでしょう。
一方でグレーやカーキは落ち着いたセンスの良さが感じられます。
またブラックやダークブラウンのレザーをあしらったCH78は高級感があり、空間を引き締めてくれるためシックな部屋に仕上がります。
さまざまな色や雰囲気から選べるのは嬉しいポイントであり、魅力の一つです。
空間に余裕がある場合には何色かを組み合わせて配置し、自分だけの華やかでおしゃれな部屋を楽しむのもよいでしょう。
2020年に復刻されたCH78の秘話
発表当時「APストーレン社」で製造されていたオリジナルのママベアチェアには、背もたれ部分の形状が2種類ありました。
その後2020年に復刻されたCH78は、耳のように大きく張り出したデザインのほうのみが採用されています。
1954年の発表から1960年代にかけて市場に出回り、一般家庭でも使用されていた当時のママベアチェア。
デンマーク国外へも輸出されていましたが、現在のヴィンテージ市場に出ることは滅多になく、デンマーク国外でこのチェアを探すのは難しいといわれています。
CH78と同系統の「CH71」と「CH72」とは
ウェグナーが手掛けたチェアにはCH78と同じく、ベアチェアシリーズとして発表された「CH71」と「CH72」があります。
どちらも一時製造が途絶えていましたが、2018年にCH78と同じくカール・ハンセン&サンによって復刻されました。
CH71はベアチェアシリーズの一つである「ベアチェア」のミニ版としてデザインされたラウンジチェアです。
ベアチェアに比べて可愛らしく小ぶりなことから「ミニベアチェア」とも呼ばれています。
そしてCH72は、CH71の二人掛けのソファタイプ「ミニベアソファ」として誕生しました。
どちらも包み込まれるような抜群の座り心地や上品な存在感はそのままに、限られた空間でも使用しやすいコンパクトなフォルムが魅力です。
好みや配置したい場所、用途によって使い分けてウェグナーの世界観を味わうのも、贅沢な楽しみ方でしょう。
CH78の導入事例を紹介
ここからは優雅で心地いいラウンジチェアの名作・CH78のコーディネート例を紹介します。
部屋をスタイリッシュでおしゃれな空間に仕上げたい人、センスの良い家具で落ち着いたくつろぎの時間を過ごしたい人はぜひ参考にしてください。
リビングでのリラックスタイムに
まずはリビングなど、いつものくつろぎの空間に配置してみましょう。
ソファに劣らない安定感のある柔らかな座り心地は、ゆったりと過ごすリラックスタイムに最適です。
サイドテーブルと組み合わせると、コーヒーや紅茶といったお気に入りの飲み物を飲みながら穏やかな時間を過ごせます。
ネックピローも合わせて使用するとよりリラックスした姿勢を保て、そのまま居眠りをしてしまうほどの心地よさを楽しめます。
また優雅で洗練された雰囲気は、日常の安らぎの時間をより贅沢なひとときに変えてくれるでしょう。
お気に入りの場所でスタンドライトと組み合わせて
自分だけの趣味の時間を楽しむスペースに配置するのもおすすめです。
CH78はサイズのわりに軽量で簡単に移動できるため、気分によって好きな場所で使用できます。
スタンドライトと組み合わせると手元を明るく照らしてくれるため、読書や編み物をするのに最適です。
座り心地もよく、より快適な趣味の時間が過ごせます。
ホテルのロビーのインテリアとしても
エレガントなフォルムで、ホテルなどの日常から離れた空間でもその存在感を十分に発揮するCH78。
ホテルの部屋やロビーに配置すると、贅沢で優雅な気分を味わえます。
また彫刻を思わせる美しさは置くだけで絵になり、インテリアの主役としても活躍するでしょう。
その存在感で周りの空気を一気にワンランクアップさせ、より上質な空間を堪能できます。
ママベアチェアのCH78で至極のリラックス空間を作ろう
この記事では、機能を兼ね備えた軽快でエレガントなフォルムが人気を集めるCH78について、魅力やコーディネート例を解説しました。
ウェグナーが自身のためにデザインしたといわれる完璧を追求したシルエットと、熟練した職人の技術から生み出されるCH78は、世代を超えて使い続けたくなる名作チェアとして世界中で愛されています。
部屋をおしゃれで洗練された印象に仕上げたい人、自分だけの贅沢なリラックス空間でゆったりとした時間を過ごしたい人は、ぜひウェグナーのCH78を取り入れてみてください。