「新築の引き渡し」と聞くと、新しい家の鍵がもらえる日と認識している方もいるのではないでしょうか。
もちろんそれも正解ですが、引き渡し日にはそれ以外にさまざまな手続きが進められます。
今回は、引き渡しの流れや具体的な内容などポイントをまとめて解説します。
事前に理解して準備すれば引渡し時のトラブルを回避できるため、気持ちよく新居での生活を迎えられますよ!
ぜひ、参考にしてください。
目次
新築の引き渡しとは
引き渡しとは、建築業者から施工主へ物件の所有権および占有が移転することを指します。
引き渡し日には購入費用の残金の支払い・ 所有権の登記・鍵の受け渡しなどいくつか手続きを経て、正式に建てた家が自分のものになります。
引き渡し前後の流れは以下を参照してください。
引き渡しに必要なもの
引き渡し日には、以下を事前に用意しておけばスムーズです。
その他、担当者から必要なものを確認しておくのもよいでしょう。
新築の引き渡し|流れ・チェックポイント
引き渡し当日の流れは以下5点であり、所要時間は1~2時間程度かかります。
ここからは引き渡しの流れと具体的な内容・チェックポイントを解説しましょう。
1:残金の支払い
引き渡し日は、住宅ローンを利用して建築費の残金を支払います。
建築業者や金融機関が同席して住宅ローンの融資を受け、決済の手続きを行います。
決済は振込伝票など書面でのやり取りになるため、現金のやり取りはしません。
お金の流れとしては、一旦施工主の銀行口座に金融機関から住宅ローンの融資額が入金され、すぐに引き出して建築業者へ送金する形になります。
- 現金支払いした額・ローンの残金額を事前に把握する
- 諸費用・税金・手数料は想定の額より変動があるため、現金も持っておく
2:登記書類の作成
登記申請とは主に以下3点です。
一般的に登録手続きは司法書士に委任し、書類の作成と申請をしてもらいます。
- 所有権移転
不動産登記をして、家の所有権を登録すること - 買主の抵当権設定
万が一ローンの返済が滞った場合に備えて銀行が土地や建物に抵当権をつけること - 売主の抵当権抹消
建築中は売主側にあった抵当権を抹消すること
3:内装や補修箇所の確認
内覧会時で見つけた傷や不具合が修繕されているか確認します。
さらに、再度内装や外装、設備等が図面通りかなど最終チェックもします。
万が一、修繕されておらず納得いかない場合は、建築業者と再度スケジュール調整して修繕してもらいましょう。
4:設備の説明・保証書の受け取り
建物内外の周りや、各設備・機材などの操作方法の説明を受けます。
事前に利用方法が不明な設備を洗い出して質問を考えておけば、引越し後はスムーズに使用できます。
5:鍵の受け渡し
最後に、鍵の受け渡しが終われば引き渡しは終了です。
このとき、施工主の前で工事中に使用していた鍵が使えないように設定するので、今後は悪用されません。
新たな鍵を設定して施工主の鍵として渡されます。
勝手口や外部収納などすべての鍵をもらえるため、使い方や設定方法の説明を受けましょう。
引渡し時にトラブルを回避するためには?
トラブルにつながる一つに、引き渡し後に傷や汚れに気づいても対応してもらえないケースがあります。
ここからは、そのようなトラブルを回避するポイント4点を解説しましょう。
完成するまで引き渡しは受けない
引き渡し日にサインすれば、建物の完成を認める証になります。
つまり、「図面通り完成した」と納得するまでサインしてはいけません。
仮に、未完成の段階で引き渡しを受けてしまうと工事が期日までに終わらなかったり傷や汚れを修繕してもらえなかったりなど、トラブルの元凶になる恐れも。
少し気になることでも細かく担当者に伝えて、善処してもらうようにしましょう。
傷や不具合等は書類や写真に記録して残す
傷や汚れ、気になる箇所がある場合は、必ず書類や写真に残してください。
特に口頭で依頼した場合は、言った・言わないのトラブルになりがちです。
一般的に、引き渡しの際は現場担当者や営業担当が記録を残してくれるもの。
しかし、漏れなく修繕してもらうなら個人でも記録を残せば証拠になるため、トラブルを回避できます。
ちなみに、万が一補修作業が発生する場合、工事予定時期もその場で聞きましょう。
その後のスケジュールが立てやすくなります。
アフターサービスを確認する
アフターサービスや定期点検において、「何がいつまで無償で受けられるのか」「有償になるのはどのようなケースなのか」を引き渡し時に必ず確認しましょう。
基本的に引き渡し当日はすべてのものが整い、正しく機能している状態です。
しかし、1年でも住めばある程度劣化するもの。
各社でサービス内容は異なりますが、1年点検や3年点検など無料で実施してくれる場合があります。
トラブルを避けるためにも、次の点検日を引き渡し時に確認することは重要です。
余裕をもってスケジュールを立てる
引き渡し日はローンの残金を支払う日でもあり、それまでに売買代金や購入諸費用の支払いを済まさなければいけません。
また、引っ越しの手続きも絡むため、引き渡し前後は綿密な計画を立てる必要があります。
つまり、引き渡し日を中心に余裕のあるスケジュールを組めば準備期間にゆとりが生まれ、不測の事態にも備えられます。
万が一のトラブルのリスクヘッジといっても過言ではありません。
信頼できる工務店なら新築の引き渡しも安心!
引き渡しとは鍵の受け取りだけではなく、建築費の支払いや登記申請の手続き、建物の確認など最後の重要なイベントです。
トラブルを回避する備えをしておけば、気持ちよく新生活がスタートできます。
設計から引き渡しまですべて自社が一貫してサポートする建築会社なら、家づくりも安心です。
とはいえ、納得する家にするためには引渡し時もぬかりなく準備しましょう。
内覧会(引き渡し日の1~3週間前)
担当者の立会いのもと、建物の不具合チェックや寸法の実測をします。内覧会時に傷や汚れを見つけた際は担当者に申し出て、引き渡しまでに修繕してもらいましょう。
引き渡し
引越し(引き渡し日から1~2週間後)
引き渡し日から引越しの間は、家具の搬入やカーテン・照明を設置しておきましょう。