平屋と2階建て、新築注文住宅を建てるならどっち?項目別に比較

    新築の注文住宅を建てる場合、平屋と2階建てのどちらにしようか検討中の人もいるでしょう。

    費用面や住み心地など、具体的にどんな違いがあるのか気になるところです。

    この記事では、平屋と2階建ての違いについて解説します。

    それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、自分たちの優先ポイントに合う注文住宅を手に入れましょう。

    平屋と2階建てを比較するときのポイント

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    平屋と2階建て、どちらにもメリットとデメリットがあります。

    比較するときは、家族構成や暮らしに対する価値観に合うかどうかを意識するとよいでしょう。

    たとえば、小さい子どもや高齢者、ペットがいる場合、階段の昇り降りによる転落の危険性を考えると、平屋のほうが安心です。

    また現在の生活だけでなく、将来の暮らしをイメージすることも大切です。

    家族の人数が増えたり、自分たちが年をとり夫婦2人だけになったりなど、考えられる生活の変化もイメージしてみてください。

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    注文住宅を建てるのを機に、家族でライフプランについて話し合うのもおすすめです。

    平屋と2階建てを項目別に比較

    この章では各項目別に平屋と2階建ての違いを詳しく解説します。

    建設に必要な土地の広さ

    同じ床面積にする場合、平屋のほうが建築するために広い土地が必要です。

    2階建ての住宅は上階を設けて縦に面積を増やせるので、都心など限られた土地にも建てられます。

    土地の広さによって建てられる住宅のタイプは異なります。

    まずは、その土地にどの程度の敷地面積の家を建てられるか確認しましょう。

    建築できる面積を割り出すには「建ぺい率(けんぺいりつ)」を使います。

    建ぺい率とは、その土地に建てられる建築面積を%で表したものです。たとえば140平米の土地で建ぺい率が50%の場合は、70平米までの建物を建設できます。建築できる面積を自分で割り出すのが難しい場合は、相談中の建設会社で確認するのも方法のひとつです。

    市区町村役場の建築指導課、都市計画課に直接問い合わせることもできます。

    費用面

    平屋と2階建てのどちらにしようか迷ったとき、特に気になるのは費用にかかわる部分でしょう。

    建築にかかる費用

    新築の注文住宅を建てるときにかかる土地代や工事費などは、一般的に平屋のほうが2階建てよりも高い傾向にあります。

    平屋を建てるにはある程度広い土地が必要なので、基礎と屋根の面積が広くなるのが理由です。

    とはいえハウスメーカーや工務店によって、料金システムには差があります。

    また選ぶ設備や内装、間取りも費用に大きくかかわるため、平屋と2階建てのどちらが高いかは状況次第です。

    2階建ては平屋よりも外壁が大きかったり、2階用のトイレや階段のスペースが必要だったりするため、坪単価は割安でもトータルでは平屋より高くなる可能性もあります。

    平屋と2階建てのどちらにしようか迷う場合は、それぞれの見積りを出してもらい、予算と照らし合わせて決めましょう。

    また1社だけでなく、複数の建築会社に見積りを依頼し、比較することも大切です。

    建築後に支払う固定資産税

    建築後に毎年支払う「固定資産税」を少しでも抑えたいのなら、2階建てがおすすめです。

    延床面積が同じ場合、平屋は2階建てよりも屋根や基礎に多くの資材を使用するため、資産価値が高いと判断されやすい傾向にあるためです。

    とはいえ平屋と2階建ての固定資産税に、それほど大きな差はありません。

    平屋でなるべく固定資産税を抑えたい場合は、以下の3つのポイントを意識してください。

    1. 木造にする
    2. シンプルな構造にする
    3. 土地の値段が安い場所に建てる

    メンテナンスにかかる費用

    新築で購入したマイホームにも、メンテナンスは必要です。

    同じ広さの場合、メンテナンスにかかる費用は、2階建てのほうが高くなります。

    2階建ては平屋よりも高さがあるため、作業するために足場を組む必要があり、その分費用がかかるのです。

    また日頃の掃除も2階建ては手が届きにくい場所が多く、業者に依頼するケースも平屋より多いと考えられます。

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    一方平屋は造りがシンプルなので、外回りの掃き掃除なども気軽に行えます。

    暮らしやすさ

    土地の広さや費用面だけでなく、生活動線と家事動線、プライバシーといった安全面など、暮らしやすさにかかわる部分も意識して選びましょう。

    生活動線と家事動線

    生活動線の考えられた家

    平屋と2階建てを比較したとき、動線がシンプルなのは平屋です。

    階段がなく水回りの設備がワンフロアにまとまっているので、生活や家事のための移動もスムーズに行えます。

    たとえば、畳んだ洗濯物をそれぞれの家族の収納場所に戻す場合、ひとつの階で完結するため家事の時短につながります。

    平屋と2階建てのどちらを選ぶにせよ、普段の生活動線や家事動線をしっかりイメージして検討しましょう。

    また将来子どもが家を出て夫婦2人で暮らすことを考えても、平屋のほうが階段の昇り降りがなく体力的にも楽でしょう。

    段差のないバリアフリーを検討する場合も、平屋がおすすめです。

    プライバシーの保ちやすさ

    外観

    家族それぞれのプライバシーを確保したいなら、2階建てがおすすめです。

    特に2世帯住宅の場合は2階を子ども世帯、1階を親世帯にするなど、フロアを分けたほうがお互いに気を使わずに済むでしょう。

    反対に家族同士のコミュニケーションを重視するなら、平屋が向いています。

    ワンフロアなので顔を合わせる機会が多く、子どもが年頃になり自室をもつようになっても、様子を確認できます。

    自然災害における安全性

    地震や強風に対して影響を受けにくいのは、2階建てよりも平屋です。

    上に階がないため構造の面で安定感があります。

    その反面、平屋では洪水や高潮時に垂直避難ができません。

    水害が考えられるエリアを自治体のハザードマップで確認し、立地場所を選んだり、建てる土地に合った家づくりを意識することが重要です。

    不審者の侵入に対する防犯性

    防犯性を重視したい場合は、2階建てを選びましょう。

    1階建ての平屋よりも不審者に侵入される可能性が低いので、気持ちの面でも安心できます。

    平屋を選ぶ場合は、センサーライトや防犯砂利を導入して敷地内への侵入を防ぐなど、防犯対策をしっかり行いましょう。

    平屋と2階建て条件に合ったタイプを選ぼう

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    平屋と2階建て、どちらにもメリットとデメリットがあります。

    選ぶときに大切なことは、「家族構成や生活スタイルに合っているかどうか」です。

    まずは建てたい土地に建設できる家の広さを確認しましょう。

    そして優先したいポイントを洗い出し、家族のライフスタイルに合ったタイプの注文住宅を選んでください。