二階トイレは設置するべき?知っておきたいポイントとメリット・デメリットを解説

    注文住宅で家を建てるときや、リフォームをするときに気になるポイントの一つが「二階にトイレを設置するべきか」です。

    二階にトイレを設置することで生活はより快適になりますが、生活する前には想定していなかったデメリットに気づくこともあります。

    この記事では、二階トイレの基礎知識や設置タイミング、費用、メリット・デメリットなどについて解説します。

    二階トイレは設置するべき?

    二階トイレが必要か不要かはどうかの判断基準は、間取り・家族構成・ライフスタイルによって大きく左右されます。

    動線が最適であれば不要かもしれませんが、足腰が弱い人は設置したほうが便利なこともあります。

    生活スタイルはそれぞれの家族で千差万別ですが、この記事では下記のような家族構成と間取りを想定して、必要性を解説していきます。

    家族構成
    • 二階建て住宅
    • 夫婦二人と子供二人
    • 寝室は二階を想定
    • 子供部屋も二階
    • 客間は一階

    二階トイレを設置するタイミング

    二階トイレを設置するときには、「リフォームで入れるか、新築のときに入れるか」が問題になってきます。

    特別な事情がない場合は、新築のときに設計プランに組み込んでおくほうが良いでしょう。

    リフォームで新しく二階トイレを設置する場合、新築一戸建てを建てるときに二階トイレにかかる費用よりも工事費用が相対的に高くなります。

    また、二階にまで配管をのばさなければなりません。

    そもそもの問題として、「構造的に配管をのばせない(あるいはのばすのが極めて難しい)」という状況になることもあります。

    将来的に二世帯住宅リフォームなどで二階トイレの設置を前提に建てる場合は、あらかじめ配管を最適な配置にすることは可能なので、ライフプランと予算に応じてタイミングを決めるのが得策です。

    二階トイレの設置費用を安くする方法

    二階トイレの設置費用を安くする方法としておすすめなのが、「内装や設備を簡素化する」というものがあります。

    一階トイレは生活の中心となるものですし、お客様が来たときに案内するものです。

    そのため、手洗い場のグレードや高性能な便器、ある程度作りこまれたインテリアを必要としますが、二階トイレは原則として家族しか使いません。

    そのため、以下のようなトイレの設備を選択してもそれほど大きな問題はありません。

    • 手洗い場を小さくする
    • 「便器の上に備え付けられている水場で洗う」と割り切る
    • 便座を温める機能やウォッシュレットの付いていない便器を選ぶ
    • 内装を簡素にする

    便座が冷たいという問題は、便座カバーを使えば解消できます。

    このようにすることで、「二階トイレの建築費用」を大きく削減することができます。

    一階と二階で雰囲気を変えるアイデアも

    予算や機能面だけでなく、インテリアの雰囲気を変えるのも良いアイデアです。

    一階トイレは茶色・白・黒などのカラーでモダンな雰囲気にして、二階トイレはパステルカラーなどを採用して親しみやすい雰囲気にするなどの工夫も可能なのです。

    特にお子さんが小さいうちは、親しみやすい優しい雰囲気の二階トイレは愛されること間違いなし!

    もちろん、一階トイレと二階トイレの内装を合わせて統一感を出すのも素敵な試みなのですが、「あえて内装を変える」という発想も良いものです。

    二階トイレを設置するメリット

    ここからは、二階トイレを設置するメリットについてみていきましょう。

    トイレ渋滞が起きない

    トイレと手洗いが別になっている

    二階トイレを設置すると、家の中に二箇所のトイレができることになります。

    そのためいわゆる「トイレ渋滞」が非常に起きにくくなるのです。

    「家族全員が平日の朝に仕事・学校に行く」などのように、生活時間帯がかぶっている家族の場合は、これがかなり大きいといえるでしょう。

    怪我をしたときに移動が楽

    日々生活をしていれば、足を怪我したり、痛めたりすることはあります。

    その中でも特にお尻や足の骨折は、生活に大きな影響を与えます。

    それだけではなく、重度の風邪やインフルエンザのときなどは「トイレのために一階に降りるのもつらい」という状況になりがち。

    しかし二階トイレを設けておけば、寝室〜トイレ間の移動が非常に短く楽になるため、負担がかかりにくくなります。

    夜中にトイレに行きたくなったときに楽

    「夜中トイレに行きたくなって目を覚ます」という経験は、誰もがしたことがあるでしょう。

    冬場の寒い時期にトイレに降りてすっかり目が覚めてしまったという苦い経験も、二階トイレがあれば起こりにくくなります。

    また、寝ぼけて階段から落ちるなどのリスクも避けられます。

    特に妊婦さんの場合はトイレが近くなること、足元が見えにくくなることから、夜中に一階のトイレに降りることは危険が伴います。そんなときに二階トイレがあれば安心して生活できます。

    来客時に使い分けができる

    「お客さんが来ているときに、同じトイレを使うのはちょっと嫌だな」と感じている人もいるのではないでしょうか。

    特に来客が泊まることになった場合は、お互いに気を遣うことが多くなってしまいます。

    そんなときでも二階トイレがあれば、「お客様は下のトイレ、自分たちは上のトイレ」と割り切って使うことができます。

    二階トイレを設置するデメリット

    二階トイレを設置することは、メリットばかりではなくデメリットもあります。

    掃除の手間が二倍になる

    当たり前のことですが、トイレが二つあれば掃除の手間は二倍になります。

    トイレは非常に汚れがたまりやすい場所であるとともに、常に衛生的であることが求められる場所。

    こまめに掃除をしなければいけないことに加えて、階段の昇り降りも増えてしまいます。

    子供の生活が二階で完結してしまいがち

    意外に見落とされがちなポイントとして、”子供の生活が二階で完結してしまう”というデメリットがあります。

    親がいつもいるであろう階下に降りてくる必要がないため、親と顔を合わせる時間が減ってしまう確率が高くなります。

    二階に冷蔵庫やテレビ、スマートフォンがあれば、この傾向はなおさら顕著になるでしょう。

    特に思春期は間取りによってコミュニケーションの低下や引きこもり状態が発生する可能性もあるので、トイレと子供部屋の位置関係については考える必要があります。

    施工費用+配管にかかる費用

    上記でも説明した通り、新築時に設置するにせよリフォーム時に設置するにせよ、二階トイレを作るためには施工費用と配管にかかる費用が必要となります。

    リフォーム時に入れる場合は特に費用が跳ね上がりやすく、工事内容にもよりますが100万円近くの費用が必要になることさえあります。

    音が響きやすいこともある

    トイレの音というのは意外に大きいもので、壁一枚で遮ることは困難です。

    そのため、二階トイレを作る場合は間取りをしっかりと考えなければなりません。

    住宅自体の防音性・遮音性によっても多少異なりますが、高品質と呼ばれる住宅であっても壁だけでトイレの音を遮ることは極めて困難なので、音の響きやすさも計算に入れて設計プランを組み立てる必要があります。

    生活の快適性を計算して二階トイレを設置しよう

    トイレ

    今回は二階トイレの設置について知っておきたいポイントと、メリット・デメリットについて解説しました。

    やはり家族構成とライフスタイルによって設置の必要性は異なってくるので、注文住宅で家を建てる場合などは、事前に工務店・設計事務所の担当者に質問してみるのがおすすめです。

    プロの意見であれば信用できますし、無駄なコストや間取りになる可能性も低くなります。