「毎日掃除しているのに、いつの間にかカビが生えていた」という経験はありませんか?
放置してしまうと他の場所にも広がり、場合によっては喘息やアレルギー性鼻炎、水虫など身体に害を及ぼす可能性もあるのです。
今回はカビが発生する原因や対策、予防方法について詳しく解説していきます。
本記事を読んで、カビに悩まされない快適な暮らしを手に入れましょう。
目次
カビってなぜ発生する?
カビはどの部屋の空気中にも漂っています。
発生しやすい条件が揃うと繁殖し、他の場所にもどんどん広がってしまうのが厄介なところです。
具体的な対策や予防法について解説する前に、まずはカビが生えやすい環境や場所を確認しておきましょう。
カビが生えやすい環境
カビが生えやすい環境には、主に3つの条件があります。
- 気温が20~30度である
カビは微生物の一種なので他の菌と同様に、快適な温度があります。最近ではエアコンの性能が上がり、真冬でも室内はあたたかい状態を保てるようになりました。そのため、湿度が高い梅雨の時期だけでなく、一年中カビが発生する可能性があるのです。 - 湿度が高い
カビが生きていくためには人間と同じように、水分が欠かせません。湿度約60%を超えるとカビが増えやすくなるといわれています。 - カビの栄養分がある
家の中のホコリや髪の毛、食べかす、ダニなどは、全て餌になります。そのため栄養が足りなくなり死滅することがないのです。
要注意!こんな場所はカビが生えやすい
カビは高温多湿な場所を好みます。浴室や洗面所、キッチン、トイレといった水回りは湿気が多いため、カビの発生には注意が必要です。
またクローゼットや押入れなどの収納スペースは、普段とびらや襖を閉めている時間が長く、湿気がこもりがち。
カビの栄養源であるホコリも溜まりやすいので、常に清潔にしておきたいところです。
さらにマットレスや敷布団など、寝具の裏側もカビが生えやすい場所。布団が寝汗を吸収するので湿度が高く、ホコリや髪の毛といったカビの栄養分も豊富です。
その他にも、掃除しにくく汚れが溜まりやすい食器棚や冷蔵庫の裏側、湿気やホコリを吸収しやすい畳など、家の中にはカビが発生しやすい場所がたくさんあります。
できるだけ湿気やホコリを溜めないよう、日頃から対策しておくのがベターです。
カビを予防するには何を意識すればいい?
カビの発生を防ぐために意識することは4つあります。
- 通気性
窓を開けて換気をしたり、除湿機を活用して適切な湿度に保ったりと、空気がこもらない工夫をしましょう。 - カビの栄養分が溜まらないよう取り除く
小まめに掃除をしてホコリや髪の毛、皮脂、石鹸カスといったカビの餌となるものを、できるだけ減らしましょう。 - 家具を壁から離して設置する
約5センチ以上間隔を開けて空気の通り道をつくると、通気性がよくなります。 - 水滴をできる限り拭きとる
窓ガラスについた結露や、入浴後の水滴などは気付いたときに取り除き、湿った状態にしないように意識してくださいね。
カビの予防するために意識する4つのポイントを押さえて、繁殖しにくい環境を目指しましょう。
カビ除去&防カビ対策に役立つアイテムを一挙ご紹介
カビの除去・防カビ対策アイテムは種類が豊富です。
こちらでは特徴の異なるお役立ちグッズをご紹介します。
黒カビの原因を優しく除去するならエタノール
根を張る前の黒カビの除去には、アルコールの一種である「エタノール」が効果的です。
身体への安全性が高く、すぐに蒸発するので家具などを傷めにくいのが嬉しいポイント。除去だけでなく、カビの予防にもなるので、1本持っておくと便利です。
効果が高いといわれているエタノール成分70~80%のものを選びましょう。
使い方は簡単です。カビが生えている場所を見つけたら、ティッシュや雑巾にスプレーして拭きとるだけ。
気付いたときに、すぐ対処することが大切です。
ただし直接スプレーしてしまうと、胞子が飛び散ってしまうので、あらかじめカビを取り除いてから吹きかけてくださいね。
それでも落ちない頑固な黒カビには「カビキラー」などの漂白剤を使用して、根っこから除去しましょう。
布団におすすめ!除湿シートやすのこ
除湿シートやすのこは布団の下に敷き、カビを防止するアイテムです。
除湿シートは寝ているときの汗や水分を吸い取り、カビの発生を防ぎます。
通気性を重視したい人には、すのこの利用がおすすめです。
布団と床の間にスペースができ、空気が通りやすくなります。またカビだけでなく結露も同時に防止できます。
実は3種類ある!除湿機
除湿機は、コンプレッサー式・デシカント式・ハイブリット式という3つの種類があるのをご存じでしょうか?
それぞれのメリットとデメリットを確認し、ライフスタイルにあったものを選びましょう。
湿った空気を乾燥剤に付着させて取り除くのが特徴の「デシカント式」。
吸い取った水分はヒーターで温めて気体にし、熱交換器で再び水滴戻して内部に溜める仕組みです。
気温に左右されず、一年中使用できるのがメリット。
デメリットは熱を発生させるため、消費電力が高めなこと。また使用すると室温が上がりやすいので、夏の使用にはあまり向いていません。
「ハイブリット式」は、コンプレッサー式とデシカント式、2種類の仕組みを併せもった除湿機です。
通年利用する場合は、3種類の中で電気代が一番安いのが魅力的。
また季節に合わせて、コンプレッサー式とデシカント式の機能を使い分けられるのも大きな特徴です。
デメリットは本体が大きく、値段が高めなところ。長い目でみるとコストパフォーマンスがいいので、長期間使う人におすすめです。
部屋干しにも役立つ!サーキュレーター
サーキュレーターは風を発生させ、部屋の空気を循環させる家電製品です。
涼むために使う扇風機に対して、空気循環が目的なのが特徴。
また季節問わずに使えるのも、サーキュレーターならではのメリットです。部屋を閉め切っていても空気が回り続けるので、カビの繁殖を抑えられます。
部屋干しのときに洗濯物に向けておけば服を早く乾かせるのも嬉しいですね。
防カビ剤
カビの発生を防ぐには、防カビ剤の使用が効果的です。カビが発生する前に対策しておけば、塩素系漂白剤のスプレーで落とす必要がありません。
CMでもお馴染みの煙が出る置き型タイプや、シュッと手軽に使えて効果が持続するコーティングスプレー、クローゼットなどに吊るすタイプなど、バリエーション豊富です。
それぞれの特徴を確認し、使用場所や目的に合ったタイプを選びましょう。
カビの胞子が飛び散らないよう、あらかじめカビを落としてから使ってくださいね。
カビが生えやすい場所別!カビ対策&除去の実践方法
カビ対策・除去の実践方法の共通点は、カビが発生しやすい環境にしないこと。
そのためには、適した温度と湿度、清潔な状態を保つのがポイントです。
こちらではカビ対策&除去の実践方法を、発生しやすい場所別にご紹介していきます。
お風呂
お風呂は、水回りの中でも特にカビが気になる場所です。
発生を防止するために、湿気がこもらないように心がけましょう。
換気扇は最低でも約2時間は回して、しっかり空気を循環させることが大切です。
浴室に窓がついている場合は、開けて換気してもいいですね。
また入浴後に水気を切るのもポイントです。身体を拭いたあと、使ったバスタオルで浴槽を拭いたり、スクイージーで鏡や壁の水滴をはらったりして、水分を取り除きましょう。
「最後に入浴した人は水切りをする」など、家族の中でルールをつくってもいいですね。
カビは高温に弱い性質があるので、お風呂に入ったついでに約50℃のお湯をシャワーでかけると発生防止につながります。
火傷に気を付けながら、週1回程度おこなうのが理想です。
もしカビが生えてしまった場合は、早めに対処しましょう。
色がピンクのカビは、スポンジなどでこすれば簡単に落とせます。
厄介なのは黒いカビです。放っておくと根を張ってしまい、こすっただけでは落とせません。
そこでおすすめなのが、漂白剤と片栗粉を使って除去する方法です。
洗面器などに漂白剤と片栗粉を1:1の割合で混ぜ、ペースト状にします。カビが気になるところに、つくったペーストを塗り、5分程度放置したあと、約50℃のお湯で流せば完了。
漂白剤は片栗粉と一緒に使うことで、流れずカビにしっかり密着させられます。
収納スペース
クローゼットやタンスなどの、収納スペースは風が通りにくく空気がこもりやすい場所です。
服がめいっぱい詰まっていると通気性が悪くなり、カビが発生しやすくなります。
収納する衣類を8割程度に減らし、通気性を良くしましょう。
晴れている日には窓を開け外の空気に当てたり、扇風機を使ったりすれば、湿気と一緒に中のホコリも飛ばせます。
忙しくてなかなか換気ができない場合は、クローゼットやタンスのとびらを開けっ放しにしておいてもOKです。
また一日着用した服はすぐにしまわず、洋服ブラシでホコリを落としたあと、干して湿気を飛ばしてから収納してくださいね。
クローゼットやタンスにカビが生えてしまったら、まずは入っているものを全て出しましょう。
つぎに乾いた雑巾にアルコールをスプレーし、カビを広げないように周りから中心に向かって拭いていきます。
そして外の空気に当てるなど、しっかりと乾かしてから元の場所に戻してくださいね。
エアコン
エアコンのフィルターや吹き出し口はホコリが溜まりやすく、カビが発生しやすい場所です。
汚れたまま使っていると、部屋全体に胞子をまき散らしてしまうことになります。小まめにお手入れして、清潔な状態をキープしましょう。
大掃除だけではなく、夏や冬といった使用頻度の高い時期には月1回ペースで掃除をするのが理想的です。
除湿や冷房運転をするとエアコン内に水分が溜まりやすいので、電源を切る前に30分ほど送風運転をして乾燥させましょう。
また窓を開けて換気するだけでも、空気に含まれた汚れを外に出すことができ、カビの発生を抑えられます。
エアコンに発生したカビを自身で除去する方法は主に2つあります。
- フィルター掃除
電源を切りカバーを開けたら、フィルターを取り出して掃除機でホコリを吸い取ります。そして、お風呂場などで水洗いしてから、陰干しでしっかりと乾燥させれば完了です。 - 吹き出し口
エアコンの内部と外部がつながっている場所なので、カビが生えていると胞子が部屋全体に放出されてしまいます。まず電源を切りコンセントを抜いてから、風向きを調節する「ルーバー」を手でさげます。つぎに薄めた中性洗剤を含ませた布や雑巾で拭きましょう。定規に巻き付けると、手では届かない細かい所もキレイにできます。
あとはコンセントを入れ、送風運転をして乾かせば完了です。
ただしエアコンの種類によっては、掃除方法が異なる場合があります。事前に取扱説明書をよく確認してから、おこなってくださいね。
また自分で掃除するのは難しい内部は、エアコンを分解する必要があります。自信がないときは無理をせずプロにお願いすると安心です。
カビを発生させない対策をしっかり徹底しよう!
カビは油断しているとすぐに生えてしまいます。
発生を防ぐためには湿気がこもらないよう換気したり、小まめにホコリを取り除いたりするなど、日頃の対策が大切です。
除湿アイテムや防カビグッズなども上手に活用し、カビに悩まされない快適な暮らしを手に入れましょう。
「コンプレッサー式」は、コンプレッサーを内蔵した除湿機です。
室内の湿った空気を冷却機で水滴に変えることで、湿気を取り除きます。空気を冷やして除湿するため、夏場の使用に最適です。
エアコンの除湿機能と同じ仕組みで、電気代を低めに抑えられるのが嬉しいポイント。
反対に冬になると効果が弱まるので、夏に室温を下げたい人におすすめです。