IoT住宅ってどんなもの?AI化で便利になる生活機能や現状の課題点を解説

    家にAIを導入して家電をコントロールできる「IoT住宅」。

    高齢者や健康志向の高い人たちのみならず、一人暮らしや子供がいる家庭など、さまざまな暮らしをより快適なものに変えてくれます。

    しかし便利さの裏側には課題点も残されており、一般家庭に広く普及されているとは言い難いのも事実です。

    そこでこの記事では、IoT住宅の魅力や手軽に実現する方法、現状挙げられている問題点について解説します。

    IoT住宅とは

    IoTとは、「Internet of Things」の頭文字をとった略語です。

    IoT住宅とは、家電設備などをインターネットに繋いでAI管理することで、生活に必要な機能をより便利に使える住宅を指します。

    例えばコーヒーメーカーのタイマーを朝にセットし、コーヒーの香りで目覚めたり、洗濯機が天気予報の情報からおすすめの洗濯の方法やタイミングを教えてくれたり、といった内容が実現します。

    とはいえ、IoT住宅は広く普及してはおらず、対応家電も一部のみ。

    しかし今後の技術発展が加速すれば、座っているだけでほぼ全ての家事が終わってしまうといった未来も、そう遠くはないと言われています。

    スマートハウスとの違い

    「スマートハウス」と「IoT住宅」は、しばしば混同されて使われます。

    両者の違いを挙げるとすれば、「スマートハウスはITを利用しており、IoTはITに加えてAIを活用している」という点です。

    スマートハウスは2010年代から一般認識されるようになりました。

    当時は太陽光発電をはじめとする「エコ」に着目した家づくりの意味がありましたが、次第にエコに関わらずITを駆使した家をスマートハウスと呼ぶように変化。

    自動でスイッチのオンオフが出来たり、声だけで家電が反応したりといった、エコ+アルファを主軸とするのがスマートハウスです。

    一方でIoT住宅は「スマートハウス+人工知能」と考えると理解しやすいです。

    AIが搭載されているため、ユーザーの行動からベストな提案を考えてくれます。

    例えば冷蔵庫を開ければレシピをおすすめしてくれたり、テレビが好みの番組を教えてくれたりといったものです。

    このようにIoT住宅はスマートハウスの一歩先を進み、より暮らしが楽しく豊かになった住宅だといえます。

    IoT住宅だからできること

    IoT住宅には、人々の生活を豊かにする要素がたくさん詰まっています。そのうちの一部を見てみましょう。  

    外出先でも家電操作が可能

    スマホを操作する人
    Photo by NordWood Themes on Unsplash

    スマートハウスに設置される家電や日用品は、スマホ・タブレットと連携しています。

    そのため、外出先から家電を操作するといったことが可能になるのです。

    帰宅時間に合わせてエアコンやお風呂の電源を入れたり、支度しておいた料理の加熱をしたり、洗濯機を回しておいたりと、家事をよりスムーズに進めることができます。

    防犯性能を高めてくれる

    IoT住宅の玄関は電子錠が採用されており、スマホや専用のカードをドアにかざすことで、鍵がロックされます。

    ピッキングが不可となるため、防犯効果も期待できるでしょう。

    また、鍵を閉め忘れてもスマホで操作ができるため、お子さんにお留守番をさせたい家庭や鍵の閉め忘れが多い人は重宝します。

    災害時に住まいと居住者を守る

    何らかの災害警報が発令されたときに、IoT住宅はエネルギーを省エネモードに切り替えて備蓄モードへと移行してくれます。

    電気が止まったときも蓄電した電力を活用できるため、非常時にも一定水準の生活をすることが可能に。

    また、気象庁の天気予報と連動する製品であれば、暴風時にはシャッターを自動で閉めて家を守ったり、朝日が昇った時間にシャッターを開けて快適な目覚めを促したり、といった生活もできるようになります。

    生活家電を一元管理

    IoT住宅の大きなメリットは、生活家電を一元管理できる点です。

    例えば、部屋ごとに設置された家電や家のいたるところにある照明など、各部屋をまわってすべての電源オンオフを確認するのは負担です。

    IoT住宅なら家中の家電をスマホやタブレットなどで一元管理できるため、どこの家電がどのような状態か、すぐに把握できます。

    これにより、電気の消し忘れや確認のための不要な部屋移動などが減り、エコで快適な生活が実現できるのです。

    IoT住宅がもたらす生活の変化

    IoT住宅によって家電や設備の利便性が増すことで、生活にはさまざまな変化が訪れます。

    例えば、空調システムと連携が取れたIoT住宅は、”常に快適な温度・湿度を保つ”ことができます。

    これによりヒートショックといった不慮の事故が発生する可能性を低減させます。

    鍵の閉め忘れ・シャッターの開閉なども自動で解決”してくれるのであれば、病気以外の心配も減るでしょう。

    帰るタイミングに合わせて家電が調理・風呂・洗濯の準備を終わらせていてくれれば、忙しい毎日でも少し楽をすることができます。

    このように、IoT住宅によって住む人の安全・安心をサポートしつつ、エコで快適な暮らしも提供してくれるのです。

    IoT住宅に対応する設計のポイントを紹介

    より快適なIoT住宅にするためには、設計段階で注意しておきたいポイントがいくつかあります。

    コンセントを多めに設置

    コンセント

    IoT住宅で機能する家電は、コンセントが必要です。

    しかし利便性が高く現代的なIoT製品なのに配線が丸見えでは、「次世代住宅」のイメージが薄れてしまいます。

    また、コンセントが足りていないと延長コードやたこ足配線などで、ショートや火災が発生する可能性も。

    あらかじめコンセントは多く設置しておいたほうが、見栄え・機能性・安全性のすべてにおいて安心です。

    段差・仕切りはなくす

    お掃除ロボットが床を掃除している様子
    Photo by Kowon vn on Unsplash

    IoT住宅ではおなじみのロボット掃除機は、段差が苦手です。

    掃除が行き届きやすくなるよう、段差は極力減らしましょう。

    また、IoT住宅は体に障がいを持つ人や高齢者の生活もサポートします。

    彼らの生活のしやすさを考え、IoTの機能をフルに活かすためにも、段差は無い方が快適です。

    真四角・長方形の間取り

    真四角・長方形といった死角のない間取りは、IoTの機能を発揮しやすくなります。

    例えば、遠隔操作ができる室内カメラを設置している場合、部屋中を見渡しやすくなるなどのメリットがあります。

    空気の循環も効率が良くなり、お掃除ロボットも掃除をしやすくなります。

    シンプルで視認性に優れる構造を意識すると、IoT機能をフル活用しやすくなります。

    今すぐにできる住宅のIoT化

    今の家がIoT住宅でなくても、家電の遠隔操作・自動化を導入することで、利便性の高い家に変えることができます。

    実際に生活してみることで、IoT住宅の設計において気が付くポイントも多々あるので、今すぐにできることをチェックしてみましょう。

    スマート家電の導入

    予算に余裕がある場合は、スマート家電を導入すればIoT住宅として成り立ちます。

    引っ越しのタイミングでスマートテレビやエアコン、シャッターなど、できる範囲でスマート家電を取り入れてみると、実際に使ってみた感想や課題点を認識しやすくなります。

    スマートリモコンの導入

    スマート家電の設置ができない場合、”スマートリモコンの導入がおすすめ”です。

    スマートリモコンとはWi-Fiに対応したリモコンのことで、スマホを介して家電の電源オンオフやコントロールなどができます。

    赤外線通信のリモコンを使う家電であれば、基本的にスマートリモコンに登録可能なため、ご自宅の家電が対応しているか確認してみましょう。

    対応可能であれば、今のエアコン・テレビ・照明などを1つのリモコンで一元管理することができます。

    スマートプラグの導入

    スマートリモコンよりもっと価格を抑えたいのであれば、スマートプラグ導入を検討してみてください。

    スマートプラグとは、Wi-Fi対応のコンセントのこと。

    スマートリモコンに搭載している温度・音量・調光といったコントロール機能はなく、電源のオンオフ操作のみ対応しています。

    • 外出先からエアコンの電源を入れておきたい
    • 消し忘れた電気を消灯させたい

    といった程度であれば、スマートプラグでも十分に活躍してくれます。

    IoT住宅における課題点

    とても便利なIoT住宅ですが、いくつかの課題点も残されています。

    例えば導入コストが通常の住宅よりもかかったり、IoTの機能が十分に発揮できない間取りが存在するケースもあります。

    そもそもIoT対応の家電もまだ多くは販売されておらず、認知度も高くありません。

    IoTの恩恵を受けるべき高齢者や障がい者の人たちに有効性が伝わっておらず、機能があっても使いこなせないというのも問題点としてあげられます。

    また、ドアやシャッターの自動施錠はセキュリティ強化にも繋がりますが、同時にサイバー攻撃の対象にもなり得ます。

    このように気軽に暮らすためのIoT住宅のはずなのに、気軽な導入がかなわないのが現実です。

    今後、これらの問題点を払拭するために、住宅のみならず家電・介護を始めとするさまざま業界が注力しています。

    IoT住宅で快適な暮らしを実現しよう

    今回はIoT住宅の特徴やメリット・デメリット、設計に適した間取りのポイントについて解説しました。

    IoT住宅が一般的に広まれば、人々の生活はもっと豊かになるはずです。

    現行の家を丸々IoT住宅に変更するのは困難なので、できる範囲から少しずつライフスタイルに合ったIoT化を取り入れてみましょう。