働き方が多様化したことにより、家を建てる場所に対して快適な住み心地を求める人が増えています。
そんな中、注目を集めているのが、都会と田舎の中間である「トカイナカ」と呼ばれるエリアです。
「トカイナカ」は都心からアクセスが良く、適度に田舎生活が楽しめるエリアのことです。
この記事では「トカイナカ」の移住先として首都圏で人気エリアや、移住する際の注意点を解説します。
家を購入する場所を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
首都圏で人気の移住先は?
一般的な首都圏の定義では、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県を指します。
これでは範囲がかなり広く、本格的な田舎も数多く存在します。
そこで、この中でも都会と田舎の中間である1都3県を対象にした「2023年版 第11回 住みたい田舎ベストランキング」から、移住先として人気のエリアを紹介します。
1位:千葉県いすみ市
千葉県南部の太平洋側にあるいすみ市は、日本最大級の岩礁群があり、伊勢海老の漁獲量日本一の漁場がある海の町です。
観光やサーフィン、キャンプなどを楽しめる自然環境と、JR特急で都心まで70分程度というアクセスの良さが魅力で、移住希望者に注目されています。
2位:神奈川県山北町
山梨県と接する神奈川県西部の山北町は、町の9割が丹沢山塊に囲まれています。
丹沢湖周辺に広がる日本の原風景の中で、のんびり山暮らしができるのが魅力です。
都心まで電車で約90分というアクセスの良さと、充実した子育て支援制度により、ファミリー世帯に人気があるエリアです。
3位:埼玉県小川町
小川町は埼玉県の中央にあり、秩父の山々に程近い緑豊かな地域です。
江戸時代から伝統産業で栄えた町で、観光スポットも数多くあります。
都心まで約70分で、移住者には特急下りの座席指定券購入費用の補助があるなど、移住者支援に力を入れているのも特徴です。
4位:千葉県鴨川市
鴨川市は、千葉県の南東部に位置し、海岸には南房総国定公園がある観光都市。
鴨川シーワールドや鴨川温泉郷のあるリゾート地としても有名です。
都心までのアクセスは電車で約2時間半、車で1時間半ですが、温暖な気候や海のレジャーが充実しており、移住者が多い人気のエリアです。
5位:埼玉県加須市
埼玉県北部で茨城県と栃木県との境に位置する加須市。
日本三代河川の利根川が流れる自然が豊かな地域ですが、都心からのアクセスが約70分と良いため、多くの人が暮らすエリアです。
大型の商業施設や大きな病院もあり、子育て支援も充実しているので、共働き世帯におすすめの町です。
6位:千葉県多古町
多古町は千葉県の中央あたり、都心へ電車で約90分の距離にある、成田空港に近い町です。
幼保一元化によるこども園と学童保育で待機児童ゼロ、小・中学校まで給食費ゼロ、大学生まで医療費ゼロという「子育てにやさしい3つのゼロ」を実施しているなど、子育て支援が充実しています。
7位:千葉県館山市
千葉県最南部に位置する館山市は、観光客が多く、温暖な気候と豊かな自然が魅力の町です。
水質調査でAAランクに認定されるほどの美しい海で、スキューバダイビングやマリンスポーツを堪能できます。
リゾート地の魅力と、手厚い移住支援で、二拠点生活を考える人にも人気のエリアです。
8位:千葉県君津市
君津市は千葉県南東部に位置し、都心まで1時間弱のアクセスの良さが魅力です。
君津駅は東京や横浜に直通するJR内房線快速の始発駅でもあり、通勤・通学に便利です。
ハート型の光が見える有名な観光地「亀岩の岩窟」などがあり、身近に自然の豊かさを感じられます。
9位:千葉県南房総市
千葉県の南部にある南房総市。房総半島の最南端にあたる野島咲灯台や、日本酪農発祥の牧場などがあり、大自然を感じられるエリアです。
都心からやや離れていますが、移住支援や子育て支援に手厚く、二拠点生活を試せる無料の移住施設なども完備しています。
10位:千葉県栄町
栄町は千葉県の中央部にあり、国際観光モデルに指定されている町です。
町内には龍角寺古墳群・岩屋古墳群や江戸〜明治時代の建物を再現した博物館があり、長い歴史を感じられるのも魅力です。
都心までは電車で1時間半の距離で、子育て支援も充実しています。
首都圏で移住するメリット
都会と田舎の中間である「トカイナカ」が点在する首都圏には、住み心地の良い魅力ある町が数多くあります。
ここでは、首都圏で移住するメリットについて紹介します。
住宅購入費用を抑えられる
首都圏内でも田舎と呼ばれるエリアは都心部に比べて地価が安いため、敷地面積の広い家を建てられます。
ゆったりとしたリビングを作ったり、広い庭でバーベキューができたり、憧れのライフスタイルを実現できるでしょう。
しかし、極端な田舎ではないため、周辺にはスーパーや病院などもあり、生活の不便さはあまり感じないでしょう。
都内に通勤できる
首都圏内の移住の場合、通勤時間は電車通勤で1時間〜1時間半が一般的です。
始発の駅周辺に住めば、ゆったり座って通勤することも可能です。
自然を満喫できる
自然豊かな場所に移住すれば、アウトドアレジャーを存分に楽しめます。
首都圏周辺には山も海もあり、さまざまなスポーツやアクティビティができる施設も充実しています。
自分がこれから挑戦したいアクティビティや趣味を基準にして、家を持つエリアを選択するのも良いでしょう。
子育てがのびのびできる
首都圏の自然の多いエリアへの移住は、子育てがのびのびできる魅力があります。
学校には広い校庭があり、周辺には広い公園や里山がある地域も多く、昆虫採集や植物の観察が手軽にできる環境がそろっています。
そのため、子どもの感性を育てるのにぴったりです。
東京圏外への移住なら支援金がある
東京都23区在住または通勤している人が東京圏外に移住すると、移住支援金がもらえる制度があります。
支援金の上限額は1世帯100万円、単身者は最大60万円です。
東京圏とは一都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)、または東京都心から50〜70km圏内を指します。
首都圏エリアで対象となるのは、茨城県・栃木県・群馬県・山梨県と、埼玉県・千葉県の一部です。
支援金を受け取る条件や対象地域の詳細については、都道府県のホームページで確認してください。
首都圏で移住する際の注意点
首都圏で移住はメリットもありますが、検討する際に知っておくべき注意点もあります。
以下で4つの注意点を紹介します。
長距離通勤になる
首都圏内の移住でも、場所によっては長距離通勤になる場合があります。
また、スーパーや病院などへの移動が自家用車当たり前の地域に移住すると、すべて徒歩圏内にあった人にとっては不便に感じるかもしれません。
光熱費が高くなる場合がある
首都圏への移住の場合、都市ガスとプロパンガスのどちらが使われている地域かを確認しておきましょう。
プロパンガスを利用する地域の場合、都心で暮らしていたときより、ガス代がかなり高くなります。
また、車が必須のエリアでは、ガソリン代が加算されることに注意しておきましょう。
近所付き合いが増える
首都圏であっても、田舎と呼ばれる地域ではコミュニティが狭く、都心とは違う近所付き合いが発生することも考えられます。
移住者が多い地域を選んだり、それほど田舎ではない郊外エリアを選んだりすれば、ストレスがかかるほどの近所付き合いにはならないでしょう。
教育環境が限られる
首都圏での移住で事前に調べておいた方がいいのは、子どもの教育環境です。
一般的に、習いごとや塾などの選択肢は、都心に比べると少なくなります。
私立の小中学校への進学を考えている場合、電車通学に時間がかかることも念頭に置いて検討しましょう。
首都圏での移住なら利便性と豊かな暮らしの両立ができます
今回は、首都圏で移住先として人気エリアや、移住する際の注意点を解説してきました。
首都圏内でなら、それほど大きくライフスタイルを変えずに、自然の豊かさと生活の利便性のどちらも手に入れられる場所が見つけやすいでしょう。
首都圏でお気に入りの「トカイナカ」を見つけて、理想の暮らし方を検討してみてください。
テレワークができる職種で、月に数回の出社という働き方をする人ならば、さらに遠いエリアを検討しても良いでしょう。