犬と暮らす家はどうやって作る?快適な間取りのポイントや注意点を紹介

    大切な家族の一員であるペット。

    一緒に生活するならできる限りストレスを感じさせず、安全性の高い環境をつくってあげたいですよね。

    とはいえ、人と犬とが共に気持ち良く暮らすためには、具体的にどんな工夫が必要になるのでしょうか?

    この記事では、犬ならではの習性を踏まえたうえで、互いが快適に生活していくための間取りのポイントや注意点について解説します。

    犬と一緒に暮らす家とは?

    ソファの上に座っている犬
    Photo by Carissa Weiser on Unsplash

    ペットと暮らす場合と、そうでない場合とでは意識するポイントが異なります。

    たとえば、犬がいる家では体を動かせるスペースを確保したり、足腰に負担の少ないフローリング材を使ったりするなどの工夫が必要です。

    共に生活する家族とペットの快適性が両立されている住宅がベスト。

    どんな暮らしがしたいかをあらかじめイメージして、心地良い暮らしをデザインしていきましょう。

    まずは犬の習性を理解しよう

    犬

    人間が快適でもペットにとってはストレスを感じたり、危険だったりする場合もあります。

    この章では犬ならではの習性を4つご紹介します。

    お互いが心地良く過ごせる家作りの参考にしてくださいね。

    犬はお散歩が大好き

    犬にとってお散歩は無くてはならないもの。一日の中で楽しみにしているペットも多いでしょう。

    散歩は運動や排泄だけでなく、他の犬との関わりや外の世界の刺激によってリフレッシュ効果も期待できます。

    また家では見られないペットの姿が見られたり、コミュニケーションを図れたりと飼い主にとっても有意義な時間です。

    家族と一緒に過ごす時間が大切!

    犬は基本的に家族思いの性格の子が多いです。

    この特性は群れを作って共に生活してきたときの名残といわれています。一緒に暮らす人間やほかのペットは犬にとって大切な仲間。

    そのため家族の体調が悪かったり、喧嘩をしたりしているときには気にかけてくれることもあるでしょう。

    プライベートな空間も必要

    犬は基本的に人間が大好き。とはいえ、状況によってはプライベートな空間も必要です。

    たとえば食べるときや寝るとき、排泄するときなどは安心できる専用のスペースがあると良いでしょう。

    食べるとき

    エサや水を置く場所は、人間の動線から離れた位置にするのがベター。

    壁際にコの字やL字型のスペースを作ったり、収納家具を使って家族の視線を遮ったりするなど落ち着ける空間を意識しましょう。

    また、床をタイル張りにすれば食べこぼしもサッと拭くだけで済むので、片付けも楽チンです。

    トイレスペース

    ペットのトイレスペースは落ち着ける空間であることが重要です。

    安心して排泄できないと我慢してしまい、病気の原因につながる場合もあります。家族から見えない奥まった場所に作ってあげましょう。

    また壁や床に防水加工を施したり、消臭効果のある珪藻土を使ったりといった工夫もおすすめ。排泄後の後始末が楽ですし、ニオイも気になりません。

    体温調節が苦手

    犬が舌を出して「ハアハア」と呼吸をしているのを見たことがある人は多いのではないでしょうか?

    人間と違って汗をかかないため、口を開けて体温を下げているのです。

    しかしこの方法だと効率が悪く、暑さに弱い習性があります。

    床にタイルや冷却シートを設置してお腹を冷やせる場所を作ってあげると、暑い季節でもより快適に過ごしてくれます。

    犬と暮らす家の間取りテクニック8選

    人間と犬にとっての快適性を両立させるためには、家にどんな工夫を施せば良いのでしょうか。

    この章では、お互いに心地良く暮らすための間取りテクニックを8つご紹介します。

    ポイントをおさえて、安全かつ快適な家作りを目指しましょう。

    玄関土間を作って散歩道具を収納

    リードでつながれた散歩中の犬
    Photo by Luzelle Cockburn on Unsplash

    日々のお散歩タイムにはリード・バッグ・ビニール袋・水など何かとアイテムが多いもの。

    専用の収納スペースがあれば、床やソファなどに放置して散らかるのを防げます。また散歩の準備や後片付けも楽チンです。

    靴を履いたままアクセスできる「玄関土間」を作れば、必要なグッズが一つにまとまっているのでスムーズに準備できます。

    広めの庭に小さなドッグランを作る

    芝生の上で走っている子犬
    Photo by Cristian Castillo on Unsplash

    広めの庭に小さなドッグランを設置すれば、家にいながら思い切り運動させることができます。

    忙しくてどうしても散歩に連れていけない場合でも、ドッグラン内であれば安全に遊ぶことができます。

    室内と異なり芝などで地面を柔らかくすることができるので、室内犬やシニア犬も安心して体を動かせます。

    ただし急な飛び出しによる道路での事故などを防ぐため、門扉とは別に専用のフェンスを設置しておくなどの対策が必要。

    犬のジャンプ力は人間が思っている以上に高いので、十分な高さがある柵を選びましょう。

    足に負担の少ない芝生を使ったり、ガーデニングをするときは口に入れても安全な植物かどうかを確認したりすることも大切なポイントです。

    床材を滑りにくい素材に

    床に寝そべっている犬
    Photo by Jorge Gardner on Unsplash

    一般的なフローリングは掃除後にワックスをかけると滑りやすく、犬の足腰を傷めたりケガの原因につながったりするケースもあります。

    メインスペースとなるリビングにはシリコンコーティングやコルク材のフローリングにするなど、素材選びを工夫しましょう。

    日当たりの良いバルコニーで安全に遊ばせる

    ベランダにいる犬
    Photo by Per Lööv on Unsplash

    日当たりの良いバルコニーがあれば、自宅にいながら手軽に運動させることができます。

    ただし目隠しフェンスを設置する場合は、隙間を作らないように注意しましょう。

    ほんのわずかなスペースであっても、ふとした瞬間に飛び出したり落下したりする可能性があります。

    木製や樹脂製のラティスで隙間を埋めるなどの対策を取ると安全性が高まります。

    犬用の見晴らし窓でご主人をお出迎え

    窓際に座っている犬

    犬は動いているものに興味を示す特徴があります。

    外の様子を眺めるのが好きなペットには、目線に合った高さの見晴らし窓を設置してあげましょう。家にいながら家族のお見送りやお出迎えができます。

    階段の踊り場など、普段の行動に合った場所がおすすめです。

    空調快適な共有スペースに犬小屋を設置

    犬は孤独を感じるのが苦手。

    できるだけ家族の目の届くところに居場所を作ってあげるのが理想的です。

    とはいえ家事や育児、在宅ワークなどで、適度な距離が必要になるケースもあるでしょう。そういった場合はリビングなどの空調が快適な共有スペースに、犬の居場所を確保するのがおすすめです。

    インナーテラスや犬小屋を設置して、お互いに心地良い空間を作ってくださいね。

    階段は低く・広くを意識して作る

    階段にいる犬

    階段を作る場合は、足を乗せる板を広めにしたり段差を低くしたりするのがポイント。

    犬の肉球は柔らかくデリケートなので、なるべく負担が掛からないような工夫が大切です。

    段差が低ければ飛び降りたときの衝撃を減らせます。段の数は増えますが「人間にとっても上り下りが楽」というメリットも。

    特に妊娠中や高齢者の場合、落下や転倒などのリスク防止にも効果的です。滑りにくいコルク素材を使っても良いですね。

    キッチン・浴室はフェンスで安全性を確保

    犬にとっては室内にも危険がいっぱい。留守中や目を離した隙にケガをしないよう、キッチンや浴室にはフェンスを設置して安全性に配慮しましょう。

    包丁や火を使ったり、食べてはいけないものを口にしたりする危険を回避できます。

    また入ってはいけない場所だと犬自身に認識させる効果もあります。

    浴室の場合、洗濯用に残り湯を溜めている人も少なくないのでは?何も対策していないと、バスタブを覗いた拍子に落ちて溺れてしまう可能性があります。

    浴槽のフタと浴室のドアを閉めた上でフェンスをすれば、より安全性を確保できるでしょう。

    人と犬が快適に暮らせる家を作ろう

    ペットと暮らしている家

    人間と犬が共に快適に暮らせる家を作るためには、習性を理解したうえで具体的にどんな工夫が必要かをイメージしておくことが大切です。

    ペットにとってストレスがないことはもちろん、一緒に生活する家族がお世話をしやすい環境だとベストです。

    この記事を参考にしつつ、人間と犬がどちらも快適に過ごせる間取りを考えてみてくださいね。