枕選びは何を重視すべき?自分に合う枕を使うメリットや体型・年齢別の選び方を紹介

    「朝起きたときに肩こりを感じる…」「睡眠が浅くて疲れが取れない…」など、良質な睡眠を取れていない人は少なくありません。

    原因はさまざまですが、今使っている枕が自分に合っていない可能性はかなり高いです。

    合わない枕を使っていると肩こりや首こりを引き起こしたり、いびきをかいて深く眠れなかったりと安眠を妨げてしまうのです。

    この記事では、自分に合った枕の選び方のコツを詳しく解説します。

    自分に合った枕の条件とは?

    寝ている人
    Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

    「自分に合った枕」を探すには、まず体の仕組みを少しだけ知っておく必要があります。

    人間の体のなかでもっとも重い部分である「頭」。

    その重い頭を支えるために、首から背中にかけて頸椎(けいつい)や背骨がゆるやかなS字カーブを描いています。

    このS字カーブになった骨の形が、重たい頭を支えるのに適している形なのです。

    そして眠るときにもこのS字カーブを維持できていると、体の負担を最小限にとどめられるといわれています。

    つまり自分に合った枕とは、S字カーブの骨の形を保ちながら体の負担を少なくできる枕のことと言えます。

    自分に合った枕を使うとどうなる?

    自分に合った枕を使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは4つの利点をみていきます。

    肩こりが改善されやすい

    まず肩こりが改善される可能性があるでしょう。

    自分に合わない枕に頭を乗せると、敷布団と首の間に隙間ができてしまいます。

    この隙間により首が浮いた状態となり、寝ている間ずっと首や肩周りの筋肉が緊張しつづけます。

    筋肉が強張ったまま長時間過ごせば、凝り固まってしまい肩こりになる仕組みです。

    しかし自分に合った枕を使うことにより、首のあたりの隙間がなくなり睡眠中に筋肉も休めるようになります。

    こうしたメカニズムにより、肩こりが改善されるケースも珍しくありません。

    いびき・無呼吸が改善する場合も

    自分にとって枕の高さが高すぎる場合、頭が自然と持ち上がり舌が喉のほうに下がってしまいます。

    これは「舌根沈下(ぜっこんちんか)」と呼ばれており、寝ている間に舌の根元で喉を塞いでしまう現象です。

    呼吸がしづらくいびきが増えるので、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性もあります。いびきなどで安眠できていない場合には、あなたにとって枕の高さが高すぎるからかもしれません。

    首の痛みやストレートネック対策におすすめ

    スマホをいじる人
    Photo by Magnet.me on Unsplash

    スマホが普及している現代では、首を下に傾けている時間が多くなり「ストレートネック(スマホ首とも呼ばれる)」の人が急増しています。

    自分に合った枕を選べば首にぴったりフィットしてくれるため、寝ているときも首をしっかりと支えてくれるのです。

    最近ではストレートネック用の枕も販売されているため、気になる人はチェックしてみてください。

    眠りが深くなり睡眠の質が高まる

    眠る子供
    Photo by Isaac Quesada on Unsplash

    これまで述べてきたとおり、自分に合った枕を使うと肩こりや首こり、いびきなどが改善される可能性があります。

    いびきがひどい人は、夜中に自分のいびきで目覚めることもあるんだとか。

    しかし自分に最適な枕に出会えれば、こうした睡眠の邪魔が入らず朝までぐっすりと眠れるようになるでしょう。

    睡眠の質が高くなれば、翌朝には疲れもすっかりと取れて元気な1日を過ごせるようになります。

    枕を選ぶときにチェックしたい4つのポイント

    次に、自分に合った枕を選ぶときにチェックすべき4つのポイントについて紹介します。

    寝心地に直結!「枕の高さ」をチェックする

    枕の高さを選ぶときには、まくら無しの状態で仰向けに寝て、首と敷布団の間にできる隙間の高さに合わせて選びましょう。

    先にも説明したように、首のあたりに隙間ができてしまう枕は自分に合っていません。

    そのため事前に隙間を調べて、その隙間の高さに合うような枕を選びます。このときに注意しなければならないのは、敷布団のやわらかさを考慮すること。

    やわらかい敷布団やマットレスを使用している場合には、寝たときに体が敷布団に沈み込みます。反対に固い敷布団を使っている人は、寝たときに体はそれほど沈みません。

    これに合わせて、やわらかい敷布団を使っている人は「低めの枕」、固い敷布団の場合には「高めの枕」を選ぶことで首あたりの隙間を減らすことができます。

    好みの触感はどれ?「素材」も大切

    白い枕が並ぶベッド

    枕の素材も重要です。頭を乗せたときの感触が気になると安眠できません。

    またそれぞれに特徴があり、お手入れ方法も異なることを覚えておきましょう。

    素材特徴
    羽毛夏は涼しく、冬は暖かい。軽い。
    自然素材ならではの吸湿性や通気性に優れている。
    パイプストローを短く切ったような形。
    サイズ・やわらかさは多種多様。自宅で洗えるため衛生的。
    低反発ウレタンもちもちな触り心地で、弾力性がある。
    体にフィットしやすい。
    高反発ウレタン低反発ウレタンよりも固め。
    弾力性に長けていて寝返りが打ちやすい。
    ポリエステル綿やわらかいクッションのような素材。
    機能性に優れた特殊加工されているわたもある。
    そばがらそばの実の殻でつくられた枕。
    自然素材特有の吸湿性と通気性があり、寝ているときに頭の汗を吸収する。
    主な枕の素材

    このほかにもたくさん種類があるため、気になる人は枕専門店などで聞いてみてくださいね。

    呼吸のしやすさが変わる「枕の形」

    ナチュラルな雰囲気のベッドルーム
    Photo by Deconovo on Unsplash

    枕の形にもさまざまな種類があります。

    一般的に多いのは「長方形型」です。商品のバリエーションが豊富なことから、自分に合った枕を見つけやすいメリットがあります。

    また「波型」は枕を横から見たときに、波のようにカーブしている枕のことです。多くの場合、首のあたりに隙間ができないように作られています。

    そして首回りのボリュームを減らすように作られているのが「ハート型」。ハートの形を逆さにしたような形状で、肩こりや首こりで悩んでいる人におすすめです。

    さらに横を向いて寝る癖がある人に最適な「横向き対応型」もあります。横向き対応型の枕は内側が分割されていて、素材や量、やわらかさなどを部分的に調節して作ります。言ってみれば完全オーダーメイドのようなイメージです。

    無頓着な人も多い枕の「サイズ」

    大きさの違う枕のあるベッド
    Photo by Isaac Martin on Unsplash

    枕のサイズによっても寝心地が違うため、自分の体に合ったものを選ぶ必要があります。

    枕のサイズは主に4種類あり、「Mサイズ」「Lサイズ」「セミロングサイズ」「ロングサイズ」です。

    Mサイズの枕は一般体型の日本人用に作られていて、標準サイズといえるでしょう。2人で仲良く同じ枕で寝たいという人には、ロングサイズがおすすめです。

    個人差によって変わる枕選びの基準

    これまで紹介してきたポイントに加え、自分個人の特徴を考慮して枕を選ばなければなりません。

    ここでいう自分個人の特徴とは、「体型」「性別」「年齢」の3つ。一つずつみていきましょう。

    体型によって変わる枕選び

    体型によっても枕の高さを調節しましょう。

    たとえば女性などの小柄で細い人は、S字カーブの骨があまりしっかりしていない場合が多いため、低めの枕がフィットしやすいといわれています。

    反対に普段から運動習慣がある体格がいい人や大柄な男性などは、S字カーブの骨がしっかりしているため高めの枕が合うでしょう。

    このように体型によっても自分に合う枕の高さが異なるため注意しましょう。

    性別によって変わる枕選び

    ベッドの上でくつろぐカップル
    Photo by Toa Heftiba on Unsplash

    先にも述べたように、男性の場合は首の骨がしっかりとS字カーブを描いている人が多いため、2〜5cm程度の高めの枕がおすすめです。女性の場合には、1〜3cmの低い枕が適しているでしょう。

    これは男女によって骨のS字カーブの深さが異なるためです。

    一般的に男性の骨のほうがS字カーブを深く描いているため、高さのある枕のほうが心地よく感じます。

    ただしこれには個人差があるため、実際に枕に頭を乗せて感覚をたしかめてみてくださいね。

    年齢によって変わる枕選び

    ベッドの上でくつろぐ家族
    Photo by Jonathan Borba on Unsplash

    生まれたての赤ちゃんの場合には、首の骨を支えるようなしっかりした枕は必要ありません。

    まだ立って歩けない状態では重たい頭を自分で支える必要がないので、首から背中にかけての骨がS字カーブを描いていないのです。

    よく見かける赤ちゃん用の枕は、首の骨を支えるためではなく後頭部の絶壁防止として使われています。

    子どもが自分に合った枕を使い始める時期の目安は「立ったときに、首よりも後ろに頭が出ている」状態です。

    これは骨がS字カーブを描き始めている証拠といわれており、だいたい10〜15歳あたりに見られはじめます。

    子どもにいつごろしっかりした枕を買ってあげればいいのか悩んでいる人は、子どもの姿勢を日々チェックすることも大切です。

    自分に合った枕で爽快な朝を迎えよう

    朝起きている人
    Photo by bruce mars on Unsplash

    今回は安眠するために重要な「枕」の選び方を紹介しました。

    安眠は、健康的に長生きするためには欠かせません。人間は眠っている間に体力を回復したり、成長ホルモンを分泌したり、記憶を整理したりします。

    毎日よく眠れずに悩んでいる人は、翌朝気持ちよく目覚めるためにも自分に合った枕を探してみてくださいね。