ポットチェアは、デンマークの北欧家具デザイナーアルネ・ヤコブセンが1959年にデザインしたポット(POT)というラウンジチェア。
座る人を包み込むフォルムはモダンで魅力的。
飾り気のないシンプルなデザインも人気の秘密です。
この記事では、登場以来多くの人に愛されるポットチェアの魅力や歴史、ラウンジチェアの選び方について紹介します。
目次
ポットチェアとは
ポットチェアは、1959年にアルネ・ヤコブセンがデザインしたラウンジチェアです。
アルネ・ヤコブセンは、デンマークの建築家であると同時に北欧家具のデザイナーでもあります。
ポットチェアは元々、自身が建築し、家具やカトラリーまでを手がけた「SASロイヤルホテル」のラウンジに置く椅子として設計されました。
ポットには「深鍋」という意味があり、身体を包み込むようなフォルムがポットチェアの大きな特徴となっています。
ラウンジチェアとしては小ぶりですが、そのぶん身体にフィットしやすく、座る人に心地良い時間をもたらします。
時代に左右されないシンプルなフォルムのまま、快適性と品質の向上を図りながら、今も多くの人を魅了しています。
ゆったりくつろげるラウンジチェア
ラウンジチェアとは、ホテルのロビーや待合室など、ラウンジと呼ばれる場所に置かれる椅子のことで、「上質なリラックス空間」を目的に作られています。
ラウンジチェアは通常の椅子に比べて背もたれ部分が高く設計されているため、周囲に人がいる場所でもパーソナルスペースとして区切りやすい特徴があります。
コンパクトなお部屋でも確かな存在感を感じさせる優美な見た目なので、おしゃれなリラックス空間を作りたい人にはぴったりです。
ラウンジチェアには、ポットチェアのような背面が高い椅子のほか、背もたれに傾斜があり、ゆったりと座れるタイプもあります。
多彩な張地から選んで自分らしいポットチェアに
ポットチェアの見た目は、現在に至るまで1959年当時のオリジナルデザインのまま。
ただし、素材は改良され、快適性と耐久性が高くなっています。
脚部の素材はスチールパイプ。
クローム仕上げのものと、ダークブラウン粉体塗装仕上げがあります。
ポットチェアを扱うフリッツ・ハンセンでは、張地をファブリックか、レザーから選ぶことができるので、好みや部屋のイメージに合わせて多彩なカスタマイズを楽しめます。
上質なファブリックで素材感を楽しむ
ポットチェアの張地には、バリエーション豊かなファブリックが揃っています。
張地にはデンマーク国内外の一流サプライヤーのファブリックが使用されており、自宅で使用する家具にはもちろん、オフィスやホテル、公共の場などさまざまな施設でも使用できる優れた耐久性を誇っています。
張地は、デザイナーが進めるデザイナーセレクションのファブリックやカラーのほか、自分が好きなカラーや生地を選ぶなど、ポットチェアを自分らしくカスタマイズできます。
幅広いバリエーションの高品質レザー
ファブリックだけでなく、レザータイプを選ぶこともできます。
どんな部屋にも溶け込めるように、レザー素材の種類は豊富に用意されています。
レザーの性質によって時間とともに色が濃くなるもの、薄くなっていくものなど、それぞれ特徴が異なるので、好みを考慮して選ぶとよいでしょう。
使用しているレザーはいずれも最高級のものばかり。
とはいえ、レザーは天然素材なので、カラーや表面の構造に自然な個体差があることも知っておきたいところです。ものによっては、自然のシミが存在する場合がありますが、これはむしろ本物のレザーの特徴ともいえるもの。
レザーを選ぶ際は、座り心地、手触り、見た目のほか、メンテナンスについても確認しておくと安心です。
ポットチェアだけじゃない!おしゃれなラウンジチェアを紹介
アルネ・ヤコブセンがデザインしたラウンジチェアは、ポットチェアだけではありません。
ここからは、アルネ・ヤコブセンがデザインしたラウンジチェアのシリーズを紹介します。
いずれも見た目が優雅で、ラウンジチェアらしいゆったりとした座り心地を満喫できます。
エッグチェア
ポットチェアと同様、「エッグチェア」もSASロイヤルホテルのロビー・ラウンジ用にデザインされました。
その名前の通り卵のようなフォルムで、座る人を包み込むデザインが特徴的。
自分の殻に入るような形状で、公共の場でもパーソナル空間を作ることができます。
ベース部分はアルミ製の台座とサテン仕上げのスチール脚。張地は、多彩なファブリックやレザーから選ぶことができます。
スワンチェア
「スワンチェア」も、ポットチェア・エッグチェアと同じく、SASロイヤルホテル用にデザインされたラウンジチェアです。
曲線だけで構成されたフォルムは当時としては革新的でしたが、今もなお色褪せないデザインとして多くの人を魅了しています。
ベースはアルミ製の台座とサテン仕上げのスチール脚。張地は、種類豊富なファブリック、レザーから選べます。
ドロップチェア
シンプルなデザインが魅力的な「ドロップチェア」
名前の通りしずく型の愛らしいフォルムは、そこにあるだけで空間に癒しをもたらしてくれるような存在感です。
こちらもSASロイヤルホテル用にデザインされたものですが、当初製造されたのは約200脚のみ。その後は長い間製造されることはなかったのですが、2014年に復刻。
このタイミングで、これまでのオリジナルのファブリックや、レザーのフルパディングモデルに、ポップなカラーバリエーションのプラスチックモデルも追加されました。
ラウンジチェアの選び方
アルネ・ヤコブセンがデザインした椅子は洗練されたものが多く、部屋に1脚あるだけでも、おしゃれな雰囲気をつくり出せます。
多彩なラウンジチェアがありますが、選ぶときのポイントはあるのでしょうか。
ここからはラウンジチェアの選び方を解説します。
正規品にこだわる
名作といわれる家具などには、「正規品」と「リプロダクト」といわれる正規品以外のものがあります。
正規品とは、正規のライセンスを持つメーカーが作った家具のこと。
正規品は確かな技術と品質に加えて万全のアフターケアが保証されており、職人の手作業によって生み出される独自の味わいを感じることができます。
非正規のリプロダクトは値段が安いですが品質がイマイチで、一生ものの家具としておすすめできません。
「紛れもない本物」を楽しみたいなら、迷わず正規品を選ぶようにしましょう。
部屋のイメージに合わせる
ポットチェアをはじめとしたフリッツ・ハンセンのラウンジチェアシリーズは、多彩なファブリックやレザー素材から好みの椅子を作ることができます。
そのため、部屋のカラーやイメージに合わせて雰囲気を作りやすいのが特徴です。
モダンな部屋にはもちろん、カーテンや壁の色に合わせてファブリックを選んだり、重厚な雰囲気の部屋ならレザーを選ぶのもよいでしょう。
スペースに合わせて選ぶ
ポットチェアは比較的小ぶりなサイズですが、ラウンジチェアは体を包み込む大きめのものが多いです。
そのため、部屋の面積によっては圧迫感を感じたり、ラウンジチェアを置けなくなってしまう場合もあるでしょう。
それでもラウンジチェアを置きたい場合は、
- できるだけコンパクトなデザインやサイズを選ぶ
- オットマンのないタイプを選ぶ
- リクライニング機能がないものを配置する
など、さまざまな工夫することでスペースにぴったり合った椅子を選べるようになります。
自分好みのポットチェアを選ぼう
この記事では、ポットチェアやラウンジチェアの特徴について詳しく紹介しました。
時代に左右されないデザインであることはもちろん、正規品であれば、多彩なファブリックやレザーを選んでカスタマイズを楽しめるのが魅力です。
好みや部屋の雰囲気に合ったポットチェアを選んで、ゆったりとしたリラックスタイムを楽しんでみましょう。