ピエロ・リッソーニはイタリアのデザイナーおよび建築家です。
プロダクトやインテリアデザインだけでなく、空間プロデュースやグラフィックデザインなど、幅広いジャンルで活躍しました。
この記事では、ピエロ・リッソーニの歴史やデザインの特徴、代表作について詳しく解説します。
目次
イタリアの巨匠ピエロ・リッソーニとは?
1956年にイタリアのミラノ北東部にある「ブリアンツァ」に生まれたピエロ・リッソーニ。
製品単体でデザインするだけでなく、総合的にCIデザインを手掛けることができる希少なデザイナーです。
プロダクトやインテリアデザインはもちろんのこと、グラフィックデザインや空間プロデュースなど、幅広い分野で活躍しました。
現在は「イタリア国立21世紀美術館(MAXXI)」の理事やミラノ工科大学の客員教授、アルタガンマ国際評議会の名誉会長を務めています。
本質的かつシンプルなデザイン
「本質的かつシンプルであること」がリッソーニのポリシーです。
特定の機能や目的を果たすのではなく、人間のためのデザインを軸としています。
作品づくりのためのインスピレーションとして「アルネ・ヤコブセン」や「ポール・ケアホルム」といったデザイナーからも影響を受けました。
一流ブランドとコラボレーションを手掛ける
ミラノ工科大学建築学科にて学位を取得し、卒業したリッソーニ。
1987年に「ニコレッタ・カネージ」と共に「スタジオ・リッソーニ」を立ち上げ、数々の一流ブランドとコラボレーションします。
ボッフィ、カッシーナ、フロス、リビングディバーニ、ポロといった世界的に有名な企業と、家具や照明などのデザインを手掛けました。
1996年には、ブランド開発やCIを中心としたグラフィックスタジオ「Graph.x」を展開。
2013年に「リッソーニ・アーキテュトゥーラ」へと社名が変わり、2015年にはニューヨークを拠点としたリッソーニ社が設立されました。
幅広いプロジェクトを手掛けるリッソーニ社
約70名のスタッフからなるリッソーニ社は、住宅や公共・商業施設などにおける、家具・照明・インテリア・グラフィックデザインなど、さまざまなジャンルのプロジェクトに携わっています。
近年の事業としては、2017年のアラブ首長国連邦「ジオベ・ロイアル・ゾラ・ビーチリゾート・アジュマーン」や、2018年の上海「スワイヤーホテルズグループ」のミドルハウスなどがあります。
国際的な賞を多数獲得する
リッソーニの才能は多くの人に認められ「グッドデザイン賞」や「レッドドットデザイン賞」といった、名誉ある賞をいくつも受賞しています。
1991年にはボッフィのシステムキッチン「Esprit」2006年には「WK6」で、イタリアのインテリア界において最も栄誉があるとされる「コンパッソ・ドーロ賞」を獲得しました。
ピエロ・リッソーニの代表作5選
リッソーニはイタリアの「カッシーナ」だけでなく、デンマークの家具メーカー「フリッツ・ハンセン」とのコラボレーションや、照明のデザインもおこなっています。
ここからは代表的な家具を5つご紹介します。
直線的なフォルムがスタイリッシュな184 EVE
アルミのフレームがスタイリッシュな「184 EVE(イヴ アームチェア)」。
直線的なアームが軽やかで上品な印象です。背もたれと座面のレザーは、外側から継ぎ目が見えない「インビジブルステッチ」仕上げとなっています。
ウレタンを使用したクッションは座り心地抜群。
デザインだけでなく、機能性にも優れているのが嬉しいですね。
豊富なバリエーションから選べる192 MILOE
「192 MILOE(ミロー システムソファ)」は気品漂う佇まいが魅力です。
ファブリックやレザーなど、張地のバリエーションが豊富なのも嬉しいポイント。
素材だけでなくカラー展開も充実しているので、インテリアの好みや使用目的に合わせて選べます。
またサイドテーブルやシェルフなど、他の家具とも組み合わせやすいのが魅力です。
アレンジが楽しいアルファベットソファ
レゴブロックからインスピレーションを得てデザインされた「アルファベットソファ」。
フリッツ・ハンセンより発売された作品です。
ブロックのように、ユニットを自由に組み替えられるのが特徴的。背もたれ、肘掛け、座面ごとに張地が選べるので、インテリアや自身の好みにぴったりのソファが手に入ります。
程よい硬さのシートは座り心地抜群。座るのはもちろん、寝転がった状態でも快適に過ごせます。
汚れにくく耐久性に優れたウールを使用しているのも嬉しいポイントです。
すっきりとした佇まいのリッソーニソファ
リッソーニソファもアルファベットソファと同様、フリッツ・ハンセンから発売されています。
無駄のないすっきりとした佇まいにリッソーニらしさを感じる作品です。
一般的なソファと比べて幅と奥行きがあるため、ゆったりと腰掛けることができます。
遊び心を感じる照明カモフラージュ
イタリアの照明ブランド「フロス」のカモフラージュはシンプルながら遊び心を感じるブラケットです。
設置する場所に馴染む塗装を選ぶと、消灯時にライトが壁に一体化。
点灯すると光だけが浮かびあがり、奥行きのある空間を演出できます。
多分野で積極的に活躍したピエロ・リッソーニ
幅広いジャンルで活躍したピエロ・リッソーニ。
シンプルながらも洗練されたデザインは、多くの人から高い評価を得ました。
現在も質の高い家具を開発し続けており、期待されるデザイナーの一人です。