「人生100年時代」と言われる昨今、セカンドライフへの関心が高まっています。
セカンドライフを充実させるために、定年後を見据えて、新しく家や別荘を購入される方も増加中です。
しかし、セカンドライフに適した家は、20〜40代で建てる家とは目的が異なります。
そこで、この記事ではセカンドライフを快適に過ごせる間取りや、土地選びのポイントを解説していきます。
セカンドライフを過ごす家に関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
セカンドライフとは
セカンドライフとは、定年後の「第二の人生」「セカンドステージ」のことです。
平均寿命が男女共に80歳を超え、定年後の15〜20年以上をどう生きるかについて関心が高まっています。
今後ますます寿命が伸びることも予想され、充実した生活を送りながら、健康的に長生きできる住まいや環境が重要な問題になってきています。
セカンドライフで家を建てるメリット
セカンドライフのために建てる新しい家や別荘に注目が集まっています。
セカンドライフに適した家を建てることには、以下のメリットがあります。
- 自然が豊かな場所を選んで生活できる
- 新しい趣味や人間関係をつくれる
- 地域によっては移住支援が利用できる
- 年齢に合った家を建てられる
セカンドライフに適した家は、仕事をバリバリこなしたり、子育てしやすくしたりといった目的で建てる家とは異なります。
利便性を優先した土地、部屋数や個性的なデザインの家よりも、ゆったりと落ち着けたり、楽に家事ができたりすることを優先した家づくりが可能です。
セカンドライフで家を建てるデメリット
セカンドライフで家を建てることには、デメリットを感じる方もいます。
考えられる問題点は、以下の3点です。
- なじみのない地域での病気や介護に不安を感じる
- 環境によってはマイカーが必要になる
- 生活習慣の変化に対応できない可能性がある
これらの不安を解決するには、土地選びが重要となるでしょう。
セカンドライフの過ごし方は、人によって目的がさまざまです。
どんな生活を送りたいかを明確にできると、デメリットを解消しやすくなります。
セカンドライフに適した家とは
では、セカンドライフに適した家とは、具体的にどんな家を指すのでしょうか。
ここでは3つの視点から解説していきます。
趣味を楽しめる家
セカンドライフでは、趣味を楽しみたいと考える方は多いでしょう。
趣味を持つことはストレスを解消したり、人とつながるきっかけになったりして、心身の健康維持に役立ちます。
全国のシニア(50歳~79歳)の男女1,000名(全回答者)を対象にしたアンケートでは、現在の楽しみとして、下記の結果が出ています。
- 1位「旅行」
- 2位「テレビ/ドラマ」
- 3位「グルメ」
- 4位「映画」
- 5位「読書」
引用:ソニー生命「シニアの生活意識調査2023」
他にも、人気のある趣味として以下のものが挙げられます。
アウトドア系 | ウォーキング、ジョギング、ゴルフ、ヨガ、社交ダンス、水泳、山登り |
インドア系 | 料理、カラオケ、音楽・楽器、eスポーツ、カメラ、囲碁・将棋 語学教室・英会話、ガーデニング・家庭菜園、資格取得 |
その他 | ボランティア活動 |
これらを楽しむなら、習う教室や実践できる場所など、趣味ができる環境も考慮する必要があるでしょう。
そのため、セカンドライフの家づくりにとって、間取りや土地選びは大切な要素といえます。
生活が楽にできる家
セカンドライフに適しているのは、生活が楽にできる家です。
セカンドライフの家では、年齢を重ねることで起こる体の不調にも対応できる家づくりが必要です。
具体的におすすめなのは、以下の4点です。
- バリアフリーでつまずきにくくする
- オール電化によって、ガス漏れや火災を予防する
- 玄関や水回りを広くし、手すりをつけて動きやすくする
- 窓の鍵の位置は低めにして、手を伸ばす動作を少なくする
セカンドライフの家では、部屋数もそれほど必要ないため、階段のない平屋住宅もおすすめです。
部屋が明るく暖かい家
セカンドライフを過ごす家は、どの部屋も明るく、暖かい家にすると良いでしょう。
暗い部屋は湿気がこもりやすかったり、季節によっては極端に寒くなったりして、体に負担がかかる可能性があります。
そのため、将来を見据えて部屋を明るくし、高気密・高断熱の家にすると安心です。
高気密・高断熱の家は、高い断熱性を誇る素材や24時間の換気システムがあり、家中を快適な温度に保てます。
そのため、真冬のヒートショックのリスクを軽減できるのもポイントです。
セカンドライフの土地選びのポイント
セカンドライフを快適に過ごすためには、家を建てる土地選びも重要なポイントです。
ここでは、土地選びについて3つのポイントを解説します。
気候・物価・交通機関を知る
セカンドライフの目的にあった土地を選ぶには、気候と物価、交通機関を知る必要があります。
例えば、年中温暖な地域と豪雪地帯に住むのとでは、必要な家具や道具、生活スタイルが異なります。
また、住む地域の物価や交通機関は、趣味や生活にかける費用に大きく関わります。
新しい家の土地選びでは、やりたいことに使う時間や費用の配分、自分の行動範囲も考えて検討しましょう。
医療機関・福祉施設の充実した場所を選ぶ
セカンドライフで過ごす場所は、医療機関や福祉施設の充実した場所を選ぶと安心して暮らしやすくなります。
気に入った土地が見つかったら、周辺のクリニックや病院、福祉施設までの距離や特徴を調べておくことをおすすめします。
人間関係が構築できそうな土地を選ぶ
長い時間を過ごすセカンドライフでは、人間関係の構築も大きなポイントです。
初めての土地では、ちょっとした悩みを相談できる知り合いがいると安心できます。
そのためには知り合いがいる土地を選んだり、趣味のイベントに参加して知り合いを増やしたりなど、相談できる環境も大切にしましょう。
セカンドライフを過ごす家の間取りのポイント
セカンドライフを快適に過ごせる家とは、心身に負担をかけず生活できる家です。
そのためにできる間取りのポイントを紹介します。
将来の家事・生活動線を考慮する
定年直後の60代で家を建てる場合、70・80代での生活をイメージすると、長いセカンドライフを快適に過ごせます。
自分がいつから体に不調を感じるかの予測は難しいですが、年齢とともに動く範囲が狭まることは予想できます。
そのため、将来の家事・生活動線を考え、楽に生活できるような間取りにすることが大切です。
例えば、洗濯機から物干し場まで直線で移動できるようにしたり、買い出し後の収納が楽になるよう玄関近くにパントリーやキッチンを作ったりなどの間取りを検討しましょう。
トイレは寝室の横に設置する
セカンドライフの家では、トイレを寝室の横に設置することをおすすめします。
そうすることで、夜中にトイレへ移動しようとして転倒するリスクを避けられます。
人感センサーで点灯するフットライトなどを設置しておくと、さらに安心できるでしょう。
片付けやすい収納を作る
セカンドライフを快適に過ごすために、新しい家には片付けやすい収納を作りましょう。
片付けは細かい動作が多く、体にとって負担が大きいものです。
年齢と共に出し入れが難しくなると、収納しなくなる可能性もあります。
そのため、持ち物を整理し、収納しやすい場所を作る必要があります。
高い位置の収納は体に負担がかかるので、低い位置で片付けられる収納スペースがおすすめです。
夫婦それぞれの場所を作る
長いセカンドライフを快適に過ごすためには、夫婦それぞれの場所を作ることも検討しましょう。
別々に過ごしたいとき、それぞれ好きな趣味に没頭したいときなどに、自分だけの場所があるとお互いがストレスなく過ごせます。
敷地が狭く個室を作れなくても、寝室を緩やかに分けたり、リビングにワークスペースを作ったりするだけで、ちょうど良い距離感が保ちやすくなります。
大人向けのインテリアを楽しむ
セカンドライフのための家は大人だけの空間のため、大人向けのインテリアを楽しみましょう。
子どもがいたら汚しそうで避けてしまう高級家具や、ホワイト中心のコーディネートなど、スタイリッシュやラグジュアリーを追求したインテリアを実現するのもおすすめです。
ただし、掃除をしやすいインテリアを心がけると、清潔感を保ちやすくなります。
快適な家で充実したセカンドライフを過ごそう
今回は、セカンドライフを快適に過ごせる間取りや、土地選びのポイントを解説しました。
セカンドライフの家を建てる際には、元気な今を楽しみつつも、将来の健康状態を考慮しながら計画することが大切です。
快適さのポイントを押さえた家を手に入れて、充実したセカンドライフを過ごしましょう。