シニア世代向け!快適に暮らせる平屋住宅の間取りのアイデアを紹介

    「子どもが独立して夫婦2人では家が広すぎるから、将来を考えて家を住み変えようか」「そろそろバリアフリーの家に住んだ方がいいかもしれない」と考えるシニア世代も多いのではないでしょうか。

    平屋住宅は一般的な2階建て住宅にくらべて居住空間がコンパクトで階段もないため、「シニア世代の住まい」として最適といえるでしょう。

    この記事では平屋住宅を選択するメリット・デメリットや、シニア世代の生活に合った間取りづくりのポイントを紹介していきます。

    セカンドライフのために建てる平屋住宅が理想の住まいになるよう、ぜひ参考にしてください。

    シニア世代が平屋住宅を建てるメリット・デメリット

    平屋住宅にはシニア世代ならではのメリット・デメリットがあります。

    自分たちにはどんな間取りが合うのかを検討する前に、しっかりと把握しておきましょう。

    メリット1:コミュニケーションが取りやすい

    平屋住宅はワンフロア設計になるため、姿が見えなくても家族の気配を感じやすいのが特徴です。

    同じ空間にいれば顔を合わせる機会も多くなり、コミュニケーションが取りやすくなります。

    そのため、ヒートショックや熱中症などの室内で起こる事故にも素早く対応できるでしょう。

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    シニア世代にとって平屋住宅は、夫婦が適度な距離を保ちつつお互いを気にかける、そんな暮らしができるちょうど良いサイズの住まいです。

    メリット2:階段・段差がない

    シニア世代にとって平屋住宅の最大のメリットは、階段がないことでしょう。

    階段がないことで家事動線にかかるストレスが減少します。

    特に洗濯は干す、取り込む、しまうの工程がワンフロアで行えるため、かなり体の負担を軽くできるのではないでしょうか。

    階段で起きやすい転倒や転落のリスクも大幅に軽減されるため、シニア世代にとっては大きな安心材料となるでしょう。

    さらにバリアフリー設計を徹底して段差を極力なくすことも、快適な住まいづくりには欠かせません。

    メリット3:メンテナンスがラク

    家のメンテナンスは10〜15年ごとに外壁塗装などを行うのが一般的です。

    平屋住宅は2階建て住宅にくらべて外壁の面積が少ないため塗装材などが少なくすみ、メンテナンス費用を節約できます。

    屋根までの高さも低いため足場を組む必要がない場合も多く、工事は短期間になる可能性が高いでしょう。

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    また、シニア世代の平屋住宅はコンパクトな設計が多いため修理箇所が特定しやすく、塗装以外のメンテナンスが必要だったとしても修理する時間や費用が少なくすむでしょう。

    デメリット1:プライバシーや防犯面に注意

    平屋住宅は1階建てのため、プライバシーの確保には工夫が不可欠です。

    外からも視線が入りやすく、対策する必要があるでしょう。

    塀やフェンス、植栽などで隠す方法だけでなく、通りに面した外観の窓を小さくするなどデザインの工夫で隠すことも可能です。

    ただしプライバシー確保ばかりを重視すると死角もできやすくなるため、防犯面も一緒に考えながら設計することをおすすめします。

    デメリット2:建物内部が暗くなりやすい

    建物がたつ方角や場所によっては日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。

    隣家に高い建物があると確実に日当たりが悪くなるため、家を建てる土地選びが重要なポイントといえます。

    ただし中庭をつくったり、天窓を採用するなど設計の工夫で解決することもできるでしょう。

    デメリット3:水害時に2階への避難はできない

    平屋住宅は2階がない構造のため、地震や台風で起こる横揺れには比較的強いという特徴があります。

    しかし川の氾濫や土砂崩れなどの自然災害が起きた場合、2階がないため家の中には逃げ場がありません。

    住む土地の特性を理解することと、ハザードマップをチェックして万が一に備える必要があるでしょう。

    シニア世代向け平屋住宅の快適な間取りとは?

    家で過ごすことの多いシニア世代にとって快適な家とはどんな家でしょうか。

    平屋住宅は2階建て住宅にくらべて屋根の荷重などによる壁面強度の制限が少なく、設計の自由度が高いのも特徴です。

    ここでは、将来も見据えた快適な間取り設計のポイントを紹介します。

    コンパクトな間取り

    シニア世代の夫婦の場合、居住空間をコンパクトにまとめ移動距離を減らすと、快適に過ごしやすいでしょう。

    それほど広くない土地でも広々とした空間を確保でき、体への負担も少なくてすみます。

    コンパクトな暮らしであれば夫婦間のコミュニケーションが取りやすく、万が一にも備えられるでしょう。

    回遊しやすい間取り

    回遊しやすい間取りは移動距離を短縮できるため、シニア世代にとって便利な住まいと言えるでしょう。

    寝室からリビング、リビングからキッチン、キッチンからお風呂、お風呂から寝室のように室内を一周できる間取りにすると生活がしやすくなります。

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    他にもリビングを中心としてどの部屋にもいけるような間取りにするなど、家事動線や生活動線を短くすると気持ちの余裕もできるため、ゆったりとした生活が送れるでしょう。

    くつろぎの空間を設置

    仕事を引退して家で過ごす時間が長くなる方が多いシニア世代。

    そこでおすすめなのが、ウッドデッキやテラスを設置することです。

    昔からある縁側のように使えるウッドデッキやテラスは、外に出て季節を感じたり、趣味を楽しんだり、リラックスしたり、お孫さんの遊び場になったりとさまざまな形で利用できます。

    将来、外出が難しくなったとしても室内からの延長場所があると、外気に当たれる憩いの場としても使えるでしょう。

    寝室の近くにトイレを設置

    シニア世代は夜間にトイレに行く回数が増えてしまう傾向があります。

    夜間の移動は転倒の原因にもなりやすいため、できるだけ寝室とトイレの距離を短くしておくと便利でしょう。

    足元にフットライトを設置しておくと、慌てて廊下の電気をつけられなくても安心です。

    バリアフリー設計

    シニア世代にとって平屋住宅を理想の家にするためには、バリアフリー設計を徹底的に実施しましょう。

    バリアフリー設計の主な内容を紹介します。

    • 段差をなくす
    • 手すりなどを設置する
    • 滑りにくい床材を設置する
    • 部屋の温度差をなくす
    • 人感センサーを設置する
    • 車椅子が移動できる90cm以上の幅を確保する
    • IHクッキングヒーターを採用する
    • 車椅子に対応できるよう洗面台の高さを低くする

    これらのすべてを取り入れた設計になるように、設計者と相談しながら快適な間取りを検討しましょう。

    シニア世代に合う広さとアイデア

    シニア世代の住まいに必要な広さはどのくらいでしょうか。

    ここではシニア世代が心地よく過ごすために必要な床面積について紹介します。

    夫婦で暮らす丁度いいサイズ:20〜25坪

    20〜25坪は約66〜83平方メートルにあたり、1LDK〜3LDKが確保できる広さです。

    夫婦の寝室の他に客室を設けられるため、子供家族が遊びに来ても泊まる場所を提供できるでしょう。

    それほど広くはありませんが、夫婦で日常生活を送るには十分な広さといえます。

    夫婦でゆったり広めなサイズ:30坪

    30坪は約100平方メートルにあたり、4LDK〜5LDKが確保できる広さです。

    孫が学生になってから遊びにきても狭く感じられない程度の広さがあります。

    趣味の部屋や中庭をつくることもでき、ゆったりとしたスペースで生活できるため、豊かな暮らしが実現できるでしょう。

    一人暮らしに快適なサイズ:15〜18坪

    15〜18坪は約50〜60平方メートルにあたり、1LDK〜2LDKが確保できる広さです。

    将来に備えて、車椅子で移動できる間取りを設計するのに十分な広さです。

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    コンパクトであるからこそ、建築費用や光熱費、メンテナンス費用が抑えられるため、無駄な出費をせず快適な暮らしを手に入れられるでしょう。

    終の住処を意識した間取りを考えよう

    この記事では平屋住宅を選択するメリット・デメリットやシニア世代にとっての快適な間取りづくりのポイントを紹介しました。

    平屋住宅はシニア世代が充実したセカンドライフを過ごす家として理想的な住宅です。

    さらには「終の住処」として便利で過ごしやすい住まいにもなるでしょう。

    後で「こうすればよかった」と後悔しないようにしっかり検討しながら、平屋住宅の特徴を活かした家づくりを目指してはいかがでしょうか。