家づくりを実家の近くでするメリット・デメリットと注意点を解説

新築戸建てのイメージ

    家を建てる場所の選択は、日々の生活の快適さに関わる重要なポイントです。

    その中でも、夫婦の実家との距離感をどうとるかも大きなテーマとなるのではないでしょうか。

    実家と新居の距離については、3つのパターンが考えられます。

    1. お互いの実家から離れた場所に新居を構える
    2. 夫の実家の近くに新居を構える
    3. 妻の実家の近くに新居を構える

    この記事では、実家の近くで家づくりをするメリット・デメリットや、注意点について解説していきます。

    実家から近い場所に家づくりをするメリット

    実家の近くに住むと、親と顔を合わせる機会が増え、数多くのメリットを享受できます。

    ここでは、7つのメリットを紹介します。

    家事・育児のサポートがある

    実家の近くに住むことで、家事や育児のサポートが受けやすくなります。

    このメリットのために、実家の近くに住む選択をする家庭も多いでしょう。

    共働きの場合は特に、子どもの急病や家事の負担が多い、子どもを預けたいときなどに、親のサポートが受けられるのは大きなメリットです。

    また、子どもの行事に親が参加しやすいため、子どもの成長を一緒に見守れるでしょう。

    親のケアがしやすい

    親の体調や将来のことを見越し、実家のそばに住めると、日常的に親のケアがしやすいメリットがあります。

    近居であれば同居とは違い、ライフスタイルの違いなどで起きるトラブルを避けやすく、親との距離感を適度に保てます。

    将来介護が必要になっても、近くに住んでいれば通いながら介護ができ、心理的な負担も軽減できます。

    また、近年は災害も多いため、実家の近くであれば様子を見に行けるため安心です。

    生活のイメージがしやすい

    実家の近くに住む選択をすると、住み慣れた街での生活になるため、安心感があります。

    周辺環境や生活に関わる情報について、すでに知っていることが多いため、将来の生活イメージが描きやすいでしょう。

    子どもの学校選びや公共サービスの情報など、焦らず検討できるのは重要なメリットです。

    子どもの体験を増やせる

    実家に近いと、子どもが祖父母と一緒にいる体験を増やせます。

    子どもにとって、いつも接している世代とは異なる祖父母と遊んだり出かけたりすることは、心の成長にとって良い影響があるでしょう。

    親にとっても、子供と付き合うことで適度な運動ができたり、さまざまな会話をしたりするため、健康面でもメリットがあります。

    帰省に費用がかからない

    実家の近くで家づくりをすれば、帰省するたびに数万〜十数万円の費用が必要なくなります。

    実家が遠いと、家族の人数によっては帰省で往復する費用が高額になり、気軽に実家に行けなくなる場合もあるでしょう。

    そうすると、親とコミュニケーションを取る回数や子どもと対面させる機会が減ってしまいます。

    実家が近ければ、行き来が楽になり、いつでも会いに行けます。

    資金援助を受けやすい

    実家に近い家づくりには、両親からのさまざまな資金援助を受けやすくなることも考えられます。

    親から近くに住むことを条件として、住宅建築費用や子どもの進学時の出費などを申し出てもらえるケースもあります。

    実家の近くに住むことで、自然に資金援助の話が出てくる可能性が高まります。

    実家から近い場所に家づくりをするデメリット

    実家の近くに住むメリットだけでなく、デメリットも知っておきましょう。

    ここでは、4つのデメリットを紹介します。

    親から干渉・口出しされてしまう

    実家の近くに住むことのデメリットとして考えられるのは、親からの過剰な干渉です。

    例えば、子どもの教育に口を出されたり、子どもとの関わり方について言及されたりする可能性もあります。

    親の考える子育ての考え方が自分と異なると、育児を手伝ってもらえる有り難さに反して、強くストレスを感じるケースもあります。

    頼まれると断りにくい

    実家の近くに住むと、頼まれ事を断りにくくなります。

    その結果、行き来する回数が多くなり、面倒に感じてしまうこともあるでしょう。

    距離が近いとお互いに頼りにしすぎて、ちょっとした事でもサポートを期待してしまうものです。

    お互いの関係性に疲れすぎないよう、頼まれ事を引き受けたり、頼んだりすることの線引きを決めておくと良いでしょう。

    どちらかが気疲れする

    実家の近くに住む場合、義親の実家との関係が密になればなるほど、夫婦どちらかが気疲れしてしまうことも考えられます。

    義親と普段から仲が良くても、気遣いはしてしまうものです。

    自分の実家ではない場合は、ストレスをため過ぎないよう、心理的距離感に気をつけましょう。

    実家から近い場所に家づくりをする際の注意点

    実家の近くで家づくりをするかを決定する前に、夫婦間でしっかり話し合うことをおすすめします。

    どちらか一方の実家との距離が近くなることを、もう一方の親が快く思わない場合は、帰省のタイミングなど対策も考えておきましょう。

    また、家事や育児のサポートを期待することは、将来的に親の介護も引き受ける可能性が高いという現実も考慮に入れて、近居を検討しましょう。

    そして、親との良好な関係を長く続けるためには、ストレスをため過ぎないことも重要なポイントです。

    適度な距離感と、親を尊重する気持ちをバランス良く保ち、心地よい関係を築いていきましょう。

    実家から資金援助してもらう家づくりの税金について

    実家の近くに住むことで、親からの資金援助を受けるケースがあります。

    その場合、金額によっては税金が発生することもあります。

    そこで、事前に税金の仕組みについて知っておきましょう。

    贈与額の非課税制度

    親子間で資金援助を受ける場合、1年間で受け取る金額が110万円を超えると生前贈与とみなされて贈与税が発生するため、注意が必要です。

    ただし、贈与税には110万円分の基礎控除があり、1年間で受け取る金額が110万円以下の場合は税金が発生せず、申告の義務も免除されます。

    住宅取得等資金贈与の非課税制度

    親から住宅建築資金を援助してもらう場合、2023年12月31日までの特例ですが、住宅取得等資金贈与の非課税制度を活用できます。

    この制度を使うと、耐震や省エネまたはバリアフリー等住宅は1,000万円まで、その他の住宅は500万円までであれば非課税になります。

    条件としては、贈与を受けるのは、直系の子どもか孫であること、贈与を受けた翌年(2024年)の3月15日までに住宅の引き渡しを受けることです。

    注文住宅の場合は、棟上げが終わった状態、つまり屋根や骨組みがあり、建造物として認められた状態になっていることが必要で、その証明書を提出します。

    さらに、税金が0円であっても申告しないと、非課税制度が活用できないので注意しましょう。

    自治体による補助金制度

    実家の近くに住んだり、同居したりする場合、自治体によっては補助金・助成金・奨励金などの制度があります。

    自治体によって対象費用はさまざまですが、限度額が数十万円の自治体もあります。

    ただし「近居」については自治体ごとに定義が異なるため、家づくりを予定している自治体のホームページや、事業担当課などで確認しましょう。

    実家から程よい距離に家づくりをするとお互いにメリットあり

    ここまで、実家の近くに新居を構えるメリット・デメリットや、注意点について解説してきました。

    親との距離感については、考え方や感じ方は家庭によってさまざまです。

    実家の近くに住む選択をする場合、お互いにとって良い選択になるよう、家族で快適な関係づくりについて考えてみましょう。