住まいづくりをする場合、「家具は家が完成したあとに選ぶもの」と考えている人は多いでしょう。
しかし置きたい家具を先に選んだり、家具の配置を考えたりしてから家の間取りを決めていくのも、ひとつの方法です。
この記事では、家具を主役にした家づくりのメリットや手順について詳しく解説します。
これから注文住宅を建てる人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
家具やインテリアも家づくりの大切な要素
注文住宅を建てるとなると、建物自体が主役になりがちですが、家具も家づくりにおける大切な要素です。
家具は生活するために欠かせない道具であり、暮らしや心の豊かさにもつながります。
自宅に帰って来たときにくつろぐソファが、こだわって選んだお気に入りであれば、一日の疲れも吹き飛びます。
また収納しやすい家具を取り入れれば、子どもが自ら片付ける習慣が身に付くでしょう。
家具を主役に家づくりを考える4つのメリット
家自体にこだわることは、もちろん大切です。
とはいえ実際に家族が生活するのは、室内空間であることを忘れてはいけません。
この章では、家具をメインに住まいを考えるメリットを4つ紹介します。
1:置きたい場所に家具を置ける
家具を中心に家づくりをするメリットのひとつとして、家具を好きな場所にレイアウトできることが挙げられます。
理想の場所に配置できれば、コミュニケーションが取りやすいように配慮したり、生活動線や家事動線を重視したりなど、快適な暮らしにつながるでしょう。
家の間取りを先に決めた場合、「予定していたところに家具を置けない」「もう少し部屋を広く作っておけば良かった」といった失敗も考えられます。
また家具の形状や大きさによっては、搬入自体が難しい場合もあるので注意しなければなりません。
2:照明や配線の位置を決めやすい
照明や配線の位置は、暮らしやすさやすっきりとした見た目につながる大切なポイントです。
家具を先に考えておけば、以下の例のように照明や配線の場所もスムーズに決まります。
また配線とあわせて、窓や扉の位置も一緒に考えておくと、より快適な空間が手に入るでしょう。
- テレビボードを置きたい場所に合わせて、アンテナ線を設置する
- ベッドサイドテーブルにテーブルランプを置けるよう、コンセントを増設する
- ダイニングテーブルの中心にペンダントライトを配置できるよう、電気配線コードを設ける
先に家具を決めて配線が必要な位置を確認しておけば、必要な設備工事も分かります。
家が完成してから、自分で器具を買い足すのも方法のひとつですが、不自然な場所に家具を置かなければならなかったり、目につく場所の配線がむき出しになったりするのは避けたいところです。
3:家づくりに掛かる費用のバランスを調整できる
早い段階で家具について考えることで、建物自体に掛かる費用と家具の価格のバランスを調整できます。
「多少妥協しても構わない」という部分のコストを抑えれば、
- ダイニングテーブルは高くても良いものを取り入れたい
- L字型にソファを配置してくつろぎたい
- 囲炉裏を作って一家だんらんしたい
といった、譲れない条件を諦めなくて済みます。
4:必要に応じて造作家具も依頼できる
好みに合う家具を探す中でサイズや素材など、どうしても理想的なものが見つからない場合もあるでしょう。
そういったときも、契約前であれば造作家具を依頼できます。
早い段階で製作側に意思を伝えることで、設計費に対して造作家具がどのくらいのコストを占めるのかを把握でき、予算オーバーになるのを防げます。
家具を考えるおすすめのタイミング
家具を主役に家づくりをする場合、プランニングと同時進行で家具選びも行いたいところです。
むしろ間取りが決まる前に、家具のサイズやレイアウトを考えておくのが理想的です。
目指すマイホームの完成イメージを家づくりの担当者と共有できるため、打ち合わせもスムーズに進みます。
家づくりをするにあたって人生設計や理想の暮らしを考えるとき、家具についても家族で話し合っておきましょう。
家具から家づくりを考えるときのポイント
この章では、家具を中心に家づくりを考えるときのポイントを紹介します。
理想の暮らしをイメージする
まずは「マイホームでどんな暮らしをしたいのか」をイメージすることが大切です。
- 近くに親族が住んでいるから、定期的に食事を一緒に楽しみたい
- 友人を招いてホームパーティーをしたい
- ソファでくつろぎながら、外の景色を眺めたい」
など、具体的に思い浮かべてみてください。
そして理想をかなえるためにはどんな形状で、どれくらいの大きさの家具が良いのか考えれば、最適な空間も自然に見えてくるでしょう。
テイストを決めておく
家具を主役に家づくりをする場合に限らず、理想のマイホームを手に入れるためには、インテリアのテイストを決めておくのが成功の秘訣です。
ゴールとなるテーマが曖昧なまま家づくりを進めると、空間全体がチグハグな印象になりかねません。
ナチュラルやモダン、カフェ風、北欧などのテイストはもちろん、インテリアのメインカラーやアクセントカラーも決めておくと良いでしょう。
またあわせて各部屋の家具の色味もイメージしておくと、家具選びがスムーズに行えます。
家具から考える家づくりという考え方も視野に入れよう
家具を中心にした住まいづくりには、家を決めてから家具を選ぶ一般的な手順とは異なるメリットがたくさんあります。
こだわりの家具を好きな場所に置けるのはもちろん、使いやすい位置に配線を置いたり、コミュニケーションの取りやすさを考慮したりできるため、より豊かな暮らしにもつながります。
理想の家を実現させたい人は「家具から考える家づくり」という考え方も、ぜひ検討してみてください。
家具を中心に家づくりを進めていくことで、より自分たちのライフスタイルに適した空間がかないます。