リノベーション済みマンションとは、専有部分が一新され、新築感覚で住めるマンション。
住居購入の際、選択肢のひとつとして検討している方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、新築や中古マンション(未リノベーション)との違いを明確に理解している方は少ないでしょう。
そこで今回は、新築や中古マンションとの比較、リノベーション済みマンションのメリット・デメリットを解説します。
新居を検討中の方は参考にしてください。
目次
リノベーション済みマンション・中古マンション・新築マンションの違い
リノベーション済みマンションは、中古マンションと新築の両方のメリットを兼ね備えています。
以下は、それぞれの違いを表でまとめました。
中古マンション | リノベーション済みマンション | 新築マンション | |
---|---|---|---|
購入価格 | 最も安い | 中古マンションよりは高い | リノベーション済みマンションよりは安い |
ローン | 住宅ローン+ リフォームローン | 住宅ローン | 住宅ローン |
設備 | 築年数によって劣化の幅があある | リノベーションした箇所・レベルによる | すべて新しい |
下見に関して | 入居者が住んでいる場合は厳しい | すぐに下見可能 | モデルルームで見学可能 |
上記により、設備はもちろん、費用や下見できるタイミングも異なることが分かります。
すぐに住居を購入したいか否か、リフォームするか否かにより選ぶ必要があるのです。
リノベーション済みマンションを購入するメリット
リノベーション済みマンションのメリットは5点あります。
結論から言うと、リノベーション済みマンションは以下の方におすすめです。
- 価格を抑えて持ち家がほしい
- 住まいにこだわりがない
- すぐ住み始めたい
- 手間を減らしたい
以下で詳しくメリットを解説しましょう。
価格が抑えられる
リノベーション済みマンションは新築と同じ立地条件や敷地面積であっても、新築価格の2割ほど下がる傾向です。
新築にこだわりがなければ、リノベーション済みマンションは価格が抑えられるのでメリットといえるでしょう。
住宅ローンがまとめられる
リノベーション済みマンションは、購入後に追加工事しないのであれば資金計画が立てやすく、住宅ローン1本だけでよい点がメリットです。
というのも、中古マンションをリノベーションする場合、工事内容によっては住宅ローンとリフォームローンを組む必要があります。
リフォームローンは比較的高い金利であり、返済期間は短い傾向。
そのため、返済に負担が生じることもあるのです。
物件購入と工事費用が一体型のローンもありますが、金融機関によっては取り扱いがない場合も。
リノベーション済みマンションなら物件購入のみで済むため、ローンを組む手間や返済の負担はありません。
設備や内装が一新されている
リノベーション済みマンションは、専有部分の設備や内装が一新されているケースがほとんどです。
食洗機や浄水器付きのシステムキッチン、節水機能付きのトイレなど最新式が多い傾向。
また、床・天井・壁に断熱材を入れてアップグレードしている部屋も。
住宅市場動向調査によると、中古住宅を選んだ理由として「リフォームされていて綺麗だったから」の回答が約20%というデータもあり、購入の決め手にもなっています。
実物を見て購入でき、すぐ住み始められる
入居後のイメージがしやすいリノベーション済みマンション。
完成した内装を見学でき、周囲の環境やマンションの管理状況も把握できるからです。
中古マンションの場合はリノベーションのイメージを湧かせる必要があり、入居までには時間がかかります。
一方、新築は周辺環境の把握ができても、実物は見られません。
すぐに住み始めたい方にとって、リノベーション済みマンションは購入しやすい利点があります。
購入後2年以内なら欠陥を無償で修理できる場合がある
リノベーション済み物件の売主が不動産会社の場合は、「瑕疵担保責任を最低2年負う義務がある」と決められています。
瑕疵とは欠陥を意味しており、万が一、給排水管のトラブルや電気系統の故障が生じた場合は2年以内なら売主が無償で修理してくれます。
ただし、個人が売主なら責任を負う期間は3ヶ月です。
瑕疵担保責任があることにより入居後も安心して住めます。
リノベーション済みマンションを購入するデメリット
物件価格が安く、一新されているリノベーション済みマンションですが、デメリットは4点あります。
適切なリノベーションが行われたか分かりにくい
リノベーション済みマンションは、見えない部分が一新されているとは限りません。
配管が古いままだったり壁の内部が劣化していたりなど、物件によって工事内容に差があるからです。
もし、表面的な工事だけであれば、将来的に意図しない出費が発生する可能性も。
リノベーション箇所を不動産会社に聞けば打開策やトラブルを回避できるため必ず確認しましょう。
希望の間取り・デザインとは限らない
リノベーション済みマンションはシンプルな内装が多い傾向であり、好みの間取りやデザインとは限りません。
住まいにこだわりがある方は物足りなく感じるでしょう。
例えば、玄関が狭い、収納が少ないなどライフスタイルに適さないことも。
間取りや設備がライフスタイルに合っているかを見極める必要があります。
新耐震基準を満たしていない可能性がある
1981年6月1日以降に建てられた建物は、「震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しない」という新耐震基準を満たしています。
築年数が古い建物は耐震が万全でない可能性もあるのです。
とはいえ、旧耐震のマンションであっても、耐震改修や補強していれば地震に強いことも。
購入時は、築年数と耐震診断の履歴の有無を不動産会社に尋ねましょう。
共用部分が古いままの場合もある
マンションの共用部分はバルコニー・玄関ドア・窓ガラスも含まれており、個人ではリノベーションできません。
劣化箇所があっても大規模修繕まで待たなければならないのです。
購入の際は、大規模修繕計画の予定を確認しましょう。
共用部分の古さが許容できない、修繕予定がまだ先であれば、リノベーション済みマンションはデメリットと感じるでしょう。
リノベーション済みマンションの注意点
リノベーション済みマンションは、購入後にリノベーションするか否かで注意点が異なります。
以下では、注意点を3点解説します。
リノベーション予定なら上記2点を、すぐに住む予定なら下記1点を参考にしてください。
リノベーション前提の場合は不向きである
結論から言うと、リノベーション前提でリノベーション済みマンションを購入するのはおすすめしません。
なぜなら、リノベーション済みマンションにはリノベーション費用が上乗せされており、結果的に工事費用の二重払いになってしまうからです。
「水回りを移動させたい」「断熱性が高い住まいにしたい」といったこだわりがある方は、中古マンションを購入してリノベーションする方が結果的に安く済むこともあります。
リノベーションの自由度が低い可能性がある
購入したリノベーション済みマンションの構造によっては、大きく手を加えられない可能性があります。
柱と梁の枠で支える「ラーメン構造」は、壁を取り払った大胆なリノベーションが可能です。
しかし、壁で支える「壁式構造」だと間仕切りは撤去できません。
さらに、床下の配管構造によっては、水回りの移動に制約もあります。
適合リノベーション住宅であるか確認する
適合リノベーション住宅とは、一般社団法人リノベーション協会が定める規約に沿って工事や検査が行われた住宅です。
給排水管・天井・壁・床の下地など13項目の基準をクリアしており、安心して暮らせます。
すぐに住み始める予定なら、適合リノベーション住宅であるか必ず確かめましょう。
自分好みの暮らしを追求するならマンションリノベもおすすめ
リノベーション済みマンションは物件価格が安く、内装や設備が一新されています。
しかし、適切なリノベーションが行われたか分かりにくく、リノベーション前提で購入するには不向きです。
「ライフスタイルに合わせた住まいを実現したい」「快適で省エネな家がほしい」などこだわりのある方は、インテリアの自由度が高い注文住宅やマンションリノベーションがおすすめです。
千葉県千葉市美浜区で工務店・インテリアショップを運営しているTIMBER YARDでは、中古マンションのリノベーションも手掛けています。
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