注文住宅で非常に人気が高い対面キッチン。
海外の邸宅を思わせるおしゃれなデザインと機能性から、「憧れのマイホームを作るなら、絶対に対面キッチンにしたい!」と思っている方も多いはず。
しかし、対面キッチンは高い人気とは裏腹に、実際に導入すると「思ったよりも使いにくかった…」と後悔してしまうケースをよく耳にします。
そこでこの記事では、当社で注文住宅を希望されるお客様から聞いた実際に使ってみないとわからない対面キッチンのメリット・デメリットを紹介します。
対面キッチンのメリット
対面キッチンは通常のキッチンと比べてどのようなポイントに優れているのでしょうか。
まずは機能・デザイン面のメリットを見ていきましょう。
スタイリッシュで開放的なデザイン
対面キッチンへの憧れで一番多いのが、スタイリッシュな雰囲気を演出できるデザインです。
通常のキッチンは壁に調理機器や流し台が並びますが、対面キッチンはリビング側を向いて調理ができるため、非常に開放感があります。
視認性が高く自然光が入りやすいため、閉塞感を感じることも少ないのが特徴。
キッチンに立つだけで自然とワクワクした気持ちになれるのが大きなメリットです。
子供の様子やテレビを見ながら調理できる
対面キッチンならリビング・ダイニングの様子を一目で確認できるので、テレビニュースや小さな子どもの面倒を見ながら調理ができます。
リビングで過ごす家族や友達との距離も近いため、コミュニケーションのとりやすさも抜群。
不測の事態にもすぐに対応できるので、複数の家事を同時進行で進めたい人にはおすすめです。
理想的なキッチン配置や種類については、下記の記事も参考にしてみてください。
作った料理の配膳が楽チン
対面キッチンの場合は、キッチンの前面にダイニングテーブルを配置するレイアウトが多め。
作った料理をすぐに並べられるので、移動の手間が少なくて済むのが嬉しいポイントです。
ダイニングテーブルを一時的な食材置き場にできるので、調理スペースを節約しやすいのも隠れたメリットです。
対面キッチンで後悔しやすいポイントとは?
おしゃれな見た目と機能性が自慢の対面キッチンですが、憧れだけで作ってしまうと、いざ完成したあとに「使いにくい…」と後悔してしまうことも。
ここからは、当社に訪れたお客様から聞くことが多い対面キッチンにして後悔したポイントを4つの項目にまとめて紹介します。
後悔1:リビングが思ったよりも狭く感じる
対面キッチンにしたことで、リビングが狭く感じてしまうという声をかなりよく聞きます。
対面キッチンを設置する場合、移動スペースを確保しなければいけない関係上、通常のキッチンよりも広いスペースが必要になります。
そのため、図面上は十分なスペースがあると感じても、いざ完成すると「意外に圧迫感があるな…」と後悔してしまうケースがあるのです。
後悔2:調理スペースが使いにくい
通路幅の設計を見誤ったことで、キッチンが窮屈になってしまったという失敗談も多いです。
対面キッチンの設計で特に注意したいのが、前後のスペースをしっかりと確保しなければならないこと。
ここを妥協して仕上げてしまうと、調理がしにくいストレスフルな空間になってしまいます。
設計段階でよくありがちなミスが、一人分の移動スペースしか確保していないこと。二人分は通れるようにスペースを確保するだけでも、使いやすい空間になる可能性が格段に高まります。
後悔3:キッチンの周りが想定以上に汚れてしまう
対面キッチンでよく聞く不満点のひとつが、キッチン周辺が汚れやすいということ。
通常のキッチンで、コンロやシンクの前に壁があったのには意味があります。
調理中の油や洗い物時の水跳ねを壁が防いでいました。
しかし対面キッチンには、汚れをガードする設備がありません。
そのため、いつの間にかフローリングが油まみれだったり、廊下が水浸しになっていたりすることがあるのです。
後悔4:嫌な臭いがリビングに充満してしまう
「臭い残りがひどくて、消臭剤をよく使うようになった」というのも、よく聞く後悔ポイントのひとつ。
通常のキッチンは、調理機器や換気扇の位置、壁・間取りによる隔たりで空間のバランスをとり、消臭効果を高めている特徴があります。
一方の対面キッチンはリビング・ダイニングと地続きになっているため、どうしても臭いが広がりやすい特徴があるのです。
対面キッチンのデメリットと改善方法
憧れの対面キッチンですが、なんとなく導入してしまうと、意外に後悔しやすいポイントが多いことがわかりました。
ただし、対面キッチンのデメリットは、設計時の工夫で解消できることが多いです。
ここからは、後悔しない対面キッチンを作るために気をつけたいポイントを紹介します。
十分な広さのキッチン空間を確保できるか検討する
対面キッチンは移動スペースや収納設備の関係上、デザインと機能を両立したいなら、それなりの広さが必要になります。
図面だけを見て判断するとギャップが生まれやすいので、モデルルームや完成イメージを綿密に確認し、十分な広さを確保できるかを検討してみましょう。
特にキッチン設備や収納の位置を完成後に変えるのは難しいので、担当設計者と打ち合わせを重ね、あらゆるポイントを精査しておくことをおすすめします。
壁素材を珪藻土・漆喰にして消臭効果をアップ
調理時に発生する臭いは、壁の素材を厳選することで改善できる可能性があります。
おすすめは、自然素材の
- 珪藻土
- 漆喰
- エコカラット
下記でそれぞれの特徴について簡単に解説します。
珪藻土
珪藻土には細かい無数の穴があり、呼吸をしています。
その働きで、臭いや有害物質を吸着してくれるのが特徴です。
トイレのアンモニア臭や生ゴミといった不快なニオイも取り込んでくれるので、室内の空気はいつも清浄に保てます。
また、発がん性が指摘されているホルムアルデヒドを吸着し、無害なものに分解してくれる効果もあります。
漆喰
漆喰の特徴は調湿作用です。漆喰はよく「呼吸する壁」といわれる自然素材。
湿度の高い状態だと余分な水分を吸い取り、逆に湿度が低くなると水分を放出する湿度調整の機能を持っています。
珪藻土と同様に細かい穴が空いているため、調湿作用だけでなく脱臭効果も期待できます。
不慮の火災の際も、部屋全体に燃え広がりづらい性質をもっています。
エコカラット
エコカラットとは、リクシル社が開発した多孔質セラミックス素材です。
目に見えないナノサイズの小さな穴があり、室内の湿気を吸収・放出することで、湿度を調整する働きを持っています。
料理はもちろん、ペットのニオイを吸収し、有害物質を低減してくれる効果もあります。
油はねガードを付けて汚れをシャットアウト
対面キッチンの油はね・水ハネ対策には、ほとんどの注文住宅のオプションで選べる「油はねガード」がおすすめです。
油はねガードにはいくつかの種類があります。
- 圧迫感の少ない低めのタイプ
- 完全に油はねを防ぐ背の高いタイプ
- 換気扇まで完全に覆う全面タイプ
油はねガードを使えば、調理台や鍋の隙間の汚れはもちろん、床に油が飛んで滑りやすくなる危険も防げます。
油を防ぐ範囲が広くなるほど性能は上がりますが、そのぶん対面キッチンの魅力のひとつである解放感が損なわれる恐れがあります。
機能性と見た目のバランスを考えて、後悔しない設置スタイルを検討してみてください。
油はねガードは後付けも可能なので、迷う場合はオプションなしで作ってしまうのもありです。迷ったときは設計担当者に気軽に相談してみましょう。
実際にモデルルームを見て判断することが大切
今回は対面キッチンで後悔しやすいポイントと、デメリットを解消する設計アイデアについて詳しく解説しました。
機能性とデザイン、どちらも申し分のない対面キッチンですが、実際には使ってみないとわからない注意点が数多く存在します。
理想や憧れだけでなんとなく設置するのではなく、メリット・デメリットをきちんと理解したうえで、自分にぴったりの対面キッチンを作ってみてください。
千葉でこだわりの注文住宅を作りたい方は、当社のモデルルーム・ショップにも気軽に足を運んでみてくださいね。
対面キッチンで後悔しないためのポイントも併せて解説しているので、理想の家づくりプランを練る前に、ぜひ参考にしてみてくださいね。