心地良く暮らすためにも上手に付き合いたい、ご近所さん。「近所付き合い」と聞くと面倒な印象があるという方が多いかもしれません。
特に、全く知らない土地へ引っ越したり、家を建てたりするとなると、その土地での住環境はどうしても気になるもの。
新しい土地での生活を始める上で、多くの人が抱える近所付き合いの悩みや上手に付き合える方法を知っておけば、不安も少しは和らぐのではないでしょうか。
今回は近所付き合いでよくあるトラブルとうまく付き合うコツをご紹介するので、参考にしてみてください。
多くの人が悩んでいる近所付き合い
漠然と「近所付き合いは面倒で大変」と聞いても、経験したことがないと何が大変なのか具体的には想像しづらいもの。
例えば、大都会に住んでいると、近所付き合いが希薄でその大変さを経験したことがないという方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、どんな点が大変なのか、よくある声をご紹介します。
近所付き合いの何が大変?
近所付き合いがあることで、聞きたくもない話が耳に入ってきてしまうことがあります。
例えば、「Aさん家の旦那さんが」とか「Bさんのお子さんが」とか、他の家庭の噂話や悪口を聞かされてしまうなんてことが起こります。
不快に感じても、なかなか面と向かって言いづらかったり、会話から抜けづらかったりするのです。
そして、気を使いすぎて疲れてしまったり、気づいたら自分とは関係ないトラブルに巻き込まれてしまったりする可能性も。
そのような意に反したことが起きてしまう可能性があることから、どうしても近所付き合いは面倒で大変だという印象があるのかもしれません。
実はいい事も多い!近所付き合いのメリット
面倒なイメージばかりが先行する近所付き合いですが、何も面倒なことだらけではありません。
同じ地域に住む人たちと顔見知りになっておくことで、良いこともあります。
例えば、もしも自宅で何か困ったことが起こった時や、地震や大雨などの災害時、近所の人に助けを求めたり、お互いに助け合ったりすることができます。
普段から付き合いがないと、いざという時に初対面ではなかなか頼りづらいもの。
そういう点でも近所付き合いがあった方が頼りやすくなるでしょう。
他にも、不審者や詐欺などの犯罪や被害情報を知ることができたり、近所のお店・病院の情報を共有したりすることもできます。
そういう情報はインターネットやアプリでも知ることができると思っている方がいるかもしれませんが、狭い地域の小さな出来事や詳しい情報、口コミはインターネットだけではなかなか得られないもの。
その地域に住んでいる者同士、近所付き合いがあることで、いち早く正確な情報が知れるということもあるのです。
また、ご近所さんと長くて深い付き合いになればなるほど、野菜などの食べ物をおすそ分けしてもらったり、おすそ分けしたりするなんてこともあるかもしれませんね。
近所付き合いでよく起きるトラブルの原因
近所付き合いでのトラブルというと、受ける側の立場とは限りません。
「知らないうちに自分自身が迷惑をかけてトラブルの元になっていた」
なんてことにならないためにも、よくあるトラブルの原因を知っておきましょう。気づかないうちにやってしまっていることがないか、今一度確認してみるといいかもしれません。
ゴミ分別・ゴミ出しのルール問題
トラブルの原因として多いのがゴミ出しの問題です。
中でも、ゴミの分別方法とゴミ出しの時間はよく揉め事になります。
分別方法は、地域によって驚くほど違います。
例えば、プラスチック製品。
プラスチックゴミを出す日が指定されている地域もあれば、ある一定のサイズ内であれば可燃ゴミとして出せる地域もあります。
居住地域のゴミ分別表をしっかり確認して守るように気をつけましょう。
また、ゴミ出しの時間も要注意。
何時でも出すことができるゴミステーションがあるマンションもあれば、外の指定スペースにゴミ収集の時間に合わせて朝の何時までに出しましょうというルールがあるところもあります。
後者の場合、朝に出すのは面倒だからと、ゴミ出し前夜から出していてトラブルになることがあります。
また、ネットをかけ忘れたことでカラスに荒らされてトラブルになるケースも。そのような細かな点にも配慮してゴミ出しするように注意しましょう。
ペットのフンなどの清掃問題
ペットに関するトラブルもあります。
ペットを飼っている人にとっては当然のことや気に留めないことでも、飼っていない人からすると不快に感じたり、困惑したりすることもあるのです。
例えば、ペットの散歩時の排泄物の後片付けでトラブルになることがあります。
フンなどをそのまま放置しないことは当然ですが、排泄する場所や排泄した後のケアにも気配りが必要不可欠。
大切なペットを守るためにも、トラブルを未然に防ぐ工夫をしましょう。
家の騒音・ペットや子どもの声の問題
1つ目にご紹介したゴミの問題と並んで多いのが、騒音問題。
小さなお子さんがいる場合、走り回る足音や泣き声などがトラブルになるケースは多々あります。
また、ペットを飼っている場合も鳴き声がトラブルの原因になることもあります。
仕方ない生活音もありますが、可能な範囲で窓を閉めたり、顔を合わせた際に「いつもすみません」といったお詫びの言葉をかけたり、少しの配慮で関係性は違ってくるもの。
お互いにちょっとした配慮を大切にしてみましょう。
タバコのマナー問題
喫煙する方はタバコのポイ捨てをしないのはもちろんのことですが、臭いも注意が必要です。
例えば、マンションなどで部屋での喫煙を避けて、ベランダなどで吸うという方もいるかもしれません。
ご自身にとってはベストな選択であったとしても、隣人に迷惑がかかってしまう可能性もあります。
タバコを吸わない人にとっては、ほんの少しの煙や臭いでも不快に感じてしまうもの。
風向きによってもその影響範囲は変わるので、近隣の方への配慮を忘れないように気をつけましょう。
マンションの共用スペース使用問題
マンションのフロアや廊下などの共用部分に私物を置くこともトラブルの原因になります。
共用部分には私物を置かないことが基本的なルールになっています。
しかし、自転車やベビーカーなど、玄関内にはスペースが少なくて置けず、共用部分に置くことで通行の邪魔になってしまうといったことが起きています。
長年住んでいてお互いに暗黙の了解で私物を置いている場合もあるかと思いますが、共用のスペースには基本的に私物を置かないように気をつけたほうが無難でしょう。
一戸建ての場合によくある植物や樹木の越境問題
一戸建てに住む場合、ガーデニングや庭の手入れを楽しむ人も多くいるでしょう。
その時に気をつけたいのが、越境問題です。
隣の家へ植物や樹木の枝葉が伸びてしまったり、落ち葉が落ちてしまったり、手入れを怠ると迷惑をかけてしまうかもしれません。
一方、反対に隣の家の木や枝、植物が境界線を超えて入ってきて困るというケースもあるでしょう。
思わず切り取りたくなるかもしれませんが、勝手に伐採することは禁じられています。
民法にも関わる内容なので、しっかりと法律を把握した上でお隣に住む方ときちんと会話してお願いするように気をつけましょう。
近所付き合いのコツ
せっかくなら近所に住む者同士、上手に付き合い、お互いに気持ちよく暮らしたいもの。
近所付き合いと一口に言っても、それぞれの価値観や関わり方、コミュニケーション方法があり、絶対的な正解はありません。
しかし、少し意識することで良好な関係を築くことができることもあるのは事実。
最後に、近所の人たちと上手に付き合うために意識すると良いポイントを6つご紹介します。
近所付き合いは引っ越しの挨拶から
まず、新居に引っ越ししたら、近所の方々へ挨拶に伺うようにしましょう。
近所の方もどんな人が引っ越してきたのか、気になるもの。
最初に挨拶をしておくことで、後々顔を合わせたときにもスムーズにコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
挨拶の際は、お菓子などのちょっとした手土産を持っていくといいでしょう。
顔を合わせたときにきちんと挨拶する
マンションならエレベーターや廊下、一軒家なら玄関先や通りなどで、顔を合わせることもあるでしょう。
そういう時に、会釈をするだけでもいいですが、相手の顔を見て「こんにちは」と声に出して挨拶するのもいいですね。
また、車を運転中にすれ違った場合も軽く会釈するなどして、挨拶することでお互いにちょっとした交流を大切にできます。
ご近所さんの名前を覚える
賃貸で一人暮らしの場合は、防犯面も心配でなかなか難しいこともあるかもしれません。
しかし、新居を購入して長く住む場合などは、ご近所さんの名前は覚えておきましょう。
挨拶をするときにも、名前を添えるだけでも印象が違ってきます。
付き合う相手を限定しない
トラブルを避けるためにも有効なのが、決まった相手とだけ付き合うのは避けること。
付き合う相手を限定してしまうことで、どうしても深い話になったり、息苦しくなってしまったりすることが起きてしまいがち。
いろんな人と広く軽く付き合うくらいがちょうど良いかもしれません。
プライバシーに関わる話はできる限り避ける
家計のことや夫婦間のこと、子供のことなど、プライバシーに関わるような深い話はできる限り避けるようにしましょう。
トラブルの原因になりやすく、近所付き合いに疲弊してしまう原因にもなりかねません。
そのような話はしない、聞かないが原則と思って、軽い付き合いに留めておくのがいいでしょう。
噂話・文句・愚痴を言わない!参加もしない
トラブルの原因として多く聞かれるのが、噂話や悪口。
自分自身がそのような噂話や悪口、愚痴などを言わないのはもちろん、そのような会話に参加しないようにすることも大切です。
その会話に参加しているだけで加害者になりかねません。
トラブルに巻き込まれる前にそのような状況を避ける工夫をしましょう。
借りたものは早く返す
ものを借りるというシチュエーションはあまりないかもしれません。
しかし、付き合いが長くなればなるほど、ものを貸し借りできる付き合いになる可能性もあります。
ものを借りた場合は、できるだけ早く返すように気をつけましょう。
借りっぱなしにすることで無くしてしまったり、壊してしまったりするリスクも上がります。
トラブルになる前に、借りた場合は早急に返却しましょう。
ストレスにならない近所付き合いのコツを実践してみよう
近所付き合いに正解はありませんが、面倒なことにならないために気をつけてリスクを回避することはできます。
ご紹介したトラブルの原因やうまく付き合うコツを参考にしつつ、ご自身が実際に住む環境や周辺の様子を見て、つかず離れずの適度な距離感で付き合うようにしましょう。
そうすることで、お互いが心地よく、いざというときに助け合える関係性が気付けるかもしれませんよ。