2021年内閣府による消費者動向調査によると、自宅に乾燥機がある家庭は50%を超えており、時短効果やアレルギー対策を期待して導入する傾向があります。
しかし、乾燥機の購入を検討する際に、「洗濯機と乾燥機は別々で買うか」「乾燥付き洗濯機を買うか」の2択で悩まれる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。
特に新築時に家電を一新するか検討中の方は、ぜひ判断材料にしてください。
目次
洗濯機と乾燥機が別のメリット
洗濯機と乾燥機を別にすれば、家族の人数が多い家庭やまとめて洗濯する家庭にとってメリットが得られます。
以下で詳しく解説していきましょう。
それぞれの機能を発揮できる
洗濯機と乾燥機を別にすれば役割が明確になり、各機能の仕上がりに満足できます。
例えば、洗濯機単体なら洗浄力が高く、洗濯モードのバリエーションが多い傾向です。
衣服の汚れ・素材・色に合わせて洗濯できます。
一方、乾燥機単体だと一体型に比べて乾燥時間が短く、その上乾き残しも防げます。
ふんわりモードやアイロン要らずモードなど衣類の種類や厚さを考慮して乾かせる点も魅力でしょう。
乾かしている間に洗濯できる
洗濯回数が多い家庭や種類別に洗濯する家庭にとっては各家電が同時進行していれば家事が時短でき、追加の洗濯物にも対応できます。
例えば、1日2回洗濯するなら1回目の洗濯物を乾燥している間に、2回目はデリケート素材の洗濯ができるなど。
洗濯機と乾燥機が別だと2回の洗濯から乾燥まで4時間程度で済みます。
しかし、一体化だと1回目だけで4〜6時間ほどかかるため、時間の差は歴然です。
省エネ効果が期待できる
洗濯と乾燥それぞれの容量に合わせてまとめ洗い・まとめ乾燥すれば、省エネが実現します。
少量の洗濯物を毎日洗って乾燥するよりも、回数を減らしてまとめる方が光熱費を抑えられるのです。
洗濯機と乾燥機を別なら各々の役割がシンプルであるため、まとめ洗い・まとめ乾燥に対応可能。省エネ効果が期待できるといえます。
万が一壊れても購入のリスクが少ない
洗濯機と乾燥機が別であれば万が一故障してもどちらかを買い替えれば済みます。
一方、一体型はどちらかが正常でも片方が動かなければすべて買い替えなくてはいけません。
長期的に判断すると、経済的に安心できます。
洗濯機と乾燥機が別のデメリット
メリットがある反面デメリットもあるので、以下で理解しておきましょう。
洗濯物の入れ替え作業やタイミングに手間がかかる
最大のデメリットは、洗濯物を乾燥機へ移す作業と時間帯に悩まされることです。
例えば、外で仕事している方がスムーズに乾燥まで終わらせるには、寝ている間や帰宅時間に合わせて洗濯を完了させる必要があります。
すると、乾燥機に入れるタイミングは出勤前や夕飯作り前など慌ただしい時間帯になり、移す手間と時間がかかります。
スペースが必要になる
ランドリールームに家電を2つ設置するため、ある程度縦横のスペースが必要になります。
例えば、洗濯機と乾燥機を横に並べれば稼働スペースが狭くなる可能性があり、上下に設置すれば洗濯機の上に収納を設けられないなどの弊害もあるでしょう。
ただし、新築時なら家電に合わせて空間を自由に設計できるケースもあり、作業スペースと収納が確保できるでしょう。
購入価格が高くなる場合がある
一般的に一体型は15〜35万円が目安に対し、別々で購入する場合はトータル20〜50万円が目安です。
多少性能の違いで前後しますが、家電が2つと考えるとどうしても高くなるもの。
別々のメリットが得られることを考慮すると、ある程度の予算が必要です。
洗濯機・乾燥機が一体型のメリット
人数が少ない家庭や洗濯回数が少ない家庭の場合は一体型がおすすめです。
ここからは、洗濯機と乾燥機が一体型で得られるメリットを3点解説します。
洗濯から乾燥までボタン1つでできる
一体型の最大のメリットは洗濯から乾燥まで任せられることです。
ボタン1つ押して放置すれば完了します。
家事が一つなくなるといっても過言ではないでしょう。
省スペースで済む
一体型は2つの機能が1つの家電でまとめられているため、省スペースが実現します。
新築時にランドリールームの広さが確保できない場合や、収納を近くに設けたい場合はおすすめです。
ドラム式なら節水効果が期待できて見栄えがよい
ドラム式は、衣類を上から下に落とす「たたき洗い」が特徴です。
縦型の洗濯機に比べて使用する水量が少なく、節水効果が期待できる仕組みとも言えます。
また、見た目はスタイリッシュで見栄えがよく、機能性とデザイン性を兼ね備えている点が魅力です。
洗濯機と乾燥機が一体型のデメリット
洗濯と乾燥機能が一体型のデメリットは、家族構成によっては不便を感じる可能性があるでしょう。
以下3点を理解した上で検討してください。
乾燥容量が少ない
一体型は洗濯と乾燥できる許容範囲が異なり、乾燥容量は洗濯容量の半分程度しかありません。
つまり、12kg洗濯できる一体型でも、乾燥まで行う場合は6kgに容量を抑える必要があるのです。
そのため、日々まとめ洗いしている大人数の家庭の場合、一体型を使用すれば洗濯頻度が増える可能性があります。
乾燥に時間がかかる
洗濯から乾燥まで標準コースで行う場合、乾燥だけで3〜4時間ほどかかります。
つまり、すべて完了するには合計4〜6時間を要するのです。
急いで洗濯を終わらせたい場合や追加の洗濯物が発生した際は、終わるまで待たなければいけません。
注意点は、厚手の洗濯物は乾燥機にかけないことです。
洗濯前に乾燥までするものとしないものを振り分ける必要があります。
機能が複雑なので平均より寿命が縮む可能性がある
一体型は洗濯と乾燥2つの機能が合わさっているため内部構造が複雑です。
2022年3月の消費動向調査によると、国内洗濯機の寿命は約10年ほど。
一方、一体型のドラム式であれば平均使用年数は約7年から10年であり、メーカー部品保有年数は6年とされています。
日頃の使い方や頻度によって変わりますが、構造が複雑である背景により寿命が短くなる可能性は否定できません。
乾燥機がある暮らしのイメージ
洗濯機と乾燥機が別である場合と一体型の場合、家族の人数やライフスタイルによって良さが異なるもの。
ここからは、乾燥機がある暮らしのイメージをご紹介します。
どちらのパターンが適しているか検討材料にしてください。
洗濯・乾燥が別&一体化共通の利点
乾燥機があれば「干す」「取り込む」時間は必要ありません。
洗濯物の量や回数が多い家庭にとって、この時間を減らせば家事の時短になります。
また、乾燥機能が充実していればアイロン要らずの仕上げも実現可能。
衣類にまつわる家事を削減できます。
乾燥機能を使用すれば外干しの必要がなくなり、花粉や黄砂などのアレルゲン物質を回避できます。
家族の中でアレルギー体質の方がいるならば、少しでも症状を抑えられるきっかけになるでしょう。
洗濯・乾燥が別の利点
デザインやメーカーを統一すると海外の雰囲気があるランドリールームが完成します。
新築なら収納や作業スペースに不安があっても、家電に合わせてオーダーメイドの造作家具を作れば解決します。
小さな子どもや体育会系の部活をしている子どもがいる場合、機能が分かれていれば急な洗濯が発生しても対応可能です。
長時間待ったり汚れを放置したりする必要がないため、効率よく洗濯できます。
予算に余裕がある場合は洗濯機と乾燥機を別にすれば重宝する
洗濯機と乾燥機を別にする場合と一体化の場合はそれぞれにメリット・デメリットがあり、家族構成・ライフスタイル・家のスペース・予算によって、響く箇所が異なるでしょう。
しかし、「洗濯に時間をとられたくない」「ある程度予算がある」といった場合は洗濯機と乾燥機を別にする方がコストパフォーマンスがよく、暮らしの質も上がります。
特に、これから新築を建てる方は得られるメリットが多いので検討してみてはいかがでしょうか。
洗濯と乾燥のタイミングを熟慮しなければいけません。