LED電球で使われるルーメンとは?ワットとの違いや照明を選ぶときのポイントを解説

    LED電球のパッケージに書かれているルーメンとは、何を表している単位か知っていますか?

    白熱電球からLED電球へ切り替えようとしても、ルーメンとワットの違いがわからなくて、困ったことはありませんか。

    この記事では、ルーメンとワットとの違いや切り替える際の注意点、照明を選ぶポイントなどを分かりやすく解説します。

    電球を買い換えるときやお部屋の照明を選ぶときに、ぜひ参考にしてみてください。

    ルーメン(lm)とは?

    ルーメンの単位は「lm」と表し、ラテン語の「昼の光」を意味する「lumen」がもとになっています。

    ここでは、LED電球のパッケージには必ず書かれているルーメンについて、解説していきます。

    明るさの単位

    ルーメンとは、光源から放たれた光の明るさ、光束の量を表す単位です。

    ルーメンは光の量を表しているため、数値が大きければ明るく、小さければ暗いことを表します。

    白熱電球とは違って、電球のサイズが小さくても数値が大きければ、広範囲を明るく照らすことができます。

    光束の単位

    光束とは、光源から全方向へ放射状に伸びた光の線の集まりのことを指しています。

    光源の周囲に広がる光全体を、量として測定したものがルーメンです。

    ワットとルーメンの違いは?

    ワット(W)とは明るさを表す単位ではなく、本来は消費電力を表す単位です。

    しかし白熱電球の消費電力と明るさは相関関係にあり、消費電力が上がると明るさも増すため、明るさの単位として一般的に認識されるようになりました。

    そのため、少ない電力で明るくできる省エネ効果の高いLED電球のワット(=消費電力)と、白熱電球のワットでは、光の明るさを比べることはできません。

    LED電球に切り替えるときの注意点

    白熱電球からLED電球に切り替える際、同程度の電球を選ぶために必要な数値比較表を紹介します。

    これまで使っていた白熱電球と同じ明るさにしたい場合は、表の数値を参考にして、間違って違うものを買わないようにしましょう。

    白熱電球ワット(W)LED電球ルーメン(lm)/E26口金
    60ワット相当810ルーメン〜
    40ワット相当485ルーメン〜
    30ワット相当325ルーメン〜
    20ワット相当170ルーメン〜
    電球形 LEDランプ性能表示等のガイドライン(日本照明工業会)より引用

    照明を選ぶポイントは?

    家の中でも寝室やリビングの照明は、生活スタイルや家族構成によって、ご家庭ごとに求める明るさが違います。

    ここからは、目的に合った照明の明るさを選ぶときのポイントを解説します。

    広さごとのルーメンの基準

    部屋全体をひとつの照明器具で照らす場合、基準の目安は1畳あたり約40ワット、300〜600ルーメン程度として計算されます。

    シーリングライトとペンダントライトでも目安の数値が変わるため、お部屋のスタイルに合わせて明るさを検討しましょう。

    適用畳数シーリングライト/定格光束の範囲(lm)ペンダントライト/定格光束の範囲(lm)
    〜4.5畳2,200〜3,200未満1,980〜2,880未満
    〜6畳2,700〜3,700未満2,430〜3,330未満
    〜8畳3,300〜4,300未満2,970〜3,870未満
    〜10畳3,900〜4,900未満3,510〜4,410未満
    〜12畳4,500〜5,500未満4,050〜4,950未満
    〜14畳5,100〜6,100未満4,590〜5,490未満
    LED照明器具の適用畳数について(日本照明工業会)より引用

    手元を明るくしたい

    LED電球には光の広がり方によって種類が3タイプあります。

    • 全方向
    • 広配光
    • 下方向

    手元を明るくしたい場合は、「下方向」がおすすめです。

    下方向タイプは、トイレや廊下のダウンライト・スポットライトとして使用すると効果的です。

    部屋を明るくしたい

    リビングほどは広くない空間を照らす場合は、「広配光」タイプがよいでしょう。

    広配光タイプは光源から180度の方向を照らし、空間全体を明るくするため、すみずみまでしっかりと見えるでしょう。

    玄関やダイニングなど、特定の空間を明るくするのに向いています。

    部屋全体を明るくしたい

    リビングのような広い空間を明るく照らすには、「全方向」タイプが適しています。

    全方向タイプは光の広がる角度が260度まであり、電球の真上以外の天井までも照らすことが可能で、ひとつの照明でかなりの範囲を明るくできます。

    用途別ルーメンの目安

    実際に照明を購入するときは、具体的にどれくらいのルーメンを選んだら良いのでしょうか。

    ここでは、使われる部屋に応じたルーメンの数値や照明の種類を紹介しましょう。

    洗面所・トイレ

    サニタリールーム

    洗面所やトイレでは500ルーメン程度が一般的ですが、お化粧するなどで明るめの照明が必要な場合は、640ルーメン程度でもよいでしょう。

    照明器具はペンダントライトやスポットライト、下方向タイプのLED電球がおすすめです。

    玄関・廊下

    廊下

    玄関や廊下はあまり明るすぎない150〜250ルーメン程度がおすすめで、ゆったりとしたリラックス空間を演出できます。

    だんご

    足元を照らす間接照明や姿見用鏡の上のスポットライトなど、明るさが必要な場所に照明を設置すると、さらに使い勝手がよくなるでしょう。

    ダイニング・キッチン

    ダイニングキッチン

    ダイニングやキッチンは広配光タイプが推奨され、1,000〜2,000ルーメンのLED電球で十分な明るさが確保できます。

    作業台やテーブルのみを明るくしたい場合は、スポットライトやダウンライトを使うと、雰囲気のあるカフェやレストランのような空間になるでしょう。

    他にもある光についての単位

    照明を買おうとすると、光の明るさを表すルーメン以外の単位が表示されているものがあります。

    単位の意味を知ってほかのものと比較できると、必要な明るさの照明器具を選べるようになります。

    ここでは、知っておくと便利なルーメン以外の光の単位を紹介します。

    ルーメンパーワットは(lm/W:ランプ効率)

    ルーメンパーワットは、明るさに対して、どのくらいの消費電力があるかを表す単位です。

    1ワットあたり何ルーメンの明るさがあるかを計算式で算出でき、省エネ効果を計測できます。

    数値が大きいほど省エネで明るくなることが分かります。

    ルクス(lx)は「照度」

    ルクスとは光で照らされた面積に、どれだけ光が入っているかを表す単位です。

    ルーメンは光源周辺の光の量を表しますが、ルクスは照らされた場所に当たっている光の量を表しています。

    例えば室内の床に当たっている光の量を計測した数値は、ルクスで表記します。

    光源から遠いほど光の量が少なくなるため数値は小さくなり、近いと光の量が多くなり、数値は大きくなります。

    カンデラ(cd)は「光度」

    カンデラとは、光源から出る光の強さを表す単位で、照らす範囲の中で1番明るい場所の数値を表します。

    スポットライトのように光を集中させるとカンデラの数値が高くなり、光を拡散させると数値は低くなります。

    カンデラの数値が高いということは、光が届く距離が遠くなることを表しています。

    カンデラ毎平方メートル(cd/㎡)は「輝度」

    カンデラ毎平方メートルが表すのは、人が光源とは違う角度から見たときに、どのくらいの明るさの程度で見えるかです。

    光が当たっている場所に近いほど眩しく見えることは、カンデラ毎平方メートルの数値が高くなることで分かります。

    部屋にあったLED電球を選ぼう

    ペンダント照明

    この記事では、ルーメンについての解説や照明を選ぶポイント、光の単位などを紹介しました。

    白熱電球からLED電球に切り替えるとき、ルーメンという単位は少しややこしく感じてしまいますが、基準値を知っておくと選びやすくなるのではないでしょうか。

    照明の光は、私たちの生活の快適さに大きく貢献しています。

    部屋の用途に適した明るさや、居心地の良さをつくりだす照明を上手に使うことで、毎日の生活が一層リラックスしたものになるでしょう。

    部屋の広さや光の広がり方、省エネ効果などを意識して、照明器具やLED電球を選んでみてください。