子ども部屋はどのように仕切るべき?失敗しないためのコツ、仕切り方を解説

    子ども部屋を仕切る前提で家づくりをすれば、近い将来には子ども部屋になり、遠い未来では1つの大きな部屋として使えるメリットがあります。

    とはいえ、「どのように仕切るべきか」「どんな仕切り方があるのか」などイメージしにくいのではないでしょうか。

    そこで今回は仕切る前のポイントや仕切る想定の家づくりのコツを解説します。

    記事の最後には仕切り方もご紹介するので、イメージしやすくなっています。

    ぜひ参考にしてください。

    子ども部屋として仕切る前に考えておきたいこと

    子ども部屋

    一言で仕切るといっても、ご家族によってライフスタイルや子育て方法はさまざまなので、仕切り方も異なります。

    子ども部屋として仕切る前に、まずは以下5点を考えておきましょう。

    子どもの性別

    一番に考えておくべきことは、子どもの性別です。

    特に兄妹、姉弟と性別が違う場合は、幼少期は気にならなくても思春期に入るとプライベートな空間が欲しいと感じるでしょう。

    また、それぞれ同性の友達を部屋に招く可能性もあるので、個別の部屋があれば心理的にも安心して過ごせます。

    とはいえ、兄弟姉妹であってもこの傾向は考えられます。

    KJ

    完全に壁で仕切るのか、簡易的な方法で仕切るかは性別によって判断したほうがよい場合があります。

    子どもの成長・年齢

    子どもの成長や年齢によって部屋の使い方は変わります。

    例えば、新築時に子どもが小学生以上であれば最初から子ども部屋を設ける方がよい場合もあります。

    思春期になると勉強や部活動、趣味など部屋の使い方は多岐に渡り、物の種類や増え方も違うからです。

    子どもが小学生以上であれば、事前に子どもの要望を聞くことで仕切るか個別で作るか判断できます。

    子どもの人数

    子どもの人数が3人以上、もしくは3人目以降の子どもを授かる予定ならば、家全体の間取りを工夫する必要があります。

    例えば、1部屋は将来的に仕切る前提にして、受験期の子どもだけ和室を勉強部屋に転用するなどが挙げられます。

    子どものライフステージに合わせて、部屋を仕切ったり他の部屋を転用したりなど適した場所を用意しましょう。

    部屋の広さ

    部屋を仕切るなら、仕切った後の部屋の広さを考えましょう。

    一般的に子ども部屋は6畳程度を希望するご家庭が多い傾向です。

    その場合、仕切る前の1部屋の広さは最低でも12畳必要になります。

    それだけの広さなら、子どもが小さい間は家族の寝室として使用できるでしょう。

    一方、そこまで広さを確保できない場合でも、1部屋 4~5畳の子ども部屋ならベッドとデスク、手軽な収納は設置可能です。

    KJ

    まずは子ども部屋の理想の広さを洗い出した後、どれほどの広さを確保できるか考慮しましょう。

    仕切る方法

    仕切り方は、新築時とリフォームとでは方法や費用が異なります。

    一般的に、新築時に仕切る方法を計画しておけば、家のトータルコストは抑えられる傾向です。

    例えば、将来的に壁を作って仕切るなら天井や床の補強が必要であり、費用は3万円程度かかります。

    一方、後からリフォームで壁を作る場合は、建材や人件費などを含めて約10万円前後必要です。

    また、手の込んだ仕切り方か簡易的な仕切り方でも異なりますので、熟考しましょう。

    仕切りを想定した家づくりの5つのポイント

    ここからは、将来的に部屋を仕切って子ども部屋を作る家づくりのポイントを解説します。

    重要な点は、仕切った後の部屋が2部屋ともほぼ同じ条件であることです。

    そうすれば、後々子どもの成長に合わせてスムーズに仕切れます。

    柱や梁の位置を考慮する

    子ども部屋

    柱や梁は建物の構造体であり、荷重がかかる重要な役割があります。

    そのため、仕切りたい場所に壁を作りたい場合は、柱や梁があると仕切れない可能性があるのです。

    対策の一例として、「SE構法」があります。SE構法は、仕切りに壁や柱を必要としない構造であり、将来的に間取りを変更しやすい建て方です。

    子ども部屋の仕切りで壁を検討している方は、間仕切り壁はなるべく柱や梁と一体化させないようにしましょう。

    想定される場所に壁下地を仕込む

    家づくりの段階で、仕切る予定の箇所に壁下地を仕込みましょう。

    壁下地があれば、エアコンなど重量があるものでも留め具で壁に固定できます。

    壁下地はリフォーム工事で作れますが、費用は高くなり大掛かりな工事になる可能性も。

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    新築時にあらかじめ仕込めば、滞りなく間仕切り壁を作れて、すぐに子ども部屋として稼働できます。

    窓・照明・コンセントの位置を考える

    部屋を仕切った後は、2部屋の条件がなるべく揃うことがベストです。

    条件が揃う比較的手軽なレイアウトは、区切った後に左右対称の間取りになること。

    このとき、以下の点も考慮しましょう。

    • 窓の配置や数を同じにして日当たりも均等にする
    • エアコンは2つ設置できるようにコンセントと室外機の位置を決める
    • 天井に照明器具が2つ以上付けられるようにする

    ドアをあらかじめ2つ設置する

    ドアが2つある部屋

    新築時は1部屋という感覚なので忘れがちですが、ドアも2つ設置しましょう。

    建築時にドアを設けていれば、リフォームするより構造上の問題が生じることもなく、費用を抑えられます。

    仕切った後の家具の配置を想定する

    上記を徹底したとしても、家具の配置がうまくいかないこともあるでしょう。

    そのため、子ども部屋として稼働するイメージが重要です。

    例えば、仕切る前は1つしか稼働しなかったドアは、子ども部屋になった途端2つとも稼働します。

    そのため、大型家具は入っても、ドアの開け締めによりフリースペースが狭くなる恐れも。

    図面だけで判断して仕切るのではなく、仕切った後に「何を」「どこに配置するか」まで想定して、仕切る場所や広さを決めましょう。

    子ども部屋を仕切るアイデア

    子ども部屋を仕切る方法は、新築時に決めることもあれば必要に迫られて簡易的に仕切る方法もあり、多岐にわたります。

    ここからは、子ども部屋を仕切る4つのアイデアをご紹介しましょう。

    最もプライバシーを守れる仕切り方は、間仕切り壁の導入です。

    新築時には、あらかじめ導入する箇所の壁・天井・床に下地を仕込んでおきましょう。

    そうすれば家の構造を気にすることなく、子どもの成長に合わせて壁を設けられます。

    ちなみに、壁といっても子どもが独立した後は壁を取っ払い、再度1つの部屋に戻すことも可能です。

    1度壁にして終わりではなく、ライフスタイルに合わせて選択できます。

    建具

    あらかじめ建具を設けるのもよいでしょう。

    子ども部屋が必要になったタイミングで引き戸2~3枚を用いて部屋を仕切るので、手間もかかりません。

    建具なら新築時に導入すれば後々工事する必要もありません。

    家具

    事前準備が必要ですが、家具で部屋を仕切る方法もあります。

    例えば、2段ベッドを部屋の中央に設置すれば、広さがなくても効率的に2部屋に分けられます。

    上段と下段それぞれにカーテンを取り付けると、簡易的なプライベート空間が実現します。

    しかし、天井までは仕切れないため音が気になったり、部屋の中央に照明があれば暗くなったりなどの弊害もあるでしょう。

    収納

    部屋の中心を収納家具で仕切る方法もあります。

    例えば、可動式の収納や仕切ることを目的とした収納棚などです。

    メリットは、収納スペースを確保しながらプライベートな空間が作れることです。

    子どもが独立すれば1部屋として使ったり、来客用の部屋になったり活用の幅も広がります。

    しかし、事前に収納を選ぶ手間がかかったり、成長するにつれて適さない収納だったりなど子ども部屋としての選択肢が狭まる恐れもあります。

    子ども部屋は成長に合わせて変更しやすいレイアウトにしよう!

    子ども部屋

    住宅に必要な部屋数は、子どもの成長に合わせて変化するもの。

    一方で、将来的には子ども部屋としての役割にも終わりが来ます。

    そのため、1つの部屋を子ども部屋として仕切る前提で家づくりをすれば、家族のライフステージに合わせた使い方ができます。

    2人以上の子どもがいる方、2人以上の子どもを授かる予定の方は、1つの部屋を仕切ることを検討してはいかがでしょうか。

    仕切りや間取り変更が可能な構法もあるため、新築時に検討することをおすすめします。