注文住宅を建てるとき、あなたはどのような基準で土地探しをしますか?
「土地探しを失敗したくない」「土地の良い悪いは、どこを見ればいいの?」とお考えの方に、この記事ではよくある失敗例と気をつけるためのポイントを解説します。
土地探しで重要なのは、全体を見渡した費用計画とリアルな生活目線を持つことです。
購入してから失敗や後悔をしないよう、失敗を避ける方法もご紹介します。
土地探しのよくある失敗例12選
ここでは土地探しで起こりがちな失敗例をご紹介します。
これらの失敗はきちんと注意していれば対処できることです。
実際の土地探し中にも当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
1:広すぎる土地を購入
購入が可能ならできるだけ広い土地がいいだろうと考え、むやみに購入してしまうと後悔することになるでしょう。
広い庭はひんぱんな雑草取りなど管理する必要がありますし、広さの分だけ外構工事は高額になります。
また、毎年支払う固定資産税の金額は土地の広さに比例します。
現実の手入れの手間と費用を十分検討して購入しましょう。
2:希望の広さの家が建てられない
土地のサイズや形状の細部を確認せずに購入してしまい、後から予定していた間取りが実現できないことがわかるケースもあります。
旗竿地などの変形地で安く売り出されている土地や、用途指定地域の土地は特に注意してください。
家の建ぺい率・容積率だけでなく、駐車スペースは取れるのか、採光や風通しに必要な設備をつくる広さがあるかを確認しましょう。
3:諸経費で予算オーバー
土地の購入費用にだけ目を向けてしまいがちですが、後から諸経費が上乗せされ予算オーバーしないように気をつけましょう。
オーバーした土地費用のために建築費用を節約することになるかもしれません。
土地を購入するには不動産取得税、登録免許税、仲介手数料などのさまざまな諸経費がかかります。
事前に諸費用額を明確にし、全体の費用を見積もりましょう。
4:日当たりが悪い
実際に住んでみて気がつくことが多い、日当たりの問題。
土地を見にいく時間帯や季節によっても日当たりは変化するため、予測することはかなり難しいです。
購入したい土地を設計士に見てもらって、窓の位置や大きさなどで日当たりの悪さを解決できるか確認しましょう。
5:近隣の騒音がひどい
騒音も住んでみてから気がつくことが多い問題です。
- 近くの工場の音
- 少し離れた大通りからの車の音
- 近隣の家から聞こえてくる犬の鳴き声
- 大きなテレビの音
など、1〜2度土地を訪れただけでは音の問題に気づきません。
近隣の住民に聞いてみたり、時間や曜日をずらして何度も土地を訪れてみるとよいでしょう。
6:近所トラブルが多い
近所づき合いでのトラブルも、大ごとになると解決が難しい問題です。
土地を購入する前にできるだけ情報を集めましょう。
土地の周辺を歩いてみて、近隣にうるさい家はないか、ゴミ屋敷はないかを確認してみるのもよいでしょう。
また、土地を管理する不動産会社に過去のトラブルについて聞いてみましょう。
7:水はけが悪い
もともと田んぼだった土地を整地して売り出している場合、水はけが悪い、地盤が弱いなど後から問題が起こるケースがあります。
購入を検討する土地が住宅地ではない場合、地盤調査や強度測定が行われているか確認してください。
砂利やコンクリートを敷くことで解決できるのか、設計士や住宅会社の担当者に聞いてみましょう。
8:よう壁が必要な土地
見晴らしのいい高台の家は気持ちよく暮らせそうで、憧れますよね。
高台で注意したいのは、「よう壁」という壁状の構造物が必要な土地です。
「よう壁」は崖や盛り土が崩れないようにコンクリートブロックや石で作る土留めの役割を果たすものです。
設置だけでなく、修繕も必要なため、トータルでかなり高額な費用がかかります。
高台の土地を検討する場合は、事前に費用に組み入れて考えましょう。
9:インフラ設備工事が追加
もともと住宅地ではなかった土地の場合、電線工事やガス、水道管の工事が必要となるケースがあります。
新しく宅地として販売された土地や、旗竿地など特殊な形状の土地は注意してください。
事前に不動産会社や住宅会社に確認し、検討される場合は予算やスケジュールの調整が必要となるでしょう。
10:特殊な土地で予定以外の出費
間口がかなり狭い土地や旗竿地など特殊な形状地で、
- 狭い駐車スペースしか取れず車を買い替えたり
- 近隣への目隠しのために外構工事が必要となったり
引っ越した後に思いもよらない費用が発生することもあります。
事前に設計者に土地をみてもらうことで、備えることをおすすめします。
11:土地の資産価値が低い
特殊形状や交通の便の悪さなど、マイナス要因を許容して低価格で購入した土地は、将来的に資産価値が下がるケースがあります。
相場よりも安い土地を見つけても安易に購入せず、将来設計も踏まえて判断するようにしましょう。
12:低い土地で自然災害に合う
土地を購入する前に必ずハザードマップを確認しましょう。
洪水や土砂災害の可能性がないか、地域の歴史にも目を通しましょう。
はじめから強固な地盤の土地を購入することが理想的ですが、検討中の土地がある場合、補強工事で解決できるか確認してください。
特に周辺よりも低い土地は災害に遭遇しやすいので、注意して判断しましょう。
失敗しないために気をつけるポイントは?
ここでは土地探しで失敗しないために、気をつけてほしい具体的なポイントをご紹介します。
住宅会社と建築プランを相談しながら探す
土地の形状や地盤にまつわる問題は、土地を見ただけでは素人ではわからないことが多く、誤った判断をしないとも限りません。
住宅会社の設計士に土地や周辺を見てもらい、日当たりや外構も含め、予定していた設計プランが実現可能かを判断してもらいましょう。
また、その実現のための予算の見積りもして、他の候補地と比べてみましょう。
購入条件の優先順位を決める
土地探しを始める前に、ご家族で住む家に求める条件の優先順位を決めておきましょう。
- 土地の広さ
- 交通の便利さ
- 治安の良さ
- 近隣とのお付き合いの有無
など、ご家族によってかなえたい条件は異なります。
優先順位がはっきりと決まっていると、候補地を選別する時間も短縮でき、納得できる土地選びができるでしょう。
近隣の住民に聞く
少し勇気がいるかもしれませんが、できるだけ近隣の方とコミュニケーションをとり、リアルな情報を集めましょう。
近隣トラブルの種や、町内会の行事なども聞くことができれば、気持ちの面でも準備ができます。
時間帯を変えて2〜3度は現地へ行く
採光の角度や周辺環境の確認は、時間をずらしながら数度行いましょう。
平日と休日、朝昼夕晩の時間では同じ場所でも違う印象になるかもしれません。
人通りの多さや騒音のボリュームも変化する可能性があります。
長時間でなくても、回数を重ねることでかなりの情報を得られるでしょう。
境界杭はあるか確認する
土地の境界杭がなくて境界線が不明な土地は、証明手続きに幾日もかかる可能性があります。
近隣トラブルに発展しないために、適切な対応をしなければなりません。
近隣住民に立ち会ってもらい、境界線をはっきりさせてから手続きするようにしましょう。
特殊な土地の形に注意
旗竿地や間口がかなり狭い土地、隣接道路が狭いなどの特殊な土地は安価で販売されるため、魅力的に見えるかもしれません。
住宅会社の設計士に土地を見てもらい、追加で費用がかかる可能性がないか確認して、お得な土地かどうかの判断をするとよいでしょう。
老後も視野に入れる
長く住み続けることになる土地ですから、将来の生活環境としても考えておく必要があります。
車を運転しなくなったとき、庭の手入れが今までのようにできなくなったとき、土地を手放すときなど、考えられる将来の状況も視野に入れた土地選びをしましょう。
土地探しは全体の費用計画と生活目線がポイント
ここまで土地探しのよくある失敗の12例と、気をつけるためのポイントを解説しました。
土地探しで重要なポイントは2つの考え方です。
- 住宅建築費用+土地購入費用+諸経費のバランスを見失わない費用計画
- 実際に住んでみたらどんな問題が起きそうかという生活目線
一生暮らしていく土地ですから、後悔しない場所に住みたいですよね。
ステキな家を建てたい気持ちばかりが先行して土地探しの条件が甘くならないように、しっかりと情報収集して、理想の間取りが実現できる土地を選びましょう。