「日当たり」は快適な生活に欠かせない?部屋の方角別の特徴や対策を紹介

    家探しをする時、日当たりを選択基準のひとつにする方は多いでしょう。
    一般的には南向きの部屋が他の方角より日当たりが良く、家賃が高くなる場合もありますが、本当に日当たりは方角だけが大事なのでしょうか。

    こちらでは、方角別のメリット・デメリットや方角以外に日当たりが影響するポイント、日当たりが悪くても改善できる方法などを紹介します。

    日当たりって重要?
    日当たりの良い部屋のメリット・デメリット

    ニッチに日が差し込んでいる様子

    日当たりが良い部屋は人気が高いですが、実際日当たりにはどんなことに影響しているのでしょうか。

    日当たりの良い部屋のメリット・デメリットもあわせて見て、日当たりが本当に部屋探しに必要な条件かどうか見極めてください。

    日当たりは何に影響するの?

    日当たりが生活に与える影響を考える時、大事な点のひとつに”明るさ”があります。

    日中朝から午後まで太陽の光が入る部屋は、日当たりの悪い部屋より”光熱費が抑えられます”。
    それによって、気温も変化します。
    夏は日射で気温が上がり、冷房を長時間つけることも増える反面、冬は暖房いらずの場合も。

    太陽の光は洗濯物などを乾かす”乾燥と殺菌の役割”も果たします。
    湿度が高い時期でも、日当たりの良い部屋はカビが発生しにくいのも特徴です。

    季節により日当たりの日射角度と時間が変化する

    季節による日の差し込みの角度の比較

    日当たりは、同じ向きでも季節や場所によって、日の当たる角度と日照時間が変わります。

    緯度によっても異なりますが、南向きの場合、1年でも日が長い夏には約7時間日が入ります。反対に、冬は約9時間半太陽の光が入ります。

    日が入る時間はそれほど変わらないように見えても、日差しの強さや入り方は季節によって大きく異なります。
    特に太陽の位置が低くなる冬は、周囲に建物があると日照時間が短くなる可能性も。

    家探しの時、季節を変えて何度も物件を見に行くのは難しいかもしれませんが、季節によって日の入り方が変わることを意識しながら見学することをおすすめします。

    日当たりの良い部屋のメリット

    日当たりが良い場所は、太陽が届く間、ほとんど照明を使わず、”電気代が節約”できます。

    太陽の光は部屋を温め、冬の間、暖房知らずの部屋もあるでしょう。
    洗濯物を干せば早く乾き、殺菌効果も得られます。

    太陽の光は窓の外の変化を感じとるだけでなく、生活のリズムを自然と整えます。
    寝起きが悪かった人が、朝日で自然と起きられるようになったというケースもあります。

    日光に当たらない時間が長いと、うつ病に似た症状が起こることもありますが、日当たりの良い部屋だとストレスが解消され、精神が安定すると言われます。

    陽を浴びるとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを生成して、骨を丈夫にする効果もあります。

    日当たりの良い部屋のデメリット

    日当たりの良い部屋は、メリットばかりのようにも見えますが、デメリットもあります。

    太陽の明るさは、季節や角度によっては強すぎてまぶしく感じることもあります。
    光線の強さで部屋の温度が上がり、あまり強すぎると、夜まで温度が下がらなかったり、1日中断熱カーテンで部屋を閉め切る必要が出ることも。

    せっかく日当たりの良い場所にあっても、カーテンで閉め切っていたら日当たりで部屋を選ぶ意味がありません。
    また、太陽の光はフローリングや家具、写真などが痛みやすいので、特に窓の近くのインテリアに注意が必要です。

    日当たりが大きく異なる部屋の方角!
    方角別のおすすめタイプ・メリット・デメリット

    マンションで同じフロアに同じ条件の家があると仮定した場合、”北、西、東、南向きの順に価格が上がる”傾向です。

    でも、実際は時間や季節で日の当たり方は異なり、それぞれの向きにメリットとデメリットがあります。

    一般的に、マンションではリビングがある方角を、一軒家では敷地に面する道路の方角をその物件の方角とする傾向ですが、寝室や子供部屋など、人によって重視する場所も変わります。

    住む人の生活スタイルによって、向き不向きも合わせて見てみましょう。

    朝日が気持ち良い「東向き」
    朝型の人におすすめ

    朝、起きている人

    日の出の方向にある東向きは、朝早く起きる朝型の人におすすめ。日差しを浴びて、朝起きやすくなるでしょう。

    洗濯を午前中に終えれば洗濯物が乾きやすい反面、午後は日が当たらず、冬は特に日が入らない時間が長いでしょう。

    昼間の直射日光が入らないので、1年を通して日光は強すぎず、朝日を当てることができるので、ガーデニングに適していると言われます。

    日当たり良好「南向き」
    長い時間部屋で過ごす人におすすめ

    フローリングに日が差し込む様子

    人気の高い南向きの部屋は、真夏は太陽光が部屋の中に入る時間が短く、反対に冬は奥まで入る傾向に。

    季節による違いはありますが、全体的に日差しが入りやすいので、長く家にいる人に適した方角です。

    真夏は昼間の温度が上がりやすく、フローリングの床や家具、カーテン、本などは色あせたり傷んだりしやすいので、気になる人は遮光効果のあるカーテンをかけると良いでしょう。

    夏は日差しが入りにくいとはいえ、他の方角より冷房が必要になることが多く、反対に冬は日差しが入るので暖房をつける時間が短く済むケースも多いです。

    夕方まで明るい「西向き」
    夜型の人におすすめ

    薄暗い部屋でパソコンを使っている人の様子

    東向きと反対に、夜型の人に向いているのが西向きの部屋です。

    午前中はほぼ日が当たらず、午後になって部屋に日差しが照りつけます。

    冬は暖房の節約につながりますが、夏はうだるような暑さを冷やすために他の向きよりも冷房が必要になることも。

    その対策としては、複層ガラスを取り付けたり、断熱フィルムを貼ったり、またカーテンやブラインドで日差しを避ければ、部屋にこもる熱の量が調整できるでしょう。

    夏も快適「北向き」
    夜勤などで昼間に眠る生活を過ごす人におすすめ

    寝ている人

    どの季節でも日がほとんど入らない北向きの部屋は、昼間家にほとんどいない人や、昼間眠る生活をする人にぴったりの向きです。

    直射日光が当たらないと夏は冷房が必要ないこともあります。

    日当たりが悪いと値段は安く、家具や床、写真などが変質・変色することもありません。
    日中の日の当たり方が安定しているので、水回りや書斎、玄関、駐車場に向いているとも言われます。

    ただし、昼間日が当たらないだけに、カビや結露が出来やすく、冬の暖房費は高くなりがちです。

    要注意!
    方角以外にも家の日当たりに影響するポイント

    日当たりの良し悪しは方角だけではありません。
    住宅密集地では、隣近所の陰に隠れてせっかく南に向いているはずの部屋に光が入って来なかったり、間取りやベランダなどによって同じ方角でも室内の明るさが変わることがあります。

    家探しをする時は、方角だけでなく、これから説明する点についても注意して見学してください。

    周囲の建物

    いくら南向きであっても、目の前に高い建物があったら日当たり良好とは限りません。

    床の高さ・窓の高さ・方位・隣の家の位置によってその条件は異なるので、注意して物件を見学しましょう。また、例え建物がなくても道路を挟んだ向こう側に大きな空き地や駐車場があったら要注意です。

    今は空き地でも、将来高い建物が建つ場合があるので、心配であれば自治体でその土地の用途指定を確認することができます。

    間取り・ベランダ・バルコニーの大きさ

    バルコニーのある家

    日の入り方は、間取りやベランダ、バルコニーの形や大きさでも変わります。

    バルコニーやひさしがない部屋は、周りに光を遮るものがなければ、よく日が入ります。

    バルコニーがあっても幅が狭く、奥行きがない部屋には部屋全体に太陽の光が入りやすくなります。反対に奥行きがあったり、ひさしがある部屋は暗くなりがちです。

    バルコニーの手すりの素材でも光の届き方は異なり、金属製や木製、コンクリート製の手すりは視界を遮りますが、ガラスの手すりをつけると室内への日の入り方が断然違います。

    ただし、ガラスは外側から中が見える可能性があるので、マンションの高層階に取り付けられることが多い材質です。

    ティム

    一軒家や低層階は半透明のガラスがおすすめ

    部屋の階数

    マンションの外観

    例え日当たりの良い間取りでも、住宅密集地で周りの建物に光が遮られたら暗い部屋になってしまいます。

    例えば、5m先に10mの建物がある場合、夏至の昼12時頃には1階部分まで日が入っても、春や秋は2階部分まで冬至には全く光が入らなくなることも。
    部屋の階数が高く、周りに日光を遮る建物がないほど日の入り方は良くなります。高層階になればなるほど日当たりは良くなりますが、夏の日差しが強くなる難点もあります。

    紫外線を通しにくいガラスを取り付けたり、UVフィルムを貼るなどして、対策を取りましょう。

    日当たりの悪い部屋や土地でも快適に過ごす方法と対策

    日当たりの悪い方角に当たったり、目の前の建物が邪魔して日当たりが悪くなってしまっても、引越しを考える前にできることを考えてみましょう。

    インテリアを工夫して光を採り入れたり、植物を置いて部屋を明るくしたり、部屋の暗さが気にならなくなる方法は色々ありますよ。

    明るい色味の壁紙や照明器具を上手く利用する

    白を基調としたインテリア

    部屋が暗いと思った時は、壁紙や照明器具の色味やデザインを変えることで雰囲気もガラリと変わります。

    内装をホワイトや明るいパステルカラーにしたり、照明器具をスタンドライトなどの間接照明にして、壁や床、天井に照明を反射させると明るさが増します。

    照明器具のデザインや季節に合わせて電球の色を変えたり、部屋の模様替え感覚で照明を変えても良いですね。

    床の色は簡単には変えられませんが、ホワイトに近い色のカーペットを敷くと、光が反射して明るく見えます。

    鏡を窓の近くに置くのも効果的。
    光を反射させると室内をより明るくさせることが可能です。

    植物を育てるなら日当たりに影響されにくい観葉植物を選ぶ

    観葉植物が置かれたダイニング

    日当たりが悪い部屋でも、日陰で育てられる観葉植物であれば育てることができます。

    1日のうちの2〜3時間日が当たれば外に出さなくても育てることは十分可能。全く日光が当たらなくても週2〜3回ベランダなどに出して、日や風に当てると良いでしょう。

    暗い部屋では、部屋の照明にLEDライトを使っていれば光合成を促すことができます。

    日陰に耐える観葉植物としては、つる性で室内の栽培に適したポトス、南国のイメージをかもし出してくれるテーブルヤシ、シャープな葉をつけるオリヅルラン、幸福をもたらすと言われるガジュマルなど、さまざまな種類があります。

    植物を置く場所の環境を見て、その場所に適した植物を選びましょう。

    家を建てるならガラス製の扉や大きめの窓にする

    大きな窓が特徴的なリビングルーム

    日当たりが悪い場所に新築を考えるのなら、大きい窓を取りつけたり、吹き抜けにして1階から2階に大きな窓をつけたり、天窓にしても光を取り込めるでしょう。

    リフォームの場合は、大きな窓を取り付けるより、窓の上部に明かりとりの窓を取りつけるなど、小さな窓をいくつか設置した方が工事費が少なく、効果が上がる場合があります。

    光が届かない場所への扉をガラス製にするという方法もあります。リビングの奥の廊下やバスルームの横にある脱衣所など、窓がない場所でも光を通すことができます。

    角住戸を選ぶなら窓の位置やコーナー部分の形に注目

    マンション

    マンションで角にある部屋を選ぶことができたら、可能性も広がります。

    眺めの良い物件にはコーナー部分に全面カーブ状の窓が取り付けてあることも。

    多方向から採光が得られます。例えカーブ状の窓でなくても、角にある部屋は窓の数を多くできるので、多方面に窓を設置すれば日当たりの条件は良くなります。

    自分に向いている日当たりの方向を見つけて快適に過ごそう

    日当たりを重視して家探しをする時は、南向きの物件を探しがちですが、南向きだけがすべてではありません。

    日当たりは季節や時間で変わるだけでなく、周囲の環境、間取りなどでも変わります。
    日当たりを確認したい時は、少なくとも時間を変えて数回見に行くと様子がわかります。

    また、朝方か夜型か、自分の生活時間も考えて、生活スタイルに合った方向を見つけてください。

      ABOUT US

      cova
      「五感」と「空間提案」をテーマとする建築士。職人の手仕事が感じられるモノや空間は、視覚的な美しさだけでなく、触れた感触が心地よかったり、そこでの食事の味や音の響きにまで影響を与えるもの。机上で完結しない、現場でのインスピレーションを大切にしています。