近年インテリアとして人気が高い「多肉植物」。
プクプクとした肉厚な見た目が独特で、育て方も比較的簡単なので仕事をしている人でもチャレンジしやすい植物です。
この記事では、多肉植物をお部屋のアクセントにしたいと考えている人へ、人気の種類や育て方のポイントなどを紹介します。
これから多肉植物を購入する人は、紹介する品種を参考に選んでみてくださいね。
目次
多肉植物とは
「多肉植物」とは、葉・茎・根っこなどがぷっくりと厚みがある独特なフォルムの植物です。
ぷっくりした可愛い見た目から、現代ではインテリアプランツとしても人気があります。
「サボテン」や「アロエ」も多肉植物と同じ仲間です。
多肉植物はあまり手がかからずに育てられるので、植物を育てたことがない初心者でも気軽にチャレンジできます。
どんな種類がある?
人気の多肉植物を厳選紹介
ここからは、多肉植物の種類を人気なものに厳選して紹介します。
セダム
セダムは日本で一番馴染みのある多肉植物です。肉厚な多肉植物らしい見た目で人気があります。
- 北半球に生息する植物
- グランドカバー(地面を覆う植物のこと)としても活躍する
- 世界で500種類以上確認されていて、その中でも日本の品種は約40種類程度
- 暑さや寒さに強く、程よく日が当たる屋外でよく育つ
※真夏は室内のレースカーテン越し程度が良い - 少ない水で育つため、雨には当たらないようにする
- 地植えもできる
- 温度は0〜25度程度が適切
- セダムは春秋型植物で夏と冬に冬眠するため、その時期は水やりを控える
- 鉢植えで育てるときは、土が乾いたらたっぷり水をやり、常に土が湿っている状態は避ける
- 地植えの場合には、水やりは不要
(自然に降る雨に任せる) - 病害虫がつくことがあるため、見つけたら駆除する
エケベリア
エケベリアも春秋型植物です。
紅葉する性質があるため、季節によって色が変化したり花を咲かせたりと楽しめます。
美しいバラのような見た目(ロゼット型)が特徴です。
- 手のひらサイズの小ぶりのものから、40cmほどの大きなものまでその種類は多岐にわたる
- 少ない水で育つため、雨には当たらないようにする
- 基本的に暑さや寒さに強く、程よい日が当たる屋外でよく育つ
※真夏は半日陰になる場所に置く - 5度くらいまでの寒さに耐えられるが、それ以下になる場合には部屋の中に取り込む
※取り込めない場合には完全に断水する
- 病害虫がつくことがあるため、見つけたら駆除する
- 水の量を季節によって調節しなければならない
季節 | 水の量 |
春・秋 | 土が乾いたら、鉢の下から水が流れるほどたっぷりと水をやる |
夏 | ほぼ断水。 夕方の涼しい時間帯から、土が半日程度で乾く量の水をやる ※高温多湿が苦手のため、水をやりすぎると根腐れなどを起こしてしまう |
冬 | ほぼ断水。 ※断水することで耐寒性が高まる |
ハオルチア
ハオルチアは、別名「ハオルシア」とも呼ばれている多肉植物です。
ハオルチアは「軟葉系」と「硬葉系」の2種類に分けられます。
品種によっては数万〜数百万円と高額なものもありますが、1,000円程度で楽しめる品種もあるため、多肉植物初心者にもおすすめしやすい種類です。
- 軟葉系
葉が柔らかく、先端には「窓」と呼ばれる透ける部分がある。
光に当てるとキラキラと輝く - 硬葉系
葉が硬く、アロエのようにシャープで尖っている見た目 - 直射日光や雨に弱く、室内で育てるのに向いている
- 春・夏は半日陰、秋には太陽光に当てて、冬は冷気から守るために窓辺からは離す
- 春秋型植物のため、夏と冬にはほぼ水をあげなくて良い
- 病害虫がつくことがあるため、見つけたら駆除する
セネシオ
セネシオは、別名「セネキオ」とも呼ばれている多肉植物です。
その姿は多種多様で、つる状の品種もあれば、球根を持っている品種もあります。
- ユニークな形が多い
- 春秋型植物だが、完全な乾燥状態は嫌うため、夏・冬でも土の表面が乾いたら少しだけ水をやる
- 春・秋には土の表面が乾いたらたっぷり水をやる
- 暑さ・寒さともに弱いため、夏は直射日光を避け、冬は日光に当てて寒くないようにする
- 病害虫がつくことがあるため、見つけたら駆除する
- 軟腐病(なんぷびょう)というカビの病気にかかることがあるため、腐ったり枯れたりした葉は早めに取り除く
センぺルビウム
センペルビウムの意味は、ラテン語で「semper(常に)」「vivum(生きています)」です。
その意味のとおり、とても強く生き、”育てやすいため初心者にもおすすめ”しやすい種類です。
- 紅葉する性質があるため、冬には赤黒く、春には元の色に染まる
- 高温多湿に弱く、太陽光を好む
- 耐寒性があるため屋外でも育てられる
- 春・秋・冬には日当たりが良い場所で管理し、土が乾いたら鉢の底から水が流れるくらいたっぷりと水をやる
- 夏はほぼ断水。夕方の涼しい時間帯から、土が半日程度で乾く量の水をやる(高温多湿が苦手のため、水をやりすぎると根腐れなどを起こしてしまう)
- 病害虫がつくことがあるため、見つけたら駆除する
クラッスラ
クラッスラは、小ぶりのものから3〜4mと大型のものまで、その種類は多岐にわたります。
一番有名なのは「カネノナルキ」です。
これは、縁起が良いといわれている”金のなる木”で、樹木ではなく多肉植物なのです。
- 幾何学模様に見える品種やユニークで面白い形の品種など、種類が豊富
- 紅葉する品種も多く、季節によって色の変化が楽しめる
- ピンクや白の花を咲かせる品種も多いが、中には開花姿が目立たないものもある
- 夏型種と冬型種に大別できる
- 湿気が苦手なので、よく日が当たる風通しの良い場所で管理する(真夏は半日陰)
- 耐寒性はあるがそれほど高くはないため、5度くらいまでが限界(5度を下回る場合は家の中に取り込む)
- 病害虫がつくことがあるため、見つけたら駆除する
- 葉に茶色の斑点がつく「さび病」になることがあるため、見つけたらすぐに取り除く
- 水の量を季節や種類によって調節しなければならない
季節 | 水の量 |
春・秋 | 土が乾いたら、鉢の下から水が流れるほどたっぷりと水をやる |
夏 | 梅雨時期は控える 夕方の涼しい時間帯から水をやり、土が乾いてから3〜4日程度の頻度を保つ |
冬 | 暖かい昼間の時間帯に水やりをする |
季節 | 水の量 |
春・秋 | 土が乾いたら、鉢の下から水が流れるほどたっぷりと水をやる |
夏 | 休眠期のためほぼ断水。 梅雨明け〜夏、冬は水やりを控える |
冬 | 暖かい昼間の時間帯に水やりをする(0度を下回るときは断水) |
多肉植物を上手に育てるためのポイント
最後に、多肉植物を上手に育てるポイントを紹介します。
多肉植物用の土は?
多肉植物を育てるときには、多肉植物用の「培養土」を使いましょう。
培養土とは肥料や土壌培養剤などが配合されている栄養価の高い土のことです。
培養土には多肉植物用以外にも、野菜用や園芸用などさまざまな種類があります。これらの培養土と多肉植物用の培養土の決定的な違いは「水はけの良さ」です。
冒頭でも述べたとおり、多肉植物は乾燥している地域に生息しているため高温多湿に弱いのです。
そのため、多肉植物用の培養土は水がよくきれて乾燥しやすい土になっています。
またほかの培養土と比較すると、肥料や土壌培養剤などの配合率は少なめです。
多肉植物を購入するときには、必ず専用の土も購入しておきましょう。
水やりのタイミングは?
水やりのタイミングは育てる品種によって異なります。
とはいえ基本的には乾燥を好む植物のため、次のような様子が見られたら水を与えましょう。
- 土が乾いてきた
- 葉にシワが寄ってきた
- 葉の色が悪くなってきた
季節によっても水やりの頻度が異なるため、購入する品種について詳しく調べておくことをおすすめします。
葉挿しで増やせる!多肉植物の増やし方
多肉植物は、1枚の葉から根を生やし、新たな多肉植物が誕生する「葉挿し(はざし)」によって増やせることをご存知でしょうか?
100%の確率ではありませんが、乾燥した土を平たくしてその上に乾燥している葉を寝かせておくだけで、葉の切れ端から根が生えてきます。
こうして、愛着のある多肉植物の子供たちをどんどん増やして楽しむ方法もあることを覚えておきましょう。
定期的に植え替えしよう
適切な育て方をしていても、”1〜2年程度に1回は鉢の植え替え”を行いましょう。
これは、鉢の中で伸びきった根がギュウギュウに詰まって「根詰まり」を起こしてしまうからです。
また、育て始めのころに入れた下のほうの土が固まってきてしまい、水はけが悪くなります。
1〜2年が経たなくても鉢から根がはみ出ていたり、下葉が落ちて、その茎から根が出ていたりと多肉植物からサインが出ていたら植え替えの時期です。
サインやタイミングを逃さずに、定期的に植え替えをしてあげましょう。
インテリア感覚で多肉植物を飾ろう
この記事では、インテリアプランツとして人気の高い「多肉植物」について詳しく解説しました。
簡単に育てられる多肉植物ですが、品種によって多少の育て方が異なり、こまめなケアが必要です。
見た目は可愛く愛着が湧きやすいため、初めて植物を育てる方におすすめです。
ぜひ、インテリア感覚で多肉植物を育ててみましょう。お部屋がパッと華やかになって、疲れを癒してくれますよ。
※蒸散とは、植物内の水分が蒸発すること