実用的でありながら、芸術作品のように空間を彩るアイテムを作り続けているテキスタイルブランド「ROGOBA KILIM(ロゴバキリム)」。
その独自の存在感は、インテリアにこだわる層から絶大な人気を獲得しました。
中近東の歴史の中で生まれたデザインと、ハンドメイドならではの繊細な仕上がりが融合したテキスタイルが、コーディネートに鮮やかさをプラスします。
この記事では、ロゴバキリムの魅力や特徴を詳しく紹介します。
目次
中東の遊牧民が伝承してきたテキスタイルブランド「ROGOBA KILIM」
ロゴバキリムは、中近東で暮らす遊牧民の伝統的な平織のデザインを受け継いでいます。
そのため、一点ものに出会えるのが大きな魅力です。
1992年の創業以来、毛足のない、つづれ織のテキスタイル「キリム」を、日本に伝え続けています。
軽くて丈夫なキリムは、布団や収納袋として遊牧民の間で代々親しまれてきました。
同ブランドを象徴しているのは、遊牧民の暮らしや豊かな感性に長年寄り添ってきたデザインです。
配色や紋様、織り方、構成といった伝統的な技術は、これまで各部族の特徴を表すものでした。
現代では、世界中の人が見惚れるテキスタイルとして普及しています。
独創的でありながらも洗練されたデザインは、幅広いインテリアにマッチするため、設置する空間を選ばないのが嬉しいポイント。
サイズ展開が豊富なラグや空間に取り入れやすいクッションカバーなどを扱っており、購入を手軽に検討できるのも魅力です。
ROGOBA KILIMのこだわり
ロゴバキリムのこだわりは、2つあります。
- 原材料に上質なウールを使うこと
遊牧民が代々用いている糸紡ぎ用のコマでウールを作っています。 - 伝統技術を継承した織り手に作業を依頼すること
キリム作りに適した毛から採れる最高級のウールを、熟練した織り手が織り込みます。
その後、キリムは専門の職人の手に渡り、仕上げ加工が施されます。
産毛の焼き加工、洗浄と乾燥、最後に歪みを微調整すれば作業は完了です。
細かい部分まで手を抜かず、キリムの美しさを最大限に引き出す努力を惜しみません。
織り手の生み出す繊細な仕上がりを崩さないよう、工程にこだわっています。
本場のキリムの表情を切り取ったアイテムは、歴史を物語る芸術作品といえるでしょう。
魅力あふれる4種類のキリム
キリムには、以下の種類が存在します。
- 100年以上も前から使われている「アンティークキリム」
- 50年以上経過していながらも近代技術の併用を見受けられる「オールドキリム」
- 上質なウールと伝統デザインはそのままに、現代的手法で作られる「ニューキリム」
そして、そこに加わるのが「ロゴバキリム」です。
遊牧民の伝統的手法を受け継いだ織り手をパートナーにすることで、優れた作り手・繊細な手紡ぎ・天然染料の3つの要素をもった希少な現代キリムとして知られています。
安全な素材を使っているため、人や動物に優しいのが特徴です。
キリムの価値につながる「アブラッシュ」
「アブラッシュ」とは、糸の色の微妙な濃淡や、太さの違いが生み出す風合いを指す言葉です。
熟練した織り手が織り込んだキリムには、味わいがあります。
アブラッシュは、ロゴバキリムの品質を判断する最も重要な要素。
後世の観賞者にとって、キリムに残されたアブラッシュが織り手を知るための唯一の手掛かりとなります。
「美しいと思えるか」という問いかけの答えがキリムの価値を決めるのです。
ロゴバキリムは、アンティークキリムやオールドキリムといった歴史あるキリムと比べると、シンプルに見えます。
しかし質感に注目すると、古くから存在するキリムに負けない、遊び心やこだわりが込められていることが分かります。
良質な織り手によって作られた伝統的かつモダンなアブラッシュは、現代の文化にも馴染むのが魅力です。
また、経年変化の美しさも嬉しいポイント。キリム全体が年を重ねていく様子も楽しめます。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
ROGOBA KILIMの商品シリーズ・コレクションを紹介
この章では、ロゴバキリムが展開する商品シリーズ・コレクションを紹介していきます。
幅広いサイズから選べる「ラグ」
床を広範囲でカバーする大判タイプから、ソファやチェアに合わせやすいコンパクトなものまで、幅広く展開されているラグシリーズ。
部屋の広さや雰囲気に合わせて選べます。
毛足がなく、爪に引っ掛かりにくいので、ペットの手足に優しいのも魅力です。
炎症の原因になり得る化学繊維を使用しておらず、犬や猫などの肉球を美しく保てるという意見も多く見受けられます。
上質なキリムで作る「クッション」
通常クッションカバーは、どこかにダメージを受けたキリムの、美しい部分だけを切り取って作られます。
しかしロゴバキリムでは、より魅力的な製品を提供するために、上質なキリムを加工することも。
ハイクオリティなキリムのクッションを求めている人に、おすすめです。
空間のアクセントに最適な「テーブルセンタークロス」
キリムをコンパクトなサイズに加工しているブランドは少なく、テーブルセンタークロスは非常に珍しいアイテム。
スリムなので幅広いスペースにフィットするのが魅力です。
テーブルやコーナーに敷き、空間のアクセントとして楽しめます。
限られたスペースでもキリムを楽しみたい人に適しています。
アートとして楽しめる「タペストリー」
絵画やポスターのように壁に掛けて楽しめるタペストリーシリーズ。
キリムの芸術性を楽しみたい人に最適です。
アブラッシュや色合い、模様を心ゆくまで眺められます。
美しい存在感で、設置する空間をアーティスティックに演出できるのが魅力です。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
ロゴバキリムの模様の意味を知ろう
ロゴバキリムの模様は幾何学的な模様が特徴です。
使われている文様には図面がなく、祖母から母、母から娘へと、女性たちによって長い年月をかけて継承されてきました。
さらに、それぞれの織り手が持つセンスや表現力によって微妙に変化しながら、同じ文様でも一枚一枚が違った表情を見せています。
そして多くの織り手に好まれた模様は、村の伝統柄として次世代に伝えられていくのです。
ここでは、模様が持つ意味について解説していきます。
幸せへと導く意味を持つ「Saff」
「Saff(サッフ)」は“幸せの在りかを指し示す矢印”が規則正しく並ぶ文様です。
文様の両端が矢印のように方向を指し示しているのは、移動生活を送る遊牧民にとっての進むべき方向、つまり「幸せが見つかる方向」です。
それは厳しい自然の中で生活する遊牧民の、迷いのない安心できる状態を求める願いに通じているのでしょう。
魔除けと子孫繁栄を願う「Hands」
「Hands」はキリムの上下に「3本指の手」を並べた、可愛らしい文様です。
手のモチーフを数多く織り込むことで、羊を襲うオオカミや他部族の遊牧民などの外敵や、邪悪なモノから一族を守る“魔除け”のような意味を持ちます。
また、たくさんの手には“子孫繁栄”の願いも込められています。
遊牧民の住居を表す「Tents」
キリムの全面にちりばめられるように織り込まれる横長の三角模様は、遊牧民の住まいである「Tents(テント)」を表しています。
「Tents」は「Hands」などの他の文様と組み合わせたり、周りにグラデーションなどで草原を施したり、豊かなバリエーションを生み出します。
充実した生活を求める遊牧民の願望が見て取れます。
自由自在に飛ぶ鳥を表す「Flying Birds」
丸みを帯びたひし形が並ぶ模様が特徴の「Flying Birds」。
遊牧民は木の実を求めて飛んでいく鳥を見て、水や草木が繁茂するオアシスの方向を見定めていました。
そのため「Flying Birds」は“幸運をもたらす”文様としての意味を持ち、多くの幸せとの出会いを願うものとして表現されています。
豊かな水への願いを型取る「Water」
「Water」は文字通り、遊牧民にとって生活の要となる水を表現し、“身近に豊富な水があり続けること”を願う模様です。
キリム全体を一周するように織り込まれる文様のため、左右対称で使いやすい模様です。
文様自体はシンプルなため、周りの色合いに織り手の表現力を楽しめます。
他者に引き起こされる災害を取り除きたい「Evil Eye」
キリム全体に大きく施される文様の「Evil Eye(イーブルアイ)」は、“邪視から身を守る魔除け”を表します。
邪視とは、危害・傷害・不幸・死といった災害を引き起こす負の感情を放つ悪魔の目のこと。
遊牧民は、「Evil Eye」のモチーフによって邪視から身を守る伝統があります。
母性と子宝を表す「Hands On Hip」
「Hands On Hip」は、格子模様のような幾何学的な文様を施しています。
アナトリアの母神に由来する女性を抽象化した文様を表しており、母性と子宝のシンボルでもあります。
それは遊牧民の大切な“家畜の多産”を願う文様でもあります。
「Hands On Hip」は伝統柄でありながら、モダンな魅力を持つ模様です。
豊かな生活環境を求める「Rich Ground&Rich Water」
「Rich Ground&Rich Water」は、いくつかの文様のパターンがランダムに配置されています。
帯上に織り込まれた文様は水平線や地平線を表し、遊牧民の生活にとって欠かせない、“豊かな草原や豊かな水”を求める願いを表現しています。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
世界初!光を通すキリム「SUKASI KILIM(透かしキリム)」
「SUKASI KILIM(透かしキリム)」は部分的に横糸を織り込まず、縦糸のみの場所をデザインに活かすことで、外からの光を通して室内を明るくできるキリムのことです。
「SUKASI KILIM」は日本の建築設計者の依頼をもとに、トルコの織り手による試行錯誤の末、2006年に開発されました。
光や風を通しながら風景を完全に遮断しないデザインは「SUKASI KILIM」のアート性が発揮されているといえるでしょう。
その後も「SUKASI KILIM」の繊細なデザインを採用した空間がいくつも誕生しています。
黒色の中から色を目覚めさせる「ブラックキリム」
「ブラックキリム」は天然染料で何度も染めを重ねたことで生み出される、深い黒色の糸を使う特徴のあるキリムです。
真っ黒な糸を使って文様を織り、夏の強い日差しに約3カ月もさらすと、模様が浮かび上がるような美しいキリムができあがります。
織り手のセンスと自然の光の効果によるコラボレーションで生み出されたキリムによって、現代的でスタイリッシュな演出ができるでしょう。
「ブラックキリム」は、ロゴバとトルコの最高の織り手によって創り出された、21世紀のニューキリムです。
ロゴバキリムのメンテナンス方法
ロゴバキリムは、日頃からメンテナンスすることで長く愛用できます。
毛足が短いロゴバキリムは、髪の毛やホコリが入り込みにくいメリットがあります。
そのため日常の手入れは、表面についたゴミを市販の粘着クリーナーで取る程度で十分です。
また、ロゴバキリムは丈夫なため、汚れが気になる場合は、家庭でも洗濯可能です。
玄関マットなどの小さめサイズなら手洗いモードで、ウール用洗剤を使って洗えます。
ひどい汚れの場所はタワシでこすっても大丈夫です。
ただしウールの質を守るため、お湯は使わず、水のみで洗いましょう。
洗った後は、時間をおかずに形を整えて、陰干しをしてください。
大きめサイズのキリムは扱いが難しいため、クリーニングをおすすめします。
ROGOBA KILIMで暮らしにアートを取り入れよう
今回は、遊牧民に継承される伝統デザインや技術を取り入れたテキスタイルブランド「ロゴバキリム」を紹介しました。
歴史的なデザインを、近代技術を用いて、より美しく後世に伝えています。
現代のデザインにはないユニークで洗練された文様や配色は、実用品としてだけでなく芸術作品としても楽しめます。
暮らしにアートを取り入れたい人やコーディネートに中近東の雰囲気をプラスしたい人は、ぜひチェックしてみてください。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
実店舗ではキリムと親和性の高い家具や照明も販売されているので、キリム中心のコーディネートを楽しんでも良いでしょう。