北欧の伝統料理「スモーブロー」でホームパーティを楽しもう

    今ではインテリアや住宅デザインで当たり前になった北欧スタイル。

    最初の北欧ブームは1900年代半ばから始まり、2006年には日本上陸を果たしたイケアやマリメッコが牽引しました。

    北欧スタイルは日常の暮らしにこだわり、機能・デザインどちらにも優れている点が魅力です。

    そんな北欧スタイルの次のブームとして注目されている「スモーブロー」を知っていますか?

    この記事では、最近SNSで話題になっている、北欧の伝統料理「スモーブロー」をご紹介します。

    スモーブローは専門店やカフェでも提供されますが、北欧では自宅でつくるおもてなし料理の代表格。

    SNSでは見た目もおしゃれなホームパーティー料理として、たくさんの写真がアップされています。

    かんたんなレシピも紹介しますので、ぜひ試してみてください。

    スモーブローとは

    スモーブロー

    スモーブローとは「バターを塗ったパン」を意味し、デンマーク風オープンサンドのことです。

    色鮮やかな食材をさまざまな味付けで調理した後、パンの上にトッピングします。

    だんご

    他のオープンサンドと違うのは、下のパンが見えないほど盛り付けることと、ナイフとフォークで食べること。

    盛り付けの種類も多彩で、北欧ではメジャーなメニューのひとつです。

    デンマークの伝統料理

    デンマークは北欧の最南端に位置しており、豚肉やチーズなどの乳製品、じゃがいもの生産量が多く、さらに海に囲まれているため海産物も豊富です。

    畜産業や農業が盛んな国ですが、寒冷地のため食品保存の技術が発達してきました。

    バイキングの時代から、日持ちがするライ麦パンにバターやチーズなどの乳製品、肉や魚の燻製や塩漬けなどの保存食を組み合わせて食べていた歴史があります。

    スモーブローの歴史

    19世紀後半に農業改革が進み、食材が豊富になったことで現代版スモーブローが誕生し、1888年に最初の専門店ができました。

    産業が発達するとスモーブローは手軽に食べられるため、工場労働者の短いお昼休みのお弁当としても親しまれます。

    食材の輸入が増加すると、スモーブローのトッピングはますます豪華になり、今のようなたっぷりとした盛り付けが一般的になりました。

    定番のランチメニュー

    デンマークでは温かいしっかりした料理は夕食のみで、朝食と昼食は手軽な料理ですませる習慣があります。

    そのためスモーブローはファストフードとしてランチでは定番メニューです。

    トッピングの種類も豊富にあり、280種類以上のメニューを出したコペンハーゲンにある最初の専門店は、ギネスブックに登録されているようです。

    デンマークのフードマーケットでは日本でいう惣菜売り場のように、さまざまな種類のスモーブローが並んでいます。

    スモーブローはデンマークの高級レストランでも提供されていますが、小さめのライ麦パンに乗せられたお手軽サイズもランチメニューとして人気があります。

    スモーブローの食べ方は?

    華やかな盛り付けのスモーブローは、基本的にはナイフとフォークで具材ごとカットして食べます。

    ここでは、スモーブローの基礎知識を解説します。

    具材に使われる食材は?

    主に使われる食材はスモークハム・甘海老・サーモン・ゆで卵・アンチョビ・マヨネーズで、季節のハーブやディルをのせるのが定番です。

    アレンジは自由にでき、トマト・マッシュポテト・紫キャベツ・ウナギ・ニシン・ピクルス・ズッキーニ・アボカドなども人気の食材です。

    まずはサワークリームやバター、マスタードをパンに塗り、ダイナミックに彩りよく盛りつけると、スモーブローのできあがりです。

    パンの種類は?

    サワー種を使ったライ麦パンや黒パン、ライ麦パンのプンパーニッケルなどを薄切りにして使います。

    他にもバゲットや食パンでもおいしくつくれます。

    デンマークでは、味の濃い料理にはライ麦パンや黒パン、味の薄い料理には白パン(小麦粉のパン)を合わせるのが一般的です。

    だんご

    手に入った食材に合わせてパンを変えてみると、さまざまな味が楽しめそうです。

    伝統メニューを紹介

    ここではスモーブローの伝統メニューを6種類ご紹介します。

    本場の味を感じられるメニューなので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

    1:獣医の夜食

    ライ麦パンに塩漬け牛肉の薄切りとレバーペースト、肉の煮凝り、生のオニオンリングとコショウソウを盛り付けます。

    ボリュームたっぷりのスモーブローです。

    だんご

    名前の由来は一説によると、獣医が動物の長時間におよぶ出産のときに夜食にしていたからだそう。

    2:レバーペースト

    ライ麦パンに載せる温めたレバーペーストが主役のスモーブロー。

    トッピングはベーコン・キノコのソテー・レタスやキュウリのピクルスが定番です。

    レバーペーストは好みがわかれる味のため、少しずつ試してみるとよいでしょう。

    3:ローストビーフ

    ライ麦パンにレムラード・ソースというマヨネーズにマスタード・ピクルス・ケイパー_ハーブなどが混ざったソースを塗り、ローストビーフ・ホースラディッシュの千切り・オニオンフライをのせます。

    ハーブの香りとローストビーフの柔らかさのマッチングが人気です。

    4:ローストポーク

    ライ麦パンにローストポークの薄切り、ムラサキキャベツの千切りやオレンジの薄切りをのせます。

    ムラサキキャベツが色鮮やかなスモーブローです。

    5:スモークサーモン

    白パンにサーモンの燻製・小エビ・薄切りレモン・ディルをのせる伝統的なスモーブローです。

    爽やかな酸味が特徴です。

    スモーブローのパーティー料理を紹介

    北欧では、スモーブローは家庭的なおもてなし料理でもあります。

    日本の家庭でも作りやすいパーティ用スモーブローのレシピをご紹介します。

    1:チーズ&サーモン

    ライ麦パンに粒マスタードを塗り、ルッコラ・プチトマト・サーモンの刺身をのせます。

    その上から酢大さじ1・オリーブオイル小さじ2・塩コショウ少々のドレッシングをかけて、ディルやフレッシュチーズをたっぷり散らしましょう。

    滑らかなフレッシュチーズとサーモンの組み合わせがクセになるスモーブローです。

    2:甘海老&ディル

    生食用の甘海老は殻をむき、大きめにみじん切りにして、マヨネーズ大さじ2・塩コショウ少々と混ぜ合わせます。

    さらにレモン汁大さじ2をまぜ、刻んだディル大さじ2と和えます。

    ライ麦パンまたはフランスパンの上に甘海老と飾り用ディルをのせたらできあがりです。

    だんご

    爽やかなディルとレモンが甘海老を引き立てる、伝統的なスモーブローです。

    北欧の食器に映えるスモーブロー

    イッタラのお皿に乗ったスモーブロー

    SNSには北欧ブランドの食器に、豪快なトッピングのスモーブローをのせた写真が、多数紹介されています。

    北欧食器の代表ブランドであるアラビアやイッタラの食器も多く使われ、これらはシンプルで色のバリエーションも豊富なので、彩りが華やかなスモーブローとの相性もよさそうです。

    特にイッタラのブランド「ティーマ」はオーブン、電子レンジ、食器洗い乾燥機、冷凍庫にも使える高い機能性を持ち、色数も豊富で重ねても姿が美しいデザインの食器です。

    「ティーマ」は機能性とデザイン性をあわせ持つ、北欧デザインを体現しています。

    簡単で華やかなスモーブローを作ってみよう

    スモーブローは家庭料理の定番として、デンマークだけでなく、北欧のあらゆる場所で提供されているおもてなし料理です。

    お客さまがくると、地元の食材やパテ、マスタード、自家製ソースの瓶を机に並べ、お客さまと楽しくおしゃべりしながら、香り高いライ麦パンにたっぷりと盛りつけていきます。

    スモーブローはそんな北欧のナチュラルな暮らしを象徴するメニューなのではないでしょうか。

    おしゃれな北欧風のインテリアや住宅スタイルとしてだけではなく、豊かな北欧流の暮らし方も取り入れていきたいですね。