無機質でスタイリッシュな印象がある「ステンレスキッチン」。
サビにくく比較的お手入れが簡単なことから幅広い年代に人気があるキッチン設備です。
この記事では、ステンレスキッチンの特徴やメリット・デメリット、日々のお掃除のコツを紹介します。
目次
ステンレスキッチンとは
「ステンレスキッチン」とは、その名の通りステンレスでつくられたキッチンのことです。
シンクやワークトップ(天板)だけではなく、キャビネットや収納などすべての部分がステンレスでつくられたキッチンは「オールステンレスキッチン」と呼びます。
そもそもキッチン素材には、ステンレスのほかにも人工大理石やタイル、セラミックなどさまざまな種類があります。
ステンレスは、耐久性に優れていて汚れにくい点が特徴です。
そのため賃貸物件のキッチンなどにもよく使用されています。導入費用の相場は約40〜150万円。
ワークトップの加工やステンレスの種類などによっても大きく費用が異なります。
ステンレスキッチンのワークトップ加工には「ヘアライン」「バイブレーション」「エンボス」といった種類があります。
それぞれにメリットやデメリットがあるため、選ぶときには見た目以外の性能にも目を向けて慎重に選びましょう。
ステンレスキッチンのメリット
次にステンレスキッチンにするメリットを3つ紹介します。
汚れやサビに強くて衛生的!機能性バツグン
ステンレスは汚れやニオイが付着しにくいため、”常に清潔な環境を保てる”点が魅力です。
主成分は鉄ですがサビに強く、一定期間掃除をサボっても比較的キレイな水回りを維持しやすいのが特徴です。
ステンレス素材は、医療現場でも用いられるほど衛生面に配慮された素材。
キッチンは食べ物を扱う場所ですので、衛生的な環境は必要不可欠といえます。
長期間キレイな状態をキープできる点は嬉しいポイントですね。
スタイリッシュなインテリアになじむシンプルな見た目
ステンレスキッチンはシンプルな見た目から、スタイリッシュなインテリアとの相性が抜群。
どのようなインテリアにも合わせやすく、雰囲気を損ないにくいのも魅力の一つです。
外面の光沢感は洗練されたクールな印象を与えるので、高級感のある見た目にこだわりたい人にもおすすめです。
耐久性が高く長年にわたって使える
ステンレスは耐久性の高さにも定評があります。
メンテナンスや掃除の手間が少なくて済むので、ほかのキッチン素材と比べて長持ちしやすいのがメリットです。
耐久性の高さの秘密は、ステンレスの表面に薄く貼られている「不動態被膜」。
不動態皮膜とは、傷がついたら自己修復する特性を持つ膜のこと。
よほどの深い傷ではない限り、ほとんど見た目が悪化しないのもポイントです。
ステンレスキッチンのデメリット
高性能なステンレスキッチンですが、良い面ばかりではありません。
ここからはステンレスキッチンのデメリットについて解説します。
鍋などについたサビが移ることがある
ステンレスは基本的にサビにくい素材です。
しかし絶対にサビないわけではありません。
底がサビ付いている鍋やフライパンを置いて長時間放置していると、サビがステンレスに移ってしまうことがあります。
これは、いわゆる「もらいサビ」です。
また濡れたスチール缶や、塩分を含んでいる汚れの上にお皿などを乗せて長時間放置していると、劣化が早まりサビてしまいます。
「ステンレスはサビにくいから大丈夫」などと安心しているのではなく、もらいサビなどをしないように注意しておきましょう。
もしもサビてしまったら、市販のクレンザーなどを使用して早めに掃除しておくことをおすすめします。
暖かみのある雰囲気には合わないことも
ステンレスキッチンはスタイリッシュでシンプルな見た目のため、基本的にはどのような部屋にも合わせやすい点がメリットと紹介しました。
しかし木材を基調としたような温かみのある雰囲気には合わないこともあります。
とくにオールステンレスキッチンの場合は、ステンレスを使用している範囲が広いため暗く冷たい印象を強く感じる人も多いでしょう。
キッチンだけが浮いてしまわないように、部屋の雰囲気との相性も考えながら選ぶことが重要です。
長年の使用で光沢感が失われる
ステンレスキッチンを使い始めた頃は、美しい光沢感にうっとりする人も多いかもしれません。
前述のとおり、ステンレスの光沢感は洗練されていてクールな印象を与えます。
しかし、この光沢感も長年使用していれば失われてしまうのです。
劣化の原因は洗い物・調理時に発生する水や塩分。一生懸命に掃除をしていても、経年劣化は避けられないことを覚えておきましょう。
光沢感をできるだけ維持したい人は、表面が傷つきにくいように加工してあるステンレスキッチンを選ぶのがおすすめです。
ステンレスキッチンをよりおしゃれにする3つのアイデア
続いては、ステンレスキッチンをおしゃれにするアイデアを3つ紹介します。
ステンレスキッチンへのリフォームを検討している人は、ぜひインテリアのコツを参考にしてください。
キッチンボードやカウンターは木×金属がおしゃれ
ステンレスキッチンをもっとおしゃれにしたい人は、食器などを収納するキッチンボードや、ダイニングとの仕切りに使うカウンターを木材で仕上げるのがおすすめ。
ステンレスの無機質な印象が木材によって少し柔らかくなります。
木材の色にもよりますが、色が濃い木を使用する場合には黒いステンレスと組み合わせると、おしゃれなカフェ風キッチンを楽しめるでしょう。
「ステンレスキッチンの無機質な感じは苦手…でも機能性には惹かれる」と悩んでいる人にもおすすめです。
カラーを統一するなら深いトーンがオススメ
キッチン全体のカラーを統一したい場合には、濃いブラウンなどの深いトーンを使うのがおすすめ。
なぜならステンレスキッチンの輝かしい光沢感を、深いトーンの色が落ち着きのある上品な光沢感へと変えてくれるからです。
黒系の色で統一すれば、無機質な印象を抑えつつクールな雰囲気を演出することが可能。
派手すぎず、だけど上品に輝くステンレスキッチンにしたいときには有効です。
ペンダントライトでシックな雰囲気に
天井からコードやチェーンなどで照明を吊り下げ、目線に近い位置で手元を照らす「ペンダントライト」。
ステンレスキッチンとペンダントライトを組み合わせれば、シックな雰囲気を楽しめます。
ダイニングのペンダントライトと合わせてコーディネートしたり、複数のペンダントライトを並べて色や高さを変えたりと、自由度の高いデザインを楽しめるようになります。
ステンレスキッチンを掃除するときのコツは?
最後にステンレスキッチンを掃除するときのコツを3つ紹介します。
ステンレスキッチンをキレイに維持するために覚えておきましょう。
「もらいサビ」には重曹や漂白剤を活用
もらいサビが発生してしまったときは「重曹」を活用しましょう。
- 中性洗剤などで全体をキレイに掃除します。
これはどこがサビているのかを把握するための工程。 - 中性洗剤をキレイに洗い流しサビの部分が確認できたら、サビに粉の重曹を乗せましょう。
- メラミンスポンジなどの研磨力があるスポンジで擦ります。
- 最後にすべてキレイに洗い流しましょう。
この方法で落ちないような頑固なサビだった場合には、衣類用の漂白剤「ハイドロハイター」などの還元型漂白剤を使います。
重曹と同じ方法で簡単にサビを落とせます。
このとき「キッチンハイター」などの塩素系漂白剤は使用しないでください。
塩素系漂白剤はステンレスの表面に貼られている不動態皮膜を破壊してしまい、ステンレスを傷める原因となります。覚えておきましょう。
クエン酸ならガンコな水垢も落ちる
水垢汚れが気になる場合には「クエン酸」を使いましょう。
水垢とは、水道水の成分であるマグネシウムやカルシウムが乾燥して固まったもの。
日頃からどんなに掃除をしていても発生しやすいキッチン汚れです。
クエン酸なら、頑固な水垢も柔らかく溶かしてくれるため簡単に掃除できます。
- 「クエン酸小さじ2分の1」と「10mlの水」を調合してクエン酸スプレーを作る。
- クエン酸スプレーを水垢に吹きかける。
- 吹きかけた場所にラップを敷いて数分間放置。
- キレイに拭き取れば、ピカピカなステンレスが蘇ります。
ワークトップは毎日の水拭きで汚れの蓄積を防止
水はね・油飛びが気になるワークトップは、できるだけ毎日の水拭きで汚れの蓄積を防止しましょう。
これがステンレスキッチンをキレイに保つ秘訣です。
またシンクの中も、1日の終わりには水気を拭き取っておくと水垢防止になります。
毎日ストレスにならない程度で継続できれば、少しの手間で常にキレイなシンク周りを維持することができます。
おしゃれなステンレスキッチンで毎日の料理を楽しもう
今回は衛生的で機能性も抜群なステンレスキッチンについて紹介しました。
ステンレスキッチンは汚れやニオイが付着しにくく衛生的で、サビに強い特性があります。
ただし、絶対にサビないわけではないので、もらいサビなどに注意しながら使用するのがおすすめです。
メリット・デメリットをしっかりと理解して、おしゃれなステンレスキッチンを選ぶ参考にしてみてください。