「部屋干し」と聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか?
「乾きにくそう」「ニオイが気になる」「干す場所がない」など、デメリットが強いのではないでしょうか。
実は部屋干しはいくつかの注意点を守れば、忙しい現代人や共働き夫婦にとってメリットがとても多い洗濯方法なのです。
ここでは、部屋干しのメリット・デメリットや、快適な部屋干しライフにつながるテクニックを解説していきます。
目次
部屋干しのメリットとは?
部屋干しには、主に5つのメリットがあります。
まずはひとつずつ確認してみましょう。
花粉・黄砂・アレルギー物質がつかない
花粉は真冬を除けばほぼ年中飛んでいます。
スギ:2~4月 ヒノキ:3~5月 ブタクサ:8~10月 イネ:4~11月
さらに黄砂やPM2.5などのアレルギー物質も春先に飛散する傾向があります。
よって外干ししていると、必然的にアレルギー物質を部屋に取り込んでしまうことになるのです。
せっかく洗濯したのに、洋服を着る前に汚れてしまうのは元も子もないですよね。
部屋干しならキレイに洗濯した衣類を、屋外からやってくるアレルギー物質から避けることができるのです。
衣類の変色やダメージを減らせる
外干しをすることにより、変色やダメージで大切な衣類の寿命を縮めてしまう原因になります。
この原因は2点あります。
1つ目は紫外線による変色。
2つ目は汗に含まれる成分が衣類の顔料に含まれるわずかな触媒と化学反応を起こし、衣類が変色するパターンです。
どちらの場合も、長い間衣類を太陽光にさらすことによって起こるもの。
もちろん、おしゃれ着などデリケート素材の衣類も部屋干しすることがおすすめです。
盗難防止・プライバシーが保たれる
仕事で夜遅くまで洗濯物を出しっぱなしにしていることはありませんか?
洗濯物の外干しは、外部から不在であると認知され、盗難や放火の被害を受けるリスクが高まることもあります。
特に女性の一人暮らしだと、下着泥棒や変質者のターゲットになる危険性があり、プライバシーが丸見えになってしまう可能性もあります。
部屋干しにすることで、それらのリスクを回避することができます。
天気や時間を気にせず好きなタイミングで洗濯できる
忙しい現代人にとって、好きなタイミングで家事ができることはプラスですよね。
部屋干しなら、天気や時間にとらわれず洗濯できます。
例えば共働き家庭。
朝は身支度や朝食で慌ただしく、洗濯にかける時間がもったいないと感じることはありませんか。
また、せっかく洗濯物を干せても、突然の悪天候で濡れてしまったり、夜遅く帰ってきて取り込むと、洗濯物が夜風に当たって冷えている…なんてことも。
部屋干しなら自分のタイミングで洗濯・乾燥できるので、天気の心配もいりません。
加湿ができる
部屋干しは、乾燥しやすい季節なら加湿器を稼働させなくても部屋の湿度を上げてくれるメリットがあります。
さらに、洗濯物がパリッと気持ちよく乾く効果もあります。
ジメジメした梅雨の時期では考えられないことでも、季節を変えると部屋干しはメリットに変わります。
部屋干しのデメリット
もちろん、部屋干しにはデメリットも存在します。
部屋干しをするなら覚えておきたい3つのデメリットについて確認しておきましょう。
乾きにくい
乾きにくさのメカニズムは、部屋干しの空間と、衣類から空気中に発せられる水分量によって決まります。
乾きにくい条件が整ってしまうと、嫌な臭いが衣服や部屋に充満したり、洗濯物が長時間乾かなくなったりしてしまうでしょう。
ニオイが気になる
ニオイの1番原因は衣類に繁殖している菌。
菌は衣類に残った皮脂汚れが大好物です。
菌の活発な活動で繁殖し、それにより発生した代謝物がニオイのもととなっています。
洗濯物が乾く時間が長ければ長いほど菌が増殖し、嫌なニオイが発生しやすくなります。
干すスペースが限られている
部屋干しがデメリットと感じる理由は、干すスペースが確保できない場合もあります。
生活空間に洗濯物があるとストレスを感じたり、居住空間の導線を塞がないといけないので生活の不便さもあるでしょう。
上手に部屋干しを行う5つのテクニック
部屋干しのイメージは良くない人も多いでしょう。
しかしデメリットさえ解消すれば部屋干しは可能と考えられないでしょうか?
以下はデメリットを解消して部屋干しのメリットをつかむためのテクニックをご紹介します。
(1)干し方
乾きにくさ、ニオイのデメリットを解消するコツは干し方にあります。
ポイントは濡れた洗濯物同士を、間隔をあけて干すこと。
例えば以下の例を参考にしてみてください。
- 中央に短い衣類、外側には長い衣類を吊るす「アーチ干し」
- 厚手のズボンなどは裏返して、ポケットを表に筒状に干す
- 長い衣類はハンガーを複数使用
- ハンガー同士の間隔は少なくともこぶし1つ分はあけて干す
(2)風通しをよくする
風通しをよくすることは乾く時間を短くでき、デメリットである乾きにくさ、ニオイの原因を解消できます。
部屋の風通しが悪いときは、空気の流れを作るよう下記のポイントを意識してみてください。
- 部屋の窓を2ヶ所以上開けておく
- 家電の力を借り
サーキュレーター、扇風機、除湿機、浴室乾燥機など
(3)部屋干しする環境を整える
部屋干しするには壁際や窓際、カーテンレールに引っ掛けて干すことはオススメできません。
なぜならば空気がこもる場所であり、カーテンの汚れが洗濯物に付着することがあるからです。
環境を整えるためには、部屋の用途に合ったコンパクトな部屋干しグッズを選ぶことが重要。
以下がオススメグッズの例です。
- 簡単に折りたためる洗濯干し(折りたたみタイプ、突っ張るタイプ)
- 物干しポール(軽量なもの)
- 物干しワイヤー
- エアコンハンガー
その他、来客時や見た目が気になる場合は、浴室や洗面所を活用するのもよいでしょう。
場所が狭くてもワイヤータイプの物干し、エアコンハンガーは取り付けも簡単なので積極的に活用してみてください。
(4)洗う頻度を増やす
1回の洗濯物の量を減らし、何日かに分けて洗濯することもポイント。
また洗濯物の保管は通気性の良いかごを使用することが鉄則です。
なぜならば洗濯機に洗濯物を入れたままにすると、雑菌が増える原因になるから。
洗濯の頻度を増やし、洗濯が完了したらすぐに干すことを心がけましょう。
(5)部屋干し用洗剤を使用
部屋干しはグッズを活用するだけではなく、部屋干し用洗剤を使用することも念頭にいれましょう。
理由は2つあります。
1つ目は通常の洗剤に比べて部屋干し用洗剤は、除菌効果が4倍以上あるといわれているから。
通常の洗剤は外干し用として作られています。
殺菌は日光ですることを前提に作られているため、除菌・殺菌効果は部屋干し用に比べると少ないといえるでしょう。
2つ目は、天日干し、部屋干しどちらとしても使用できるので優秀だからです。
どちらの場合でも使えるのはコスパも良いので家計にも安心ですね。
メリットしかない部屋干しは、令和の新常識!
デメリットしかないように感じる部屋干し。
しかしデメリットを解消するテクニックさえおさえておけば、部屋干しにはメリットしかありません。
今の時代のライフスタイルや環境にも適しているといえるのではないでしょうか。
近年の住宅事情では家事の効率化を計るため、「脱ぐ・洗う・干す・しまう・使う」を最短で行えるランドリースペースが必須の傾向にあります。
部屋干しを上手に取り入れて、快適にお洗濯をこなしていきましょう。