伝統的なスタイルで家具作りを続けてきた、デンマークの名門家具ブランド「フレデリシア」。
多くの実力派家具デザイナーの作品を商品化し、北欧家具業界を牽引する存在となりました。
素材からこだわり抜かれた上質な家具たちは、北欧ならではの簡潔なデザインと優れた機能性を兼ね備えており、今もなお世界中で愛されています。
この記事では、フレデリシアの魅力や特徴を紹介します。
目次
時代の流れに伴い新しい “ 名品 “ を生み出す「フレデリシア」
フレデリシアは、1955年にデンマークで誕生したブランドです。
前身ブランドであった「フレデリシア・ストールファブリック」は1911年より続くチェアメーカーで、当時は赤字経営で困窮していました。
しかし初代社長であるアンドレアス・グラバーセンは赤字経営を復活させ、多くの有名デザイナーとのコラボレーションにより数々の名作家具を開発。
素材からこだわって作られた多くのチェアやテーブルは、モダンなデザインの美しさもさることながら、優れた機能性で日常生活をサポートします。
そんな伝統技術と現代のニーズを融合させた上質なコレクションは、世界中で信頼されるようになりました。
フレデリシアのコンセプトとこだわり
フレデリシアでは、アートのように美しいデザインの家具コレクションを多く展開していますが、それ以上にこだわっているのは「家具の品質」。
日常生活を快適にする家具をコンセプトに、高いデザイン性と機能性を兼ね備えた家具作りを追求しています。
価値のある美術品のように高尚な存在であるよりも、生活の中にある癒しや団欒の時間を快適に彩るスタイルを優先したいとグラバーセンは考えていました。
そんな品質重視の理念は現在まで受け継がれ、フレデリシアの家具の品質は世界中で認められています。
歴史ある椅子メーカーを銀行が買収したことではじまったブランド
フレデリシアは、1955年に当時弱冠30歳だったグラバーセンが銀行から抜擢され、「フレデリシア・ストールファブリック」を買収したことで誕生したブランドです。
フレデリシア・ストールファブリックは当時、アンティーク家具を中心に製造を行っていましたが、第2次世界大戦後に訪れたモダンデザインのブームにより、経営が難航していました。
そこでグラバーセンはフレデリシア初代社長として会社の製品製造を中心に改革を起こし、黒字経営まで復活させることに成功しました。
その過程で、当時はまだ若手であったボーエ・モーエンセンをデザイナーとして起用し、素晴らしい家具のコレクションを世に生み出したのです。
フレデリシアは1970年代にかけてモーエンセンの作品を数多く製品化し、発表しました。
モーエンセンの名作コレクションを見事に完成させ、名だたる名門北欧家具ブランドの仲間入りを果たします。
さらに伝統技術と現代ニーズの融合にこだわっているフレデリシアは、ガム・フラテシやアルフレッド・ハベリなどの若手デザイナーとのコラボレーションも意欲的に実施。
現在も上質でタイムレスな名作家具の開発に取り組み続けています。
日常的に使用できるモダンなデザインが魅力
フレデリシアの家具は、美術品のような洗練された美しさをもちながら、日常生活によく馴染む使い勝手も実現しているのが特徴です。
大衆を意識して作られたデザインは、暮らしのなかで愛用できるようにこだわり抜かれています。
とくに庶民の味方といわれたモーエンセンは、リーズナブルな価格と高い品質にこだわり、常に使い手の理想を優先した家具作りを追求していました。
そのエッセンスはフレデリシアに大きな影響を与え、フレデリシアはモダンな美しさと大衆視点を取り入れた家具作りのスタイルを確立したのです。
フレデリシア商品シリーズ・コレクションを紹介
ここからは、フレデリシアの名作コレクションを詳しく紹介していきます。
ダイニングによく馴染む「チェア」
厳選された上質な天然木を使ったチェアシリーズは、シンプルで穏やかなデザインから、躍動感のある大胆なデザインまで揃っています。
どのモデルも近代的な佇まいと使いやすさを重視しており、ダイニングによく馴染むのが魅力です。
加えて、キャンバス生地や皮革を採用した心地良い座面や体にフィットする曲線のフレームは、室内を優雅に演出します。
部屋を優しい雰囲気へと変貌させる「テーブル」
温かみのある天然木を全面に使用したテーブルシリーズは、設置空間を優しい雰囲気に演出します。
天然木ならではの心地良い抜け感と肌触りは、くつろげるダイニングやリビングを作るのに最適です。
円形天板や丸みのある脚部分は圧迫感がないため、幅広い間取りの空間やコーディネートに組み込めます。
おしゃれなインテリアになる「アクセサリー」
アクセントとなって室内をおしゃれに演出するアクセサリーシリーズは、ミラーや花瓶、オブジェなどが揃っています。
壁や卓上、部屋の一角に配置するだけで、室内の雰囲気を引き締める上品な雰囲気をもっているのが魅力です。
モダンな佇まいは他シリーズの家具との親和性が高いため、合わせて設置するのも良いでしょう。
厳選したおすすめのフレデリシア商品6選
ここからは、フレデリシアの商品のなかでもとくにおすすめの製品を6つ紹介していきます。
どの家具も時代に囚われないデザインと機能性を実現しており、世代を超えて愛用できるのが魅力です。
デンマークベストセラーのモーエンセン代表作チェア「J39」
無駄を削ぎ落としシンプルな機能美を追求した「J39(シェーカーチェア)」は、モーエンセンが試行錯誤を重ねて完成させた名作チェアです。
どんなインテリアや室内の雰囲気にも馴染む素朴なデザインと、程良く沈むロープ製の座面は多くの庶民に愛されていることから別名“ピープルズチェア=みんなの椅子”と呼ばれています。
素材には良質なオークやウォールナットを採用しており、耐久性抜群です。
使うほどに愛着の湧く「スパニッシュチェア」
モーエンセンにより1958年にデザインされたスパニッシュチェアは、重厚感と温かみのある佇まいが特徴。
スペインの貴族が使っていた1枚革の木製チェアをモデルに製作されました。
幅広いアームと座面は安定感に優れ、座り心地が抜群です。
さらにレザー製の座面はベルトが付いており、経年変化による伸びも調整可能。
長く快適に愛用できます。
多数のデザイン賞に輝いた「トリニダードチェア」
1993年に、デザイナーの「ナナ・ディッツェル」によって設計されたトリニダードチェアは、ドバゴ島に伝わるヴィクトリア様式から着想を得て作られました。
当時の最新技術であったCNC旋盤技術を応用し、ヴィクトリア様式の透かし彫りをモダンなテイストに落とし込んだデザインは、ミラノトリエンナーレをはじめとする多くのデザイン賞を獲得。
アートのような美しさとフィット感を両立したフォルムは、世界中で評価されました。
優しいデザインかつシンプルな構造の「SOBORG」
モーエンセンにより1950年にデザインされた「ソボーチェア」は、随所に曲線を取り入れた優しいフォルムが魅力。
美しい木目が相まって、室内を穏やかに演出します。
無駄のない近代的なフォルムは幅広いインテリアとの親和性が高く、さまざまな空間に取り入れられるのも特徴です。
背もたれと座面の滑らかな曲線は体にフィットし、快適な座り心地も実現しています。
心地よい揺れでリラックスできる「J16」
モーエンセンと、同じく家具デザイナーの「ハンス・J・ウェグナー」が共同で製作したといわれているJ16は、ロッキングチェア構造で心地良い揺れを実現。
スリムな線でモダンにまとめられているデザインは、柔らかな曲線を取り入れているため体のフィット感も抜群です。
また前方が外側に開いた独自のフォルムは、当時妊婦だったウェグナーの妻・インガ夫人が座りやすいように設計されました。
さらにゆりかごとしても使用可能で、母子の生活を快適にサポートします。
丈夫なファブリックで体をしっかり支える「キャンバスチェア」
シンプルでしなやかな無垢材のフレームと、丈夫なファブリックを採用した背面・座面からなるキャンバスチェアは、安定感のある座り心地を実現。
どっしりとした重厚感のあるフォルムは、室内をシックで落ち着きのある雰囲気に演出します。
快適な姿勢をキープしやすいため、ダイニングやリビングなどのくつろぎの空間に設置するのがおすすめです。
フレデリシアで数々の名作家具を揃えよう
今回は、時代にとらわれないモダンなデザインと日常的に使える機能性をもつ家具にこだわったブランド・フレデリシアを紹介しました。
北欧ならではの無駄のない簡潔なデザインやフォルムは、タイムレスな佇まいで室内を彩ります。
さらに素材からこだわり抜かれた名作コレクションたちは、美しいだけでなく使い心地も抜群。
丈夫なため世代を超えて愛用できる一生ものの家具たちです。