家にどんな窓を付けるかによって、外観のイメージや部屋のなかで感じる印象は大きく変わります。
窓一つとってもその種類はさまざまで、なかでも開放感があり西洋のおしゃれな雰囲気を再現できる「出窓」は根強い人気を集めています。
「マイホームには広々とした出窓を取り付けたい」と出窓に憧れている人も少なくないでしょう。
この記事では「出窓とはそもそもどんなもの?」といった基本的な内容から、出窓の主な種類、出窓を設置するメリット・デメリットなどを紹介します。
記事後半では出窓を設置するときに押さえておきたい注意点についても解説していきますので、出窓をご検討の人はぜひ参考にしてください。
目次
出窓って何?その種類をまとめて紹介
出窓とは、外から見たときに壁から飛び出たような造りになっている窓のことです。
出窓はおもに西洋で用いられてきた伝統的な建築様式の一つであり、出窓を設置することで海外のおしゃれな雰囲気を演出できます。
また出窓部分を家の中から見たときには、窓の手前にスペースができることになります。その部分に観葉植物を置いたり収納棚を設置したりと、工夫次第でいろいろな使い方ができるのも出窓のメリットでしょう。
一口に出窓といっても、その形状やデザインはさまざま。ここでは、代表的な5種類の出窓について紹介していきます。
台形出窓(角型出窓)
「台形出窓(角型出窓)」とは、外に出ている窓の形状が台形もしくは角型になっている出窓のことです。和風・洋風どちらの住宅にも合わせやすい、もっともスタンダードな出窓といえるでしょう。
窓の面数は、正面と左右の計3面となります。
弓形出窓(ボウウインドー)
「弓形出窓」はボウウインドーとも呼ばれ、半円形の曲線状に張り出した出窓をいいます。高いデザイン性が特徴で、とくに洋風の住宅に採用されやすい出窓です。
窓の面数は4面もしくは6面が一般的であり、面数が多いほどきれいなアーチ状に仕上がります。
三角出窓
「三角出窓」とは、外に出ている部分が三角形に張り出した出窓のことです。三角出窓は最低限のスペースで設置可能であり、廊下や洗面所、踊り場などによくみられます。
こういった一般的な窓は取り付けられないような小さなスペースに三角出窓を用いることで、採光を確保できたりインテリア性を高めたりできるでしょう。
トップライト出窓
「トップライト出窓」とは、出窓の屋根部分にガラスをはめた出窓のことです。トップライト出窓は天窓と同じような使い方ができる出窓で、採光を確保しやすい点が特徴です。
「家のなかから星空を眺めたい」と考える人にもぴったりでしょう。
ハーフ出窓
「ハーフ出窓」とは、張り出す部分を浅くした出窓のことです。手が届きにくい高所や、キッチンの奥など、大きな出窓を設置するのが難しい場所で用いられます。
一般的な窓にデザイン性を追加したいときに選ぶとよいでしょう。
出窓のメリット
出窓を設置することでどんなメリットがあるのでしょうか?
出窓を使う5つのメリットをみていきましょう。
部屋の中がより明るくなる
出窓を選ぶことで部屋の中がより明るくなります。窓が外壁から出っ張っている分、庇(ひさし)の影響を受けにくく、部屋に採り入れられる光の量が増えるからです。
部屋が日差しの弱い方角にある場合や、隣の家との距離が近い場合にも日光を採り込みやすいでしょう。ガラスの面数が多い出窓であれば、その採光性はより一層向上します。
空間が少し広く感じる
奥行きのある出窓は開放感を感じやすく、空間が少し広く感じられるメリットもあります。
出窓は通常の窓に比べて、外の景色が広い角度で視界に入ります。窓の外に視界を遮るものがなければ、広々とした気持ち良い景色を楽しめるでしょう。
インテリアを考えるときに、限りあるスペースのなかで「どうすれば部屋を広々とした印象にできるのか」と悩む人は少なくありません。
出窓の設置は、そんな悩みを根本から解決するおすすめの方法です。
観葉植物や置物を飾って楽しめる
出窓の手前のスペースには観葉植物や置物を飾ることで、部屋のインテリア性をぐっと高められます。とくに出窓の床板の上は日当たりがよく、植物を育てるのに最適な場所です。
観葉植物を床板の上に並べたりハンギングバスケットで吊るしたりして、部屋をおしゃれに演出していきましょう。 関連記事:観葉植物
収納として活用できる
出窓の手前のスペースは収納としても活用できます。たとえば書類ケースや小物入れなどを使って、リビングで散らかりがちな雑誌やアクセサリーを「見せる収納」として並べてもよいでしょう。
またキッチンシンクの奥にある出窓なら、調味料やマグカップなどを置いておくのにちょうどよい収納場所となります。
このように出窓を収納として活用したい場合は、三角出窓やハーフ出窓よりも、床板の面積が広い台形出窓などがおすすめです。
ちょっとした休憩スペースにもなる
出窓は「ちょっとした休憩スペース」にもなります。出窓部分にベンチを設けて、コーヒーを飲んだり本を読んだりする場所として活用するのも素敵です。
少し窓を開けてそよ風を取り込みながら、広々とした景色を眺められるくつろぎの場として使ってみるのも良さそうですね。
出窓のデメリット
出窓には数々のメリットがある一方で、いくつかのマイナス面も。
ここでは、出窓のデメリットを2つ紹介します。
結露が発生しやすい
まずは結露が発生しやすい点が挙げられるでしょう。窓の手前のスペース部分には熱気や冷気がこもりやすく、室内と出窓との間に温度差が生じることから結露の発生につながります。
結露をそのまま放置していれば、出窓部分を傷める原因にもなってしまいます。
結露はなるべく早く拭き取る、こまめに換気をするなどの対策を行いましょう。
部屋の温度が上がりやすい
出窓によって部屋の温度が上がりやすくなる点にも注意が必要です。日光を採り入れやすいのが出窓のメリットですが、裏を返せば、夏場は温度が上がりすぎてしまうデメリットがあります。
あまりに直射日光が強すぎると、置物が色あせてしまうこともあるでしょう。後付け可能な長めの庇(ひさし)を活用するなどして、適度に日光を採り入れるようにしましょう。
出窓を設置する時の注意点
最後に、出窓を設置するときの注意点を3つ紹介します。
結露が発生しやすい北側の出窓を避ける
出窓を設置するときは、結露が発生しやすい北側の部屋は避けるのをおすすめします。北側の部屋は日差しが弱いことから冬場はとくに気温が下がりやすく、暖房を使う機会が多くなります。
そうすると室内と室外の温度差が非常に大きくなってしまい、その温度差によって結露が発生してしまうのです。
結露は木を腐食させて家を痛める原因にもなりますので、なるべく北側の出窓は避けておくのが無難です。
カーテンレールの位置
出窓は壁から飛び出たような造りになっていますので、カーテンレールについても出窓のラインに合ったものを選ばなければいけません。
新築であれば設計の段階で、中古や賃貸の場合は専門業者にオーダーメイドで作ってもらうのが一般的です。
カーテンレールが緊急で必要なときは、自分で設置可能な商品もありますのでそちらを使うとよいでしょう。
近隣建物との距離
近隣建物との距離についても十分に注意しておく必要があるでしょう。
民法では、建物は「隣地境界線から50cm以上離さなければならない」ことが定められています。
民法上問題ない距離であったとしても、設置後に不便を感じるようなことがないか事前に確認しておきましょう。
憧れの出窓で理想の部屋を叶えよう
今回は家全体をおしゃれな雰囲気に変える出窓について、主な種類や設置のポイント・注意点などを紹介しました。
本記事でも説明したように出窓にはさまざまな形状がありますので、「出窓を取り付けるような広いスペースがない」と諦める必要はありません。
家を新しく建てるときやリフォームのときには、ぜひ出窓の取り付けも検討してみてください。