古い住宅にある和室をおしゃれにしたいと考える方が、洋室にせず、和室のままおしゃれにリノベーションする事例が増えています。
和室の良さを残しつつ、おしゃれにするスタイルとして注目されているのが「和モダン」と「ジャパンディ」です。
この記事では、古くなった和室を「和モダン」や「ジャパンディ」を取り入れてリノベーションする際のポイントや事例を紹介します。
和室を上手に使いこなすためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
和室を「和テイスト」でリノベーションする理由
近年、おうち時間を大切にすることや、シンプルでていねいな暮らしを望む人が増えたことによって、和室の良さが見直されています。
また海外では、日本の伝統的な暮らしやインテリアスタイルが評価され、おしゃれな「ジャパンディ」が流行中です。
このように「和室」や「和テイスト」は古くさいものではなく、新しいインテリアスタイルとして認知されつつあります。
そのため、和室を活かしたリノベーションができれば、他にはないオリジナルの間取りができます。
和室を「和モダン」に変えるポイント
「和モダン」とは、日本的な和テイストをメインにした空間に、現代的なデザインを加えたインテリアスタイルを指します。
和室の要素を多く残してリノベーションする場合、スタイリッシュな空間を目指すことも可能です。
ここでは、和室を「和モダン」に変える4つのポイントを紹介します。
壁の質感にこだわる
和室を和モダンに変える際の壁の色は、古い和室に多いベージュや薄いグリーンを避け、ホワイトやオフホワイト、薄いグレーなどがおすすめです。
また、砂壁や漆喰で仕上げる壁はアクセントとしてもおしゃれです。
他にも、障子や格子戸などインパクトのあるアイテムを採用すると、空間が締まって見えます。
その場合は、空間全体の和と洋のバランスに気をつけて取り入れるようにしましょう。
間接照明を取り入れる
古いタイプの和室にならないよう、間接照明を取り入れるのもおすすめです。
壁や天井に埋め込むスポットライトや、和紙を使ったデザイン性のある照明を使って、雰囲気のある空間演出をしてみましょう。
やわらかく照らされる和の空間は、誰もがゆったりとくつろげる、お気に入りの場所になるでしょう。
畳のデザインにこだわる
床材に畳を使うと「和室」らしさが強調され、古さを感じることもあるでしょう。
そのため、畳のデザインにこだわると、一気にモダンな空間に変えられます。
近年の畳はデザインの種類が豊富で、琉球畳のようなフチなしのものや、薄いグレーやくすみブルーなどモダンな色合いの畳もあります。
素材もさまざまなタイプがあるので、予算や部屋の雰囲気に合わせて選択しましょう。
シックな配色を意識する
空間を和モダンにするためには、床・壁・天井・インテリアでシックな配色を意識すると良いでしょう。
木材のベージュやブラウンを基調として、オフホワイト・グレー・ブラックなどのモノトーンや、日本の伝統色にある赤茶、ブルーグレー、くすんだ抹茶色や紫色などもおすすめです。
使う色数を家具なども含めて3色までに抑えると、ミニマルな印象を与えるため、スタイリッシュに見えるでしょう。
和室を「ジャパンディ」に変えるポイント
「ジャパンディ」とは、北欧(スカンディナビア)スタイルに和(ジャパン)テイストの要素を加えたインテリアスタイルのことです。
和スタイルと北欧スタイルの共通点である「自然素材」や「飾りすぎない演出」を意識することで、落ち着いた空間をつくり出します。
ここでは、和室を「ジャパンディ」に変えるポイントを4つ、紹介します。
ナチュラルカラーで統一する
和室をジャパンディに変える際に特に意識したいのは、色の統一感です。
使う色は、ナチュラルカラーである植物や土の色に、モダンなモノトーンを加えるのがポイントです。
具体的にはモノトーンカラーのホワイト・オフホワイト・グレー・ブラックに、ナチュラルカラーであるベージュ・ブラウン・グリーン・オレンジを加えると良いでしょう。
明るい温もりのある色と、くすんで落ち着いた色を組み合わせると、シックな雰囲気を演出できます。
床や壁を天然素材にする
ジャパンディスタイルでは、床材や壁の素材に天然素材を使うと良いでしょう。
床材は無垢材のフローリングか畳がおすすめです。
壁材は、ナチュラルカラーのペイントや壁紙が一般的ですが、一部に木材を貼ったり、珪藻土を採用したりするとナチュラルで印象的な雰囲気に。
他にも、綿・麻・天然毛などを使ったファブリックや、木・籐・竹など自然素材を使っている家具を選択すると、北欧スタイルらしい雰囲気になるでしょう。
おしゃれな北欧家具を配置する
ジャパンディスタイルの和室には、おしゃれな北欧家具を配置しましょう。
無垢材が使われているシンプルなフォルムで、直線的なデザインのソファやテーブルがおすすめです。
そこに、照明やファブリックなどで、北欧らしいデザインを取り入れると、ジャパンディらしい空間となるでしょう。
格子や和紙を使う
和テイストをより強調するなら、格子や和紙を使ったインテリアがおすすめです。
例えば、照明の一つを和紙が使われたペンダントライトにしたり、竹製でできた格子のオブジェを飾ったりなど、和テイストをアクセントとして取り入れましょう。
ジャパンディの空間づくりでは、和の要素が強すぎないように調整しましょう。
和室をおしゃれにリノベーションした事例
ここでは、おしゃれに和室をリノベーションした事例を紹介します。
フローリングと茶系の畳を使って和モダンに
無垢材フローリングを使った広いリビングの中心部分を、フチなしで茶系の畳をコーディネートすると、床に座る生活スタイルでもスタイリッシュな空間に演出できます。
オフホワイトの壁の一面のみにブルーグレーアクセントクロスを採用し、天井に間接照明を入れることで、高級旅館のような落ち着いた雰囲気を作り出せます。
格子戸でジャパンディの茶室風空間
北欧家具を置いたリビングに隣接した和室の場合、細い細工の格子戸で囲む茶室風のジャパンディ空間演出はいかがでしょうか。
リビングも含めた壁と天井をすべて薄いブルーグレーに統一し、琉球畳の薄緑と、格子戸・家具・フローリングの茶系の色が響きあって、美しく静かな雰囲気を作り出しています。
プリーツスクリーンで光を取り入れたジャパンディの和室
和室に和紙のプリーツスクリーンを使うことで、柔らかい光を取り入れられ、おしゃれな演出ができます。
床の間にモダンな壁紙と間接照明を採用し、モダンなオブジェを飾ることで特別な空間にしています。壁と床材をオフホワイトにまとめ、和室とは思えないデザイン性のある雰囲気をつくり出しています。
和室のリノベーションでおしゃれな空間をつくり出そう
ここまで、古くなった和室を「和モダン」や「ジャパンディ」を取り入れてリノベーションする際のポイントや事例を紹介しました。
和室のリノベーションのポイントは、使う素材の種類や色を少なくし、統一感のある空間に仕上げることです。
今ある和室の良さを活かしてリノベーションできれば、他にはないこだわりの間取りがつくれます。モダンでおしゃれな雰囲気のある空間デザインを考えてみましょう。