注文住宅といえばファミリー向けをイメージする方もいるのではないでしょうか。
実は近年、価値観やライフスタイルの多様化により一人暮らし用のコンパクトな注文住宅が注目され始めています。
今回は、一人暮らし用の注文住宅の魅力やメリット、建てるポイントなどを解説します。
人生100年時代と言われているからこそ、自分らしいライフスタイルに合わせた住まいを検討する判断材料にしてくださいね!
目次
一人暮らし用の注文住宅が注目されている背景
一人暮らし用の注文住宅は、単身世帯と夫婦のみの世帯の増加、ライフスタイルの変化の影響により注目されています。
コンパクトな注文住宅なら「個」の生き方や多様化したライフスタイルに順応できる住まいが実現できるからです。
データで1986年と2020年の世帯割合を比較すると、夫婦のみは13.7%から20%へ、単独世帯は20.8%から38%へ増加しており、全体の半分が1〜2人世帯です。
単身世帯の内訳を年代別で見ると、女性は80代・70代・20代が半数を占めており、男性は50代・40代・30代の順に4割を占めています。
つまり、長い人生のうち男女問わず一人暮らしになる可能性が高くなると考えられます。
また、コロナ禍以降に注目されたデュアルライフも一人暮らし用の注文住宅に需要がある理由です。
コンパクトだからこそ別荘よりも敷居が低いため、気に入った土地に建てやすいといえます。
2つの背景により、一人暮らし用の注文住宅は老後の暮らしやすさや人生に彩りを添える目的など、汎用性が特徴です。
以下は一人暮らし用の注文住宅がおすすめである方の一例です。
- 独身の方
- 二人住まいの方
- 二拠点生活や別荘を検討している方
- 終の住処を考えている方
一人暮らし用の注文住宅を建てるメリット
現在1〜2人暮らしの方は、マンションやアパート暮らしの方も多いのではないでしょうか。
一人暮らし用の注文住宅ならメリットは5つあります。
今の暮らしと比較して検討する材料にしてくださいね。
自分好みの家にできる
注文住宅のメリットは、内装も外装も自分好みの家が作れることです。
多趣味の方にとっては、趣味を満喫できる内装にしたり好きなものに囲まれた暮らしができたりと、自分だけの城が完成します!
以下は注文住宅で作れる趣味の部屋を反映させた家の一例です。
- 自分だけのトレーニングルーム
- 集めたものを眺めるコレクションルーム
- 防音設備を備えたオーディオルーム
- 大きな本棚を兼ね備えた書斎
- キャンプ道具を収納するシュークローゼット
音のトラブルを避けられる
一人暮らし用のコンパクトな注文住宅だと隣家との距離も考慮して建てるため、騒音トラブルのリスクを避けられます。
共同住宅で上下階の足音が気になっている、大きな音で映画や音楽が聞けないなど音に関して気を使わなくてよいのもメリットだといえるでしょう。
ペットを気兼ねなく飼える
戸建てのメリットは、ペットと一緒に暮らせることです。
近年ペット可能のマンションが増えているとはいえ、ペットの過ごしやすさを考慮した住まいは少ないもの。
しかし注文住宅なら、庭で遊ばせたりキャットウォークを作ったりなどペットも飼い主も気持ちよく暮らせる家が作れます。
ライフスタイルの変化に対応しやすい
コンパクトで無駄がなく、可変性がある注文住宅にすれば同居やパートナーとの別れなど変化に対応できるメリットがあります。
さらに年齢の変化に合わせた家づくりをすれば老後も安心です。
資産になる
年数にもよりますが、賃貸に住み続けるよりもまとまった期間にローンを払う持ち家ならトータルコストが低い場合があり、最終的に資産になります。
賃貸物件は年を重ねるにつれて段差や設備に不便を感じることもあるでしょう。
また、賃貸を借りられる選択肢も狭まる傾向です。
しかし注文住宅なら、1〜2人で住み続けられて売却も可能。
人生の選択肢が広がります。
一人暮らし用の注文住宅を建てるポイント
注文住宅とマンションや建売との最大の違いは、ライフスタイルを基準に家づくりすることです。
一人暮らし用の注文住宅を建てるなら、以下4つのポイントをおさえれば暮らしやすい家が実現しますよ。
生活動線を考慮する
生活動線を考慮すれば快適な家が実現します。
注文住宅なら、洗濯室・物干しスペース・クローゼットを隣の配置にして洗濯動線をスムーズにできるなど、間取りは自由自在。
また、車利用が多い場合はカーポートと玄関を繋げれば雨の日も濡れずにすみます。
ライフスタイルに合わせた動線を考えれば、現在不便である点を解消できますよ。
防犯を強化する
コンパクトな注文住宅は一人暮らしだと認識されると不審者に目をつけられる可能性があります。
また、高齢になるとうっかり鍵を閉め忘れることもあるため、防犯面を強化した家にするのが望ましいといえます。
以下は防犯対策の一例です。
将来を見越した間取りや設備を考える
汎用性の高い注文住宅にするには、年齢の変化に対応できる間取りや設備を取り入れることが重要です。
例えば、引き戸を多用して部屋の目的を変えたり手すりを付ける場所をあらかじめ設けたりなど。
出会いや別れ、体の変化など、将来想定されることも考慮して間取りや設備を取り入れましょう。
価値が落ちにくい家づくりを心がける
資産価値が高い家づくりをすれば、売却や賃貸するなど選択肢が広がります。
万が一、一人暮らしができなくなる場合や住み替えざるを得ないケースに直面した場合、安心できる保険になります。
以下は、価値が落ちにくい家の一例です。
- 公共交通機関のアクセスがよい土地
- 断熱性や耐震性の高い家
- シンプルなデザインの外観や間取り
一人暮らし用の注文住宅はコンパクトな間取りが要!
一般的に、1〜2人で余裕を持って住むなら約55〜80平方メートルの広さが推奨されています。
この場合、1LDKか2LDKの間取りがおすすめ。
理由は「家事動線が短く、管理しやすい」「建築コストを抑えられる」という2点のメリットがあるからです。
また、一人暮らし用の場合は部屋数があっても使わない可能性があります。
以下はそれぞれの間取りの事例です。
平屋の家は、高齢でも住みやすい魅力があります。
階段がないため転倒の心配がなく、必要な設備がワンフロアにまとまっているのが特徴。
1LDKは、リビングダイニングに加えて寝室があるシンプルな間取りです。
水回りをまとめれば家事動線が短くすむので移動の負担がありません。
また、室内をすべて広めの引き戸にすれば、車椅子や介助者の移動もスムーズになります。
リビングの一角に小さい庭を設ければ、生活に彩りを加えた住まいになるのも注文住宅ならではです。
1〜2人で住む場合や多趣味の単身の方なら、2LDKの間取りだと余裕のある暮らしができます。
寝室と趣味を楽しむ部屋に分けたり、大きめのウォークインクローゼットを設けたりなど選択肢はさまざま。
また、在宅ワークの方ならば、仕事とプライベートを完全に住み分けた空間が実現します。
家事動線に回遊性をもたせれば行き止まりがなくなるので動線が短くなり、体に負担がかからない家づくりができます。
ライフプランの一つに一人暮らし用の注文住宅を検討しよう
ライフスタイルの多様化や寿命の変化により、一人暮らし用の注文住宅は近年注目されています。
単身世帯や二人暮らしの方はもちろん、二拠点生活や別荘を考えている方にとっても汎用性があるためおすすめです。
出会いや別れ、年齢の変化に対応できるコンパクトな住宅は、人生に彩りと安心感をもたらします。
ぜひ、ライフプランの一つに注文住宅を検討してみてはいかがでしょうか。