開放感があり、バスタイムを特別な時間にするバスコート。
新しく建てる家に、快適なバスコートをつくりたいと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、バスコートは一般住宅にはそれほど設置されていないため、「バスコートをつくるのは贅沢かも?」「どこにつくればいいか分からない」など、設置に迷う人もいるでしょう。
そこでこの記事では、バスコートのメリットやつくる際の注意点、間取りのアイデアを紹介していきます。
憧れのバスコートを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
バスコートとは?

バスコートとは、浴室からつながる屋外空間のことです。
外部からは見えないように壁で囲まれた空間にするため、浴室専用の中庭ともいえます。
浴室から庭を眺めたり、バスコートに出て涼んだり、リラックスすることを目的としてつくられます。
広い中庭をつくり、アウトドアリビングと兼用するタイプや、小さな坪庭を眺めるタイプなど、さまざまなスタイルで楽しめます。
バスコートをつくるメリット
バスタイムを充実させたいと考えている人にとって、バスコートはとても魅力的な空間です。
ここではバスコートをつくるメリットを紹介します。
自宅のお風呂で開放感が味わえる
バスコートの最大の魅力は、自宅のお風呂なのに、温泉宿やリゾートホテルに泊まっているような開放感が味わえることです。
バスコートがあると浴室から外の景色を眺められるのはもちろんのこと、裸のまま外に出られる空間が手に入ります。
物干しスペースとして使える
バスコートは外部から見えない中庭としても使えるため、日中は物干しスペースとして活用できます。
浴室の隣に洗濯機を設置している場合は、バスコートに移動しやすく、家事動線がスムーズです。
また、プライバシーを確保しながら布団や洗濯物を干せるので、不審者や盗難の心配も軽減されます。
そのため、隣家が近い住宅密集地に向いている間取りといえるでしょう。
アウトドアリビングとして活用できる
浴室とつなげるだけでなく、リビングやキッチンとつながるバスコートは、アウトドアリビングとしても活用できます。
アウトドア用のソファやテーブルを設置しておけば、バスタイムに外で涼みたいときにも、日中に家族と外ランチを楽しむときにも活用できます。

アウトドアリビングとして使う場合は、床材をウッドデッキにしたり、日よけ用のシェードを用意したりすると良いでしょう。
バスコートをつくる際の注意点
ここでは、快適なバスコートをつくる際の注意点を解説します。
周囲の視線をさえぎる
バスコートは、裸で外に出られる空間としてつくるため、周囲の視線をしっかりさえぎる設計が必要です。
隣家との距離や建物の高さ、斜線規制などによって、バスコートのサイズ、設置する場所を決定します。
隣家との間につくる場合に注意したいのは、壁の高さです。
隣家の2階から見えない高い壁をつくる、タープを使うなど、工夫が必要となるでしょう。
換気で結露を防ぐ
窓の水滴を放置しておくと結露の原因になるため、浴室の換気には注意しましょう。
バスコートのある浴室は、外の景色を楽しむために、大きな窓や透明なドアが設置されています。
大きな窓やドアがあると、外気の影響を受けやすく、結露ができやすくなります。
冬は外の気温と浴室の温度差が大きくなり湯気が立ちやすいため、壁に残った水滴から結露ができてしまいます。

結露を防ぐには、浴室を使う前に暖房で暖め、浴室を使った後はしっかり換気しましょう。
防水に気をつける
バスコートは基本的に屋根はなく、ダイレクトに雨風にさらされるため、防水対策に気をつけましょう。
1階に床材を敷いてつくるバスコートは、腐食しづらい資材を使ったり、排水管を設置したりすることをおすすめします。
2階の浴室で、ベランダやバルコニーをバスコートにする場合は、雨漏りしないための防水施工が必要です。
排水溝の掃除は定期的に行いましょう。
対応できないユニットバスもある
大きな窓や透明なドアを組み合わせて浴室からバスコートを眺める、といった仕様に対応していないユニットバスもあります。
高機能付きのユニットバスを設置したいと考える場合は、バスコートに対応できるかを確認しましょう。
例えば窓の大きさに制限があるなら、できるだけ横に長い窓を選択して、浴室から坪庭を眺めるタイプのバスコートにすることも可能です。
窓を開ければ、半屋外のお風呂としても楽しめます。
おしゃれなバスコートをつくる間取りアイデア
バスコートの設置は、1階でも2階でも可能です。
設置場所は家族のライフスタイルや、バスタイムへのこだわりによって選択すると良いでしょう。
ここでは、おしゃれなバスコートをつくるための、間取りアイデアを紹介します。
1階のエクステリアとつなげる
1階にバスコートをつくる際には、エクステリアとのつながりを意識しましょう。
植栽を選ぶ際には一年中葉がしげる常緑樹にしたり、複数の樹木を折り重なるように植えたりすれば目隠し効果が高まり、自然な雰囲気を楽しめるでしょう。
また、バスコートに使う目隠し用の塀の素材と、外構に使っている素材を合わせるなど、エクステリア全体のバランスを考慮して設計すると、デザイン性の高い外観を実現できます。
中庭のウッドデッキとつなげる

中庭につながるバスコートは、リビングと向かい合わせ、または隣り合わせの間取りにすると、活用範囲が広がります。
外部からの視線を気にせずに使える中庭は、アウトドアリビングとしてや、子どもやペットの安全な遊び場としても重宝します。
おしゃれな中庭にするには、リビングのフローリングとウッドデッキの色合いをそろえると良いでしょう。
さらに浴室の色味も、床材と同系色や色調を合わせると、違和感なくまとまります。

来客時に浴室を見せたくない場合は、ブラインドなどを設置しておくと、簡単に目隠しができます。
2階の小さなベランダとつなげる



2階に浴室を設置し、小さなベランダをバスコートにするだけでも、温泉地に来たような特別な時間を味わえます。
2階は1階に比べると視界が広く、プライバシーも確保しやすいため、手軽にバスコートを設置できます。
浴室からは、バスコートだけでなく外の景色や夜空が見えるように、窓の設置やサイズを工夫しましょう。
プランターに植えた植栽を置いたり、リクライニングチェアを設置したりすれば、バスタイムがさらに充実し、リラックスできるでしょう。
ルーフバルコニーとつなげる
ルーフバルコニーを浴室とつなげると、開放感のあるバスコートがつくれます。
ルーフバルコニーの壁でプライバシーをしっかり確保すれば、浴室の壁を全面ガラス張りにして、おしゃれなリゾートホテルのような雰囲気を演出できます。
植栽にライトアップするなど、ラグジュアリーな空間をつくって、バスタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
バスコートを設置してリラックス空間を楽しもう

ここまで、バスコートのメリットやつくる際の注意点、間取りのアイデアを紹介してきました。
バスコートは、1日の疲れをとる癒やしの空間であり、特別な気分を味わえる場所です。
プライバシー確保に注意して、新しい家にバスコートを取り入れて、暮らしを豊かにしましょう。
空を眺めてリラックスしたり、髪や肌のお手入れをしたり、静かに瞑想したりなど、バスコートでは贅沢な時間を味わえるでしょう。