新築・リフォームなどでキッチンを設計するときに気になるのが、ワークトップ(天板)の種類です。
耐久性に優れる素材から、デザイン重視のおしゃれな素材、コストを抑えたものまでさまざまな種類があるので、何を基準に選べば良いか迷ってしまう人も多いはず。
この記事では、キッチンのワークトップの種類やメリット・デメリット、選び方の基準について解説します。
目次
キッチンのワークトップとは?
ワークトップとは、キッチン設備の上に載っている天板のこと。
キッチン作業台・カウンタートップといった呼び名も存在します。
ワークトップの役割は、食材の調理・盛り付け・置き場などがあり、主に調理全般の作業に広く活用されるのが特徴です。
コンロ・シンク・キッチン収納といったキッチン設備は、基本的に選んだワークトップ天板に施工されることになります。
ワークトップの高さは何cmがベスト?
国内メーカーのシステムキッチンは、一般的に高さ85cmのワークトップを基準としています。
セミオーダータイプのキッチンであれば、5cm刻みで高さを変えることが可能。
またオーダーメイド設計の造作キッチンであれば、1mm〜1cm単位で細かく高さを設計することもできます。
自分に合ったワークトップの高さの目安は、「身長÷2+5cm」の式で簡単に割り出せます。
ただしワークトップの最適な高さは、身長・肘高・普段の調理環境などによっても異なるので、基準値を参考にしつつ、ショールームなどで実際に使用感を確かめることが大切です。
ワークトップにはどんな種類がある?定番の素材を紹介
一口にワークトップと言っても、実にさまざまな種類があります。
ここではキッチンのワークトップとして採用されやすい代表的な素材を6つ紹介します。
熱に強く手入れしやすい「ステンレス」
昔から根強い人気を誇るステンレスは、熱に強く耐久性が高い頑丈な天板。
キッチンに使用されるステンレスは500度以上の熱に耐えられる耐熱性能があり、うっかり熱い鍋やフライパンを置いてしまっても焦げません。
水や油などの残った汚れも拭き取りやすいので、日々のお手入れや掃除も楽にこなせます。
専用の研磨剤を使えば、光沢感を維持することも可能です。
光沢感のある銀一色の色合いは、スタイリッシュ・モダンなインテリアとも相性抜群です。
欠点は長期使用によって傷が目立ちやすくなること。
また素材の特性的に水垢が残りやすく、定期的なメンテナンスを怠ると汚れがとれにくくなります。
近年では傷が目立つのを防ぐ「バイブレーション加工」を施したタイプもあり、常に性能が進化し続けています。
色・質感・形状の種類が豊富な「人工大理石」
人工大理石は、ポリエステルやアクリルなどの樹脂を組み合わせて作る大理石風の素材です。
加工の過程で天然大理石の樹脂を混ぜていることから、本物に近い風合いやデザインを楽しめるのが魅力です。
合成樹脂が元になっているので加工や変形に強く、特殊な形状のキッチンにも施工しやすくなっています。
色・素材・形状のバリエーションが豊富で、インテリアの自由度はかなり高いです。
耐熱性・耐久性・耐水性のいずれも高い水準でまとまっていますが、加工の特性上表面に細かい穴(多孔質)があり、色付きの調味料をこぼすと変色しやすいデメリットがあります。
蛍光灯・直射日光などでも変色しやすいため、日々の使用には気を配る必要があります。
コストと性能のバランスが良い「メラミン」
メラミンは、複数の樹脂を重ねた「メラミン化粧板」を合板に接着させて製作する加工素材です。
人工大理石よりもさらに多くのデザインバリエーションがあり、キッチンの雰囲気に合わせた色と質感を選べます。
ワークトップの中でも特に価格が安く、コスパを重視したい方にもおすすめです。
高級感溢れる色や質感も選べますが、人によってはチープで安っぽい印象を感じる人もいるので、実際に見た目をチェックしておくと良いでしょう。
熱には弱く、経年劣化で下地が剥がれやすい点には注意が必要です。
耐熱性・耐久性に優れる「セラミック」
ステンレスと同じく熱に強く、汚れによる変色にも強い強固な天板素材です。
金属よりも硬い耐久性があり、多少重いものを落としても変形しにくいのが特徴です。
調味料や洗剤が飛び跳ねても拭き掃除のみで対処できるため、汚れにめっぽう強いのもメリットのひとつ。
質感は高級感に溢れていて、シックな雰囲気のキッチンにしたい方にもおすすめできます。
欠点は価格の高さ。
重量が重く運搬コストがかかるため、キッチンの規模によっては導入費用が高額になります。
個性的なデザインにできる「タイル」
耐熱性・耐水性に優れるタイルは、色・形・大きさのバリエーションがとても豊富な天板素材です。
シンプルで上品なイメージの天板から、レトロなキッチンを彷彿とさせる懐かしのデザインまで、組み合わせによってさまざまなインテリアをつくれるのが最大の特徴です。
熱や水に強い素材ですが、溝の部分に汚れが溜まりやすいのが欠点。
またほかの天板素材と比べて耐久性には難があり、重いものを落としたり、経年劣化することによって、タイルにひび割れが発生する可能性があります。
おしゃれだけど扱いが難しい「木製」
木製のワークトップは、ナチュラルで温かみのある印象を与える素材で、自然的なインテリアを好む方にファンが多いです。
キッチン天板としてはメジャーなタイプではありませんが、一部のメーカーや造作キッチンを手掛ける工務店などで取り扱っています。
木の風合いを存分に感じられる無垢の集成材や、メラミン化粧板のように薄くカットした木材を合板に貼り付けたものなど、さまざまな種類があります。
キッチンに使用する木材は樹脂加工や塗装を施したものが一般的ですが、ほかの素材よりも耐久性は劣ります。
長く使用するためには定期的なお手入れ・メンテナンスが欠かせないため、扱いの難しい上級者向けの素材となっています。
ワークトップの素材を選ぶときのポイントは?
素材によって価格帯や機能性が大きく異なるワークトップは、どのような基準で選ぶべきなのでしょうか。
結論から言うと、どの素材を選んでも何かしらのメリット・デメリットはあるので、何を重視するのかを決めて、自分が好きな素材を決めるのがベストです。
ここからは、選ぶ基準として代表的な6つの項目と、素材選びで見るべきポイントについて解説します。
デザインで選ぶ
比較すべき項目がありすぎて迷う場合は、一旦自分が好きな見た目の天板について調べてみるのがおすすめです。
キッチンは家の中でも長い時間を過ごす場所なので、見た目や居心地の良さなどの雰囲気も大切です。
洗練されたインテリアと合わせたいならステンレスやセラミック、かわいい雰囲気ならタイルなど、家の雰囲気を基準に素材を選んでみるのも良いでしょう。
耐久性で選ぶ
あまり料理が得意ではない方は、耐熱性・耐久性を基準に選ぶのも選択肢のひとつです。
料理初心者には失敗がつきもので、ワークトップに熱湯をこぼしたり、重い調理器具を落としたり、うっかり調理中の鍋を置いてしまったりと、想定外の出来事が起こるケースがあります。
耐熱・耐久性能が高いステンレス・人工大理石・セラミックなどの素材を選べば、毎日の調理も安心して行えるようになります。
お手入れのしやすさで選ぶ
日々のお手入れを簡単に済ませたいなら、耐水性が高く汚れに強い素材を選びましょう。
デリケートな木製天板や、溝に汚れが溜まりやすいタイルなどは避け、水拭きでサッと汚れを落とせるフラットな形状の素材を選ぶのがおすすめです。
設置費用で選ぶ
機能性やデザインよりも予算に応じたキッチンを作りたい方は、価格帯から選ぶのもおすすめ。
素材によっては安価なメラミンや、コスパに優れるステンレスなど、性能と価格を比較しながら安価な組み合わせを探してみましょう。
好みのワークトップを選んでキッチンを素敵な空間に!
今回はワークトップの素材の特徴や選び方について解説しました。
ワークトップにはさまざまな種類があり、素材によって価格帯・機能・耐久性・掃除のしやすさなどが大きく異なります。
各スペックや見た目を比較しながら、自分にぴったりなワークトップを選んでみましょう。
TIMBER YARDでは、おしゃれな造作キッチンや、憧れの海外製調理機器、ビルトイン食洗機など、新築・リフォーム問わずさまざまな住宅の施工実績があります。
思い通りのキッチン空間を作りたい方は、ぜひ施工事例もチェックしてみてくださいね。
そのためワークトップの素材選びは、機能性や使い心地はもちろん、キッチン全体の雰囲気を決める重要な要素にもなります。