木製サッシでサステナブルな暮らしを!魅力や後悔しない心構えを解説

    家を建てる際に「木製サッシの家を見たけど価格が高い!そんなに良いものなの?」「木製サッシを選んで、後悔しないか不安」など、考えたことはありませんか?

    近年、木製サッシは技術の向上により注目が集まっています。

    理由は木の風合いや質感がそのままで高性能だから。

    この記事では、木製サッシの魅力をたっぷりご紹介し、選ぶ際の心構えを解説します。

    木製サッシはどんな窓?

    木製サッシは、窓枠が木製でできた窓です。日本では古民家にある木枠の窓をイメージされる方も多いのではないでしょうか?

    実は、カナダや北欧などの寒冷国では主流である木製サッシ。

    断熱性が高く、インテリアに馴染みやすい点などの特徴があるからです。

    窓に求められる性能

    窓には断熱性が必須です。

    戸建住宅の断熱性の5~7割は、窓で決まるといっても過言ではありません。

    「2050年脱炭素社会」と謳われている近年。

    日本では二酸化炭素の排出量を削減するため様々な政策があります。

    政策の中でもわたしたちにできることは、断熱性のある住宅に住むこと。

    そうすれば光熱費も下がり、二酸化炭素の削減も可能なのでエコな暮らしに直結します。

    暑さは約70%、寒さは約50%窓から入ってくるというデータもあり、窓の選択は住宅の断熱性に大きく関わるのです。

    窓の種類

    窓

    断熱性を左右する窓には4種類のタイプがあります。

    1. アルミサッシ
      価格が安く、日本の住宅におけるトップシェア
    2. 樹脂サッシ
      プラスチックでできており、断熱性に優れているが価格は高い
    3. アルミ樹脂複合サッシ
      室外側がアルミで室内側が樹脂のハイブリットなサッシ
    4. 木製サッシ
      断熱性に優れていて、高価なサッシ

    木製サッシがある家とは?木製サッシの5つの魅力

    木製サッシが注目されている理由は多方面にあります。

    主に5つの魅力を解説します。

    高い断熱性を発揮する

    木材は、建築材料として様々な特性をもつ材質です。

    そのため木製サッシはアルミサッシに比べると断熱性が飛躍的に優れています。

    下記の表は、熱伝導率(物質の熱の伝わりやすさ)を比較した表です。

    材質熱伝導率(W/m・k)
    木材0.09~0.19
    プラスチック0.18
    40
    アルミニウム175
    ※日本木製サッシ工業会より

    表で見ると、様々な材質の中でも木材が断然熱が伝わりにくいことがわかります。

    内装・外観に温かみのある空間を演出できる

    木製サッシは、見た目も大きな魅力だといえるでしょう。

    内装は、木の持つ独特な温かみや素材の風合いがサッシに生かされています。

    和風・洋風どんなインテリアにも溶け込み、家具との一体感を生み出すことも。

    木ならではの重厚感もあるので意匠性も高く、室内全体の佇まいが美しいものになるでしょう。

    外観は、無機質な壁の質感と差別化ができて全体的にやわらかい雰囲気をもたらしてくれます。

    玄関口などお客様をおもてなしする場所に木製サッシを設置すると、上質な木の風合いがアクセントになり、落ち着きのあるデザイン性の高い外観を演出できます。

    開放感がある

    木製サッシは、ガラス面を大きくしたいときに選ぶと開放感が抜群です。

    大手のサッシメーカーは、通常アルミサッシの場合だと幅・高さが約2.5メートル、樹脂サッシなら幅約1.8メートルまでしか作れません。

    しかし木製サッシなら作り方次第では、幅約4メートルまでは可能。

    自然の風景を切り取りたい箇所があるならば、木製サッシを取り入れると絶妙な存在感を発揮するでしょう。

    結露が生じにくい

    木製サッシが結露が生じにくい理由は

    • 多孔質で水分を多量に保有できる集合体をもっている
    • 熱伝導率が低い

    という木材の性質が影響しています。

    結露は、室内の湿気を含んだ暖かい空気が窓面に接すると冷やされて生じる仕組み。

    アルミサッシですと、アルミの枠部分が冷えているため結露が生じやすくなります。

    しかし木製サッシなら、窓枠の厚みもあるので室内の表面温度が下がることを抑える効果があるのです。

    よって木製サッシを取り入れると、結露の発生を防ぐことができます。

    環境にやさしい

    木製サッシを取り入れることは、サステナビリティにつながります。

    理由は木製サッシを製造する段階で炭酸ガスの排出量が少なく、廃棄のときに有害物質を出さないから。

    木材の寿命も長く、メンテナンスを行えば100年以上はもつことも。

    木製サッシは地球に優しいアイテムだといえるでしょう。

    木製サッシを取り入れる際の心構え

    実は、木製サッシを取り入れて後悔したと言っている人がいるのも現状です。

    その理由は大きく2点あります。

    あらかじめ知っておけば心構えができるでしょう。

    ハイグレードな価格

    ハイグレードな理由は木材そのものが高く、さらに木を加工するコストもかかるからです。

    たとえば大まかな金額の比率は以下を参照してください。

    アルミサッシ:アルミ樹脂複合サッシ:樹脂サッシ:木製サッシ=1:2:3:6

    窓のサイズや使うガラスによって価格は前後しますが、木製サッシはアルミサッシの数倍かかると考えておきましょう。

    定期的なメンテナンスが必要

    木製サッシはメンテナンスが不可欠。

    理由は、紫外線や雨風にさらされることで塗装が変色したり、木材が劣化するからです。

    メンテナンスを行えば100年以上もつともいわれています。

    メンテナンスは面倒なのでデメリットと捉える人もいるでしょう。

    しかし裏を返せば自分の色に変えられて愛着がわくのも事実。

    考え方によってはメリットでもあります。

    具体的なメンテナンスは簡単にヤスリをかけて塗装を行うこと。

    塗装の期間は 3~5年、定期的に行うことが理想です。塗る判断の目安は3点あります。

    1. カビが発生している
    2. 退色している(塗装が剥げてきている)
    3. 水分をはじかない

    塗装は手の届く範囲なら、ご自身でもできます。不安ならば業者に相談しましょう。

    木製サッシの種類

    木製サッシの形状は主に3種類あります。

    ヘーベシーベ窓

    ヘーベシーベはドイツ語で「ヘーベ=上がる」「シーべ=引く」という意味。

    窓を開ける際は、レバーハンドルを回すだけで窓がもち上がり、横へスライドすると開きます。

    見た目は重量感がありますが、ハンドルを使って軽々と操作できるのが特徴です。

    大開口を実現できるので、部屋と屋外の一体感を感じられ、開放感を味わえます。

    木製サッシの魅力が存分に引き出される窓といえるでしょう。

    トップスイング窓

    トップリング窓は、窓枠に沿って窓が動く仕組み。

    とこすべり出し窓・縦すべり出し窓どちらにも対応できます。

    換気や通風の調節に優れており、開けたときの窓の位置によって雰囲気が変わる点が魅力的な窓です。

    ドレーキップ窓

    ドレーキップ窓は、1つのハンドルレバーで「内開き」と「内倒し」の2つの開閉機能を持つ窓。

    日本ではあまりみかけないタイプですが、北欧など寒冷国ではスタンダードな窓です。

    オシャレ感が抜群で通風・換気もでき、閉めれば気密性にも優れているので高性能。

    ハンドルを横にすれば大きく内側に開くため、掃除がしやすい窓だといえるでしょう。

    木製サッシは高性能!温かみのある暮らしが叶うアイテム!

    木製サッシのある家

    木製サッシは高価ですが、価格相応の高性能を兼ね備えている窓。

    コスト面が不安でしたら、家の中で見せ場になるような場所に木製サッシを選ぶのもひとつの選択肢ではないでしょうか。

    メンテナンスを行えばそのぶん家に愛着が持てて、サステナビリティにもつながります。

    ぜひ実際に触れて、他のサッシとの違いを肌で感じてみてください。

    きっと木の温かみを実感できるでしょう。