「見せない収納」の代表格である床下収納は、キッチン周りを快適かつ綺麗な印象にまとめられる便利な収納場所です。
注文住宅などで床下収納を検討する場合、設置方法や導入コストが気になるという人も多いのではないでしょうか。
今回は床下収納の設置価格やタイプ、設置するメリット・デメリットなどについて分かりやすく解説していきます。
目次
スッキリ収納!
床下収納って何がいいの?
床下収納とは、住宅のデッドスペースになりやすい”床下を利用した収納設備”のこと。
キッチンエリアに設置するのが一般的ですが、洗面所や寝室などにも設置可能です。
かさばりやすい物をしまう予備の収納スペースとして活用できるほか、床下の点検口として使うこともできます。
床下収納の設置価格は?
床下収納の設置価格は、タイプや性能によって大きく変わります。
本体価格は3万円以下で購入できるものもありますが、新しい場所に設置する場合、施工費用などを含めると安価なものでも10万円前後がかかるケースが多いです。
機密性・断熱性の高い素材などは通常のものよりも高価になります。
また、スライド式の床下収納は、特殊な施工を必要とすることが多く、20〜30万円前後の予算を考えておいた方が良いでしょう。
床下収納のメリット
床下収納を設置するメリットの一つは、”キッチン周りを広く使える”ことです。
床下は生活動線を邪魔しない収納スペースなので、料理・洗濯・家事をするときの利便性が大幅に向上します。
目に見える範囲の物を少なくできるので、すっきりとしたリビングの印象を作りたい人にもおすすめ。
床下収納のデメリット
床下収納のデメリットは、収納スペースとしては”やや使いにくい”ことです。
構造上しゃがんだ体勢で収納したものを整理する必要があるため、日に何度も物の出し入れをするには不向き。重い物などもしまいにくいため、収納できる物の種類が限られてしまいます。
湿気が溜まりやすい環境なので、こまめな換気・掃除も必要になります。
床下収納の種類は?
それぞれの良さを知って選ぼう
床下収納は、形状・蓋タイプ・設置場所などで性能や価格帯が大きく変わります。床下収納の特徴を種類別で解説するので、それぞれ違いを見ていきましょう。
形状は「固定タイプ」か「スライドタイプ」
床下収納の形状は、「固定タイプ」と「スライドタイプ」に分かれます。
●固定タイプ
蓋ごとに1つの収納スペースが設置されている最も基本的なタイプ
〇安価で設置しやすい
●スライドタイプ
1つの蓋から複数の床下収納にアクセスできるタイプ
〇物によっては収納量が2倍以上になる
×設置が難しく費用が高くなりやすい
蓋は「外れる置き蓋式」か「扉の自立式」
蓋は「外せる蓋タイプ」か「自立式の扉タイプ」のどちらかを選ぶことになります。
●蓋タイプ
〇取り外しができ、整理整頓がしやすい
×取り外しが面倒になる
●自立式タイプ
〇扉の開け閉めが楽
×扉が邪魔になり物の出し入れが若干しにくい
費用面では蓋タイプのほうが安く済むので、それぞれの特徴を考えたうえで形状と蓋タイプを選択するのが良いでしょう。
キッチン・洗面所・和室など用途で設置場所を選ぶ
床下収納は置く場所によっても性能が大きく変わるのが特徴です。
生活スタイルに応じて導入を検討してみましょう。
●キッチン
もっともポピュラーで選べる商品の種類が豊富
✓性能や価格帯のバリエーションが幅広い
●洗面所
スペースの制約上選べる種類が減る
✓洗面所スペースに特化した使いやすい商品なども多数展開
●和室
畳の一部を全て収納にしてしまうタイプ
✓収納容量は大きいが施工費用が高い
気密性の高い断熱の床下収納もある
床下収納の中には、断熱性に優れた高性能素材を使用したタイプも存在しています。
寒い地域では床下収納の隙間から冷気が流れやすく、足元が冷えてしまうことが多々あります。
断熱性・気密性に優れたタイプであれば、こういった悩みの数々をスマートに解消してくれるのです。また、冷えだけでなく多湿対策にもなるので、保存物の劣化を防ぐことも可能になります。
断熱性・気密性に優れたタイプは、その分費用が高くなりやすい…!
導入する必要があるかどうか事前チェックをしておこう!
床下収納をうまく活用しよう!
収納のコツ&注意点
床下収納は床に開閉箇所がある特殊な収納スペースなので、上手に物を収納するにはいくつかのコツが存在します。
使いやすい床下収納にするアイデアと、やってはいけない注意点について解説していきます。
長期保存するものや普段使わないものを収納する
床下収納は物の出し入れをしにくい特徴があるので、”頻繁に開け閉めするような状況は避ける”べきです。
賞味期限が短いものや傷みやすい食材などの保存は避けて、日用品・防災グッズ・大人数用の調理器具など、利用頻度が高くないものを収納するのがおすすめです。
日持ちしやすい缶詰・飲料・保存食などは収納してもOK。温度変化や多湿環境に影響されにくいものを中心に収納物を選びましょう。
縦に収納する
床下収納では下にある物ほど取り出しにくくなるので、横に積み上げていくような収納方法はやめましょう。
基本的に縦向きに収納して、”上から見たときに収納物の内容が分かるようにする”のが得策です。
色付きのラベルで見やすくしたり、階層別で物の種類を変えたりと、使いやすい収納アイデアを考えてみよう♪
重たいものは入れない
しゃがんだ状態で物の出し入れをする床下収納は、”身体に負担がかかりやすい”のがデメリットです。
物を持ち上げるときにギックリ腰になりやすいので、重たいものは収納しないようにしましょう。
取り出すときに他人の手を借りなければいけないものは避けて、取り出しが簡単で分類しやすいものを中心に収納するのがベストです。
床下収納でカビが生えないようにする対策例
温度が変化しやすく多湿な床下収納では、カビの発生をいかにして防ぐかが重要なポイントになります。
ここからは床下収納でカビを防ぐテクニックを紹介します。
新聞紙や除湿剤をうまく活用
簡単にできるカビ対策の一つが、”床下収納に新聞紙を敷き詰めておく”こと。
水を吸収しやすい紙を敷いておけば、水滴によるカビの発生をある程度防ぐことができます。新聞紙やチラシならほとんどコストかからず、簡単に対策できるのでおすすめです。
省スペースかつ臭い移りの少ない防湿剤なども使いやすく、さまざまなタイプが販売されているのでチェックしておきましょう。
収納する量に気をつける
収納量は”若干少なめくらい”を意識しましょう。
物を詰め込みすぎると湿気が発生しやすくなるので、物をある程度厳選するのが大切です。
少し隙間ができるくらい余裕を持って収納すれば、空気の通り道ができて湿度を抑えることができます。
適度に換気をする
湿気を逃すために”適度な換気をする”のも有効な対策の一つ。
こもった湿気は扉を開け閉めするだけでも逃げていくので、出来る限り頻繁に換気をするのが良いでしょう。
しまう物や出し入れの頻度に応じて扉のタイプを選ぶのもおすすめ。
中にしまったものを定期的に確認する意味でも、こまめに開け閉めをして空気の入れ替えをしましょう。
定期的な掃除をする
カビの発生を防ぐには、やはり”定期的に掃除をする”のが一番です。
家事のタイミングと合わせて、中の汚れや水滴を掃除する習慣を作ってください。
床下収納は扉の隙間から細かいゴミが落ちることが…!カビ以外の掃除もこまめに行おう!
狭小住宅にも嬉しい!
床下収納庫で上手に収納
今回は床下収納のメリット・デメリットや正しい使い方、収納テクニックについて分かりやすく解説しました。
部屋に置くものを少なくできる床下収納は、すっきりとした印象の部屋を作りたい人におすすめの収納術です。
特に収納スペースが少なくなりがちな狭小住宅で真価を発揮するので、使える間取りに合わせて最適な床下収納を選んでみてくださいね。
床下収納を外せば点検口にもなって、定期点検やメンテナンスにも便利に活用できるよ!