自分自身や身の回りの人が犯罪に巻き込まれたことがない場合、「防犯対策って本当に必要なの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
さまざまな犯罪があるなかで、プライベートな空間を脅かす住居侵入窃盗、つまり泥棒被害は、現在でも全国で1日あたり約80件も発生しています。
この記事では、侵入経路として特に狙われやすい玄関と窓の防犯対策をわかりやすく解説します。
目次
住居侵入窃盗って本当にあるの?
身近で住居侵入窃盗の被害に遭った人がいないと、どこか他人事のように考えてしまう人も多いでしょう。
平成14年には1年間で「17万5千件以上」もの被害件数でしたが、その年をピークに年々減少傾向にあることは事実です。
令和元年には「約2万8千件」まで減りました。しかしそれでもまだ、1日あたり80件近くも住居侵入窃盗が起きています。
侵入窃盗の手口は約80種類と非常に多く、空き巣もその一つです。
一軒家やマンションでもまだまだ発生しているため、マイホームを守るためにも徹底した防犯対策をしておくと安心ですね。
玄関や窓が狙われやすい
どこを防犯対策したらいいのかわからない人も少なくないでしょう。
泥棒が侵入する場所としてもっとも多いのが「玄関」と「窓」です。
「ちょっとゴミ出しに行くだけだから」などと鍵を開けっぱなしで外に出てしまうこともあるでしょう。
しかしこうした、たった数分間の不在でも泥棒は自宅に侵入します。
また窓を割って侵入するケースも。
一軒家とマンションの特性は異なりますが、どちらも玄関と窓からの侵入が多いことがわかっています。
対策ポイントは時間・音・人の目
侵入するのに5分以上かかる場合は7割の泥棒が諦め、10分以上でほとんどの泥棒が立ち去ることをご存知でしょうか?
このことから、侵入しづらい玄関と窓になるように対策すればいいことがわかります。
また警報機や砂利などを活用して音で威嚇したり、人目につくような玄関・窓周りにすることでも防犯対策が可能です。
次の章では「時間」「音」「人の目」などの視点から具体的な防犯対策を紹介します。
外構・エクステリアでおすすめの防犯対策を紹介
ここからは、外構・エクステリアの防犯対策を紹介します。
- 今住んでいるマイホームに防犯設備を追加する場合
- これから注文住宅で防犯に強い家を作る場合
どちらのケースでも応用できる知識を紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
外灯をつける
日が落ちると暗くなってしまうような場所には、外灯をつけましょう。
外灯にはコンセントタイプやソーラーパネルタイプに加えて、電池式タイプなどがあります。
日中に日が当たる場所であれば、ソーラーパネルタイプが電気代を節約できておすすめです。
できるだけ泥棒が隠れられる暗い場所を作らないように工夫しながら設置してみてください。
格子状の目隠しフェンスを設置
周囲からの目線を気にして、背の高い外構をたててしまう人も多いでしょう。
しかし背の高い外構は、一度乗り越えてしまえば外からは敷地内で何をしているのか見えないため、泥棒の思う壷となってしまいます。
そこでおすすめな外構は、格子状の目隠しフェンスです。
周囲からの目線をある程度遮りつつ、怪しい人影があれば外からでも視認することができます。
もしどうしても近隣住民の目線が気になる場合には、目線の高さは目隠しになっていて、足下のほうが格子状のフェンスになっているような外構を選んでみてください。
周囲に足が見えてしまうような外構ならば、泥棒も侵入しにくく標的にされづらくなるでしょう。
防犯砂利を敷く
「砂利」を使った防犯もおすすめです。
砂利の上を歩くとき、「ジャリッジャリッ」と音がしますよね。この音の効果を狙うのが防犯砂利です。
住宅の周りを囲むように敷き詰めても大丈夫ですが、まずは人目につかないような場所から敷いてみましょう。
たとえば近隣住宅との境目や住宅の裏側などです。
また、お風呂やトイレの窓を開けっぱなしにしてしまう家庭も多いでしょう。
開けっぱなしの窓は泥棒にとって好都合。そこで普段よく開ける窓の前に防犯砂利を敷いても効果的でしょう。
センサーライトやカメラを設置
人が近くに来ると自動的にライトが点灯するセンサーライトは、泥棒を驚かせるので防犯効果が高いといえます。
またセンサーライトとあわせておすすめしたいのが、防犯カメラです。
泥棒は砂利のような音を嫌いますが、顔を見られてしまう「光」も嫌います。
そこでセンサーライトで顔を照らしながら、防犯カメラで映像を録画できるようにしておくとより狙われにくくなるでしょう。
手入れをこまめにして見通し良く
庭が手入れされておらず荒れていると犯罪の標的にされやすくなってしまいます。
なぜなら雑草などが生い茂っていると外からの視界をシャットアウトし、泥棒が庭で何をしていても気付きにくい状況になってしまうからです。
そのため庭の手入れをこまめに行い、見通しを良くしておくだけでも防犯対策となるでしょう。
玄関周辺でおすすめの防犯対策を紹介
次に玄関周りでできる防犯対策を4つ紹介しましょう。
電子錠を選ぶ
玄関の鍵を自動ロックしてくれる電子錠にすることで、防犯性を高められます。
ドアが閉まった数秒後に自動的にロックしてくれるような種類を選べば、ちょっとゴミ捨てに行く場合でも犯罪から守ってくれるでしょう。
鍵もいらない暗証番号式の電子錠ならさらに利便性が向上します。
2ロックもしくは3ロック式に
少し前までは、玄関ドアに2つ鍵がつけられている「2ロック式」が主流でした。
しかし鍵が2つついているにもかかわらず、バールによるこじ開け被害が後を絶ちません。そのため2ロック式でも不安を感じている人も多いでしょう。
そんな場合には、3つ目の鍵を取り付けて「3ロック式」に変えてみてください。
3つ目の鍵はできるだけ高い位置に取り付けるのがおすすめです。
高い位置に取り付けてある場合、泥棒は立ちながらこじ開けの作業をしなければなりません。さらに腕を伸ばすため脇が開いて力が入りにくくなります。ぜひ検討してみてください。
ドアスコープカバーをつける
ドアスコープにカバーがついていない場合には、家の内側を覗かれないようにカバーを設置しましょう。
玄関の扉を開けなくても外の様子がわかる便利なドアスコープですが、実は外から家の内側も覗けてしまうことをご存知でしょうか?
ドアスコープを覗いて外から様子をうかがい、住人が外出していることを確認してから侵入するケースも少なくありません。
大掛かりな工事は不要のため、手軽にできる防犯対策の一つです。
屋外タイプの警報機設置
屋外タイプの警報機を設置することでも、非常に大きな防犯効果が期待できます。
一般的に警報機といえば、誰かが家に侵入したら音が鳴る屋内タイプを想像する人が多いでしょう。
しかしそれでは玄関のドアや窓が壊されたあとに音が鳴るため、何も盗まれなくても修理費用がかかってしまいます。
そこで屋外タイプの警報機を設置すれば、敷地内に侵入した時点で音を鳴らし泥棒を威嚇できるのです。
窓周辺でおすすめの防犯対策を紹介
続いて窓周辺の防犯対策を4つ紹介します。
防犯ガラスにする
戸建てやマンションなどの持ち家の場合には、自宅の窓を「防犯ガラス」に変えるのも一つの手段です。
防犯ガラスとは、2枚のガラスの間に特殊な防犯膜を挟んでいる窓ガラスのこと。
この特殊な防犯膜があるおかげで、ガラスが破られてしまっても膜にくっついたままとなり破片が脱落しません。
穴が開きづらく、泥棒が侵入しづらいガラスといえます。
また賃貸に住んでいる場合には、簡易的につけられる二重窓がおすすめです。
賃貸の窓を防犯ガラスに変えてしまうと退去時に原状回復しなければならないため、後付け可能な二重窓で防犯対策をするのが良いでしょう。
補助錠をつける
窓に補助錠をつけるのも効果的。補助錠にはさまざまな種類があります。
たとえば窓のレール部分に取り付ける補助錠は、つまみを回すだけで金具が広がりロックしてくれる仕組みです。
どこも傷つけずに設置できるため賃貸物件にもおすすめします。
このように自分で簡単に取り付けられるような補助錠がたくさん登場しているため、ぜひ検討してみてください。
面格子を設置する
窓に面格子を設置しても、高い防犯効果が狙えます。
ただし一般的な面格子は外側にネジの頭があるため、ドライバーなどを使って外されてしまう可能性があります。
そこで防犯用の面格子を選んでみてください。
専用のビットなどを使うことで、一般的なドライバーでは外せないようになっています。最近ではおしゃれなデザインの面格子もあるため、住宅のイメージに合わせて選ぶことが可能です。
防犯フィルムを貼る
「防犯フィルム」も手軽にできる対策の一つ。
フィルムを窓に貼り付けると、防犯ガラスと同じような効果を発揮してくれます。
防犯フィルムは経済産業省や国土交通省、警察署などが認定している「CPマーク認定商品」となっているものがおすすめです。
国家資格を持った専門の職人が窓に貼り付けます。
自分ではできませんが、大掛かりな工事は不要なのですぐに実施できる対策です。
徹底した防犯対策でマイホームを守ろう
今回は玄関や窓周りを中心とした防犯対策を紹介しました。
一度目をつけられてしまうと何度も被害に遭うこともあるので、徹底した防犯対策を施しましょう。
注文住宅でゼロからマイホームを設計する場合は、セキュリティー設備や周辺の視線を想定した無駄の少ない設計にすることが可能。
設計の段階から防犯を意識することで、自由な間取りと防犯性能の高さを両立した自由度の高い家を建てることができます。
こだわりのマイホームを建てたい人はぜひ検討してみてくださいね。