多くのメディアで取り上げられ、注目を集めているリビング学習。
「東大脳の育て方」という書籍によると、東大生の83%がリビングで学習していたという統計もあります。
新築の家づくりや賃貸の間取りを工夫して、実際にリビング学習を取り入れたいと考える親御さんもいるのではないでしょうか。
今回はリビング学習のメリット・デメリットや、リビング学習を取り入れるための間取りのポイントなどを紹介します。
目次
リビング学習のメリットは何?
現代では、子どもが幼い頃にあえて子供部屋に学習机を置かずに、リビングで学習させる習慣・間取りが主流になっています。
リビングで学習させるメリットはどこにあるのでしょうか?
まずはリビング学習のメリットをおさらいしてみましょう。
親子間のコミュニケーションが取りやすい
リビング学習の最も大きなメリットが、親子間でのコミュニケーションの取りやすさです。
同じ空間で過ごす時間が長くなるリビング学習は、自然と親子間のコミュニケーションの機会を増やしてくれます。
子どもの学習を見守れる
わからないところがあればすぐに対応してあげられたり、学習の進み具合や得意・不得意を把握したりと、子どもの学習を近くで見守ることができるのもメリットです。
特に低学年のうちは、部屋に一人でいると不安を感じてしまう子もいます。
リビングで親子一緒の空間にいることで、安心して学習に取り組めるようになります。
子どもの集中力が育つ
リビング学習は、人の出入りがあったり家族の生活音や会話が聞こえたりすることで、個室で勉強するよりも少し騒がしい環境です。
周囲が騒がしい環境で普段から学習に取り組むことで、集中力が身につきます。
また、「家族に見られている」という緊張感でより集中できるというお子さんもいます。
リビング学習のデメリット
子どもの学習や成長を見守れるリビング学習ですが、いくつかのデメリットもあります。
子どもが学習に集中しにくい
リビングで家族の会話やテレビの音などが聞こえることで、学習に集中できないという可能性もあります。
ほどよい緊張感を持って、リビングで集中できる子もいれば、中には静かな環境での学習の方が向いているという子もいます。
親が子どもを叱る回数が増える可能性がある
リビング学習は、子どもが勉強をしている様子が常に視界に入ります。
そうなると、学習の進み具合や集中具合などに関して、ついつい口を出してしまいがちに。
親が子どもを叱ってしまう回数が増えてしまう可能性があります。
思わず、「この答えは違うよ!」などと否定的な強い口調で叱ってしまい、子どもの学習意欲が削がれることにもなりかねません。
リビング学習中も、ほどよい距離感が大切です。
リビングが雑然とした印象になりがち
教科書やノート、筆記用具など学習には多くの道具が必要です。
勉強道具を全てリビングで管理する場合、どうしても綺麗に片付かず、雑然とした印象になりやすいです。
リビング学習を取り入れるときは、綺麗に片付けられるように収納についても検討しましょう。
リビング学習におすすめの間取り
家づくりで間取りや動線を考えている方は、リビング学習を想定した広さや家具を確保することが大切です。
ここからは家づくりの観点から、リビング学習を取り入れるのにおすすめの間取りを3パターン紹介します。
家族と共有のワークスペース
在宅ワークが一般的になってきたことで、自宅にワークスペースを作るという方も少なくありません。
そこでおすすめなのが、リビング学習スペースと大人のワークスペースを分けずに共有のスペースにすることです。
1箇所にまとめることで、家の中の他のスペースが広くなるうえ、一緒に机に向かうことでお互いに集中して取り組めるというメリットがあります。
将来のことを考えて変化させられる工夫
子どもは社会人になったり結婚したりといった理由で将来家を出ることがほとんど。
そうなると、リビング学習に使っていたスペースが不要になってしまいます。
そのまま物置になってしまうことも少なくないでしょう。
将来的に変化させられるような工夫をしておくことがおすすめです。
壁付けのカウンタータイプの学習スペースを作り、子どもが巣立った後は天板を外してリビング空間を広くするなど、アイデア次第でさまざまな工夫ができます。
狭い家でも大丈夫!カウンターデスク
マンションや狭小住宅などのようにリビングの広さが限られている家でも、カウンターデスクにすることでリビング学習のスペースを確保できます。
さらに、奥行きが浅い机にすることで、狭いリビングでも生活動線を塞ぐことなく学習スペースを確保できます。
リビング学習を取り入れるときのポイント
実際にリビング学習を取り入れようと思ったら、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。
子どもがより集中しやすいリビング学習の取り入れ方のポイントを詳しく解説します。
リビングの出入り口が見える配置にする
リビングの出入り口が見えない配置にしてしまうと、誰かが入ってくる度にわざわざ視線を上げて振り返るようになります。
せっかく学習に集中していても、誰かが部屋に入ってくる度に集中が途切れてしまうでしょう。
集中を途切れさせないために大切なことは、少しだけ視線を動かせば出入り口が見える位置に机を配置することです。
生活動線を塞がない
学習スペースを確保するために生活動線を塞いでしまうと、家族の生活がしづらくなるだけでなく、子どもの集中力も低下してしまう可能性があります。
学習しているときに、家族が頻繁に行き来していると、集中が途切れてしまう原因になります。
学習をする子どもにも、そのほかの家族にもストレスのない配置を考えましょう。
リビングのインテリアに馴染むデザインの机を選ぶ
一般的に販売されている学習机だと、おしゃれなインテリアにはテイストが合わないと感じている方も少なくないでしょう。
家族が長い時間を過ごすリビングに違和感を感じながら生活するのは、少なからずストレスが溜まってしまうものです。
できるだけリビングのインテリアに馴染むデザインの机を選ぶようにしましょう。
親が見守れる配置に机を配置する
キッチンで作業をしながら見守ったり、在宅ワークをしながら隣で見守ったりと、親が子どもの学習を見守ってあげられるような位置に机を配置しましょう。
隣で見ていて欲しいのか、遠くからそっと見守って欲しいのかなど、ちょうどいい距離感は子どもによってそれぞれです。
兄弟がいる家庭では難しいケースもありますが、子どもにとってちょうどいい距離感で見守ってあげられる環境を作ってあげましょう。
リビング学習を取り入れるときの注意点
リビング学習を取り入れるときの注意点を3つご紹介します。
テレビが視界に入らないような配置にする
テレビが視界に入るだけで子どもは色々な想像をしてしまい、なかなか学習に集中できません。
「今日はあのアニメがある日だ」「ご飯を食べたらあの番組を見よう」など、ついつい余計なことを考えてしまうのです。
できるだけテレビから離れた位置で、視界に入らないような配置にしましょう。
照明や収納を確保する
照明や収納の確保も大切です。
手元を照らす照明を用意することで学習に集中しやすい環境を作ってあげられます。
教科書やノート、筆記用具などは手の届く位置に収納を確保しましょう。
必要なものを立ち上がって取りに行かなければならない場合、その度に集中が途切れてしまいます。
上部に人の気配を感じさせない工夫をする
リビング階段や吹き抜けによって、学習スペースの上に人の気配を感じてしまうことも。
集中して学習していても、上部に人の気配を感じると集中が途切れる原因になってしまいます。
リビング学習を取り入れて快適な学習環境を
リビング学習には、適度な集中力が身についたり、家族が学習を見守れたりといったメリットがたくさんあります。
注文住宅やリフォームの間取り設計で悩んでいる方は、リビング学習を想定した動線設計を意識してみましょう。
今回紹介したいくつかの注意点をしっかりと把握し、自宅への取り入れ方を検討してみてくださいね。
リビングの環境やお子さんの性格を見ながら検討しましょう。