注文住宅に入居するとき、窓辺をカーテンにするのかブラインドにするのか、迷う人もいるのではないでしょうか。
特にリビングやダイニングなど、家族が集まって過ごすことの多い空間のインテリアには気合が入ります。
リビングやダイニングのレイアウトを考える際、まずはカーテンから考える人も多いでしょう。
スタイリッシュな部屋を目指すのであれば、縦型ブラインドのバーチカルブラインドもおすすめです。
この記事では、バーチカルブラインドを取り入れるときの注意点など、後悔しない選び方を詳しく解説します。
目次
バーチカルブラインドとは
バーチカルブラインドとは、オフィスや店舗などでよく使われている、縦型のブラインドのことです。
帯状の布「スラット」を回転させ、室内に入る光を調節できます。
バーチカルブラインドはカーテンのように横方向に開閉できるので、大きな窓をシャープに見せるために使われることが多く、窓が開けやすいのが特徴です。
また、横型のベネシャンブラインドに比べて、スラットにホコリがたまりにくいメリットがあります。
バーチカルブラインドのデメリット
ここではバーチカルブラインドを取り入れる前に、知っておくべきデメリットを紹介します。
取り付けた後に後悔しないよう、注意点と解決方法を知っておきましょう。
外から見える
バーチカルブラインドにはスラットが1枚ずつのシングルタイプや、レースがついているタイプがあります。
シングルタイプを選んだ場合、調光のためにスラットを回転させて完全に開いてしまうと、外から室内が見えてしまいます。
そのため、道路に面した1階のリビングや、隣家の窓と向かい合わせの窓には向いていません。
しかし、レースがついているタイプであれば1枚目のスラットを開いてしまっても室内が見えづらくなるため、外からの視線が気になる場合におすすめです。
音が気になる
バーチカルブラインドのスラット1枚1枚の下部には重りがついており、それが窓にあたってコツコツと音がします。
また、スラットが風になびいてパタパタと音を出すこともあります。
どちらも風によって引き起こされているため、風が当たらないようにすることで解決できるでしょう。
換気のために窓を開ける場合は開けない窓側にブラインドを寄せたり、エアコンの吹き出し口を考慮して設置位置を決めたりすることで、音が鳴らなくなります。
また、ブラインド下部にスラット同士をつなげるボトムコードをつけると、スラットが別々の方向にヒラヒラ動いてしまうことを防げます。
出入りしづらい
窓から出入りする際は、スラットを開ける窓と反対側に移動させます。
しかし、寄せ切らないと出入りするときに邪魔だと感じてしまいます。
布であるカーテンに比べるとスラットをたたんだ場所に厚みができるため、見た目もバランスが悪くなりがちです。
窓から出入りするときは、窓の左右どちらかにしっかり寄せると解決できます。
さらにバランスの悪さを解決したい場合は、ブラインドを2つ並べて設置することで、まるでカーテンのようにスラットを窓の左右に寄せられます。
窓の両側にスラットをたためてシンメトリーとなり、バランス良く感じるでしょう。
ただし、横幅のサイズによっては、家具や壁などで設置できない場合があります。
手入れが面倒
横型ブラインドに比べると、縦型のバーチカルブラインドはホコリがたまりづらい構造です。
しかしカーテンと比べると、洗濯できないというデメリットがあります。
ただし、バーチカルブラインドにはファブリック素材のものがあり、家庭用洗濯機でも洗うことが可能です。
バーチカルブラインドの取り付け方
ここでは、バーチカルブラインドの取り付け方について解説します。
バーチカルブラインドにはさまざまな種類があり、スラットの幅や素材、開け方などで部屋に合うタイプを選べます。
サイズや位置によって印象が異なるため、選び方を知っておきましょう。
窓のサイズ
窓枠をはかり、窓のサイズに合ったバーチカルブラインドを選択しましょう。
さらにスラットの長さがポイントです。
リビングや個室にある大きな掃き出し窓に設置する場合は、床から2cmほど短くしておくと、スラットの裾を引きずらず開閉しやすいでしょう。
腰高窓の場合はカーテンを設置するのと同じように、スラットを10cmほど窓枠よりも長くすると、すっきりした見た目でバランスが良くなります。
取り付ける位置
バーチカルブラインドの取り付け方には天井から吊り下げるタイプと、窓枠の上部の壁に取り付けるタイプがあります。
「天井を高く見せたい」「部屋を広く見せたい」場合は、天井から吊るす設置タイプがおすすめです。
窓枠上部に取り付ける方法は、天井からの設置方法に比べてスラットの長さが短くなるため、設置費用を抑えられます。
バーチカルブラインドの選び方7つのポイント
ここでは、バーチカルブラインドの選び方を7つのポイントに分けて紹介します。
1:操作方法で選ぶ<
バーチカルブラインドのスラットの操作方法は4種類あります。
自身の使いやすさや家族構成などで選択しましょう。
バトン式
バーチカルブラインドの左右どちらかの上部から吊り下がっている細長いバトンを使って、ブラインドの開閉を操作するタイプです。
バトンを持って左右に移動すると、スラットが折り重なっていき、窓を開けられます。
バトンを回転させるとスラット1枚1枚が回転して、調光ができる仕組みです。
バトン式は、コードがあると遊んでしまう小さい子どもやペットがいる家庭に向いており、シンプルな見た目が魅力です。
コード式
コード式とは、ブラインドの左右どちらかの上部からコードとバトンが吊り下がっているタイプです。
スラットの回転はバトンで、ブラインドの開閉はコードで行います。
コード式はバトン式と違って、コードがある場所にとどまりながら、ブラインドを開閉できるのが魅力です。
幅が広い窓に設置する場合に向いています。
ワンチェーン式
ブラインドの左右どちらかの上部からループ状のチェーンが付いているタイプをワンチェーン式といいます。
チェーン1本を少し引くとスラットの回転を操作でき、もう1本を引くと逆に回転できます。
そのままチェーンを引っ張るとブラインドが開閉する仕組みです。
コード式と同様、動かずに操作できるため、幅広の窓や天井から吊り下げたタイプのブラインドにおすすめです。
電動式
電動式はスラットの回転やブラインドの開閉をリモコンで操作するタイプです。
離れた場所から操作できるため、手の届かない吹き抜け上部の窓や高窓の操作に便利です。
また、調光のために1日に何度もブラインドのそばに行くことが難しい人にも向いています。
2:スタイルで選ぶ
ここでは、スラットのスタイルを3つ紹介します。
外から見えるデメリットを解決するタイプもあるので、参考にしてみてください。
シングルタイプ
シングルタイプはスラットが1枚ずつ連なった、もっともオーソドックスなタイプです。
オフィスや店舗で見かけるのは、シングルタイプが多いため、イメージしやすいのではないでしょうか。
スラットの幅はメーカーによって異なり、一般的なもので100mm、スタイリッシュな印象の細めタイプで75〜80cmほどです。
またメーカーによっては、スラットの数を増やして重なる部分を多くとることもできます。
ドレープとレースが交互になるタイプ
バーチカルブラインドにもレースカーテンのように、光を多く取り入れつつ、外から室内を見えないようにするタイプがあります。
ひとつはドレープ(不透明の生地)とレースが同じ幅で交互に吊り下がっているスタイルです。
調光のためにドレープを回転させると、レース部分が見える仕組みです。
外からの視線を気にせず日差しを取り入れられるため、1階で道路に面した部屋でも太陽光で明るくしたい場合におすすめです。
ドレープとレースが左右にあるタイプ
もうひとつは、スラットがドレープとレースの半分ずつの生地になっており、スラットが完全に閉じると生地が半分に折り畳むスタイルです。
スラットを回転させると、生地がL字に開いて調光できます。
ドレープとレースが交互になるタイプに比べて、スラットを閉じたときの厚みが薄く、見た目がスッキリします。
3:ブラインドの開き方で選ぶ
窓の大きさによって片開きか、中央から開く両開きにするかを選択しましょう。
片開きの場合は、設置する部屋によって右開き、左開きどちらにするかを検討してください。
両開きにする場合は、2つのブラインドを並べて設置する方法と、両開きをオーダーメイドでつくる方法があります。
オーダーメイドの場合、操作方法をバトン式とコード式のどちらかを選択します。
生活動線を考慮して、使いやすいタイプを選びましょう。
4:スラットの素材で選ぶ
スラットの素材はさまざまあるため、部屋のインテリアや空間の広さで選択するとよいでしょう。
スラットに使われる主な素材は、布製・アルミ製・ガラス繊維・木製・和紙などです。
- 布製
ウォッシャブルタイプなら自宅で洗濯できる - アルミ製
光や熱をしっかりさえぎる - ガラス繊維
布のような素材で、水拭きで手入れできる - 木製・和紙
存在感があり、デザイン性が高い
上記の特徴をふまえたうえで、好みの素材を選びましょう。
5:スラットの幅で選ぶ
スラットの幅によって部屋の印象は大きく変わります。
スラットの幅が広く1枚1枚の重なりが大きくなると、外の空気や光が室内に入るのを防ぐため、寝室などに向いています。
遮熱・遮光効果が高いため、省エネにもなるでしょう。
スラットの幅が狭いタイプを採用すると、空間が軽やかで開放的な印象を与えます。
光があふれる明るい空間を求めるなら、幅の狭いタイプがおすすめです。
6:スラットのカラーで選ぶ
ルーバーに使う色によっても、部屋の印象は変化します。
スラットは1枚ずつ取り外しができるため、1枚1枚で色を変えて、オリジナルの配色にすることも可能です。
また、スラットの表裏でカラーが異なるリバーシブルタイプも販売されています。
多くの選択肢があるので、楽しみながら検討しましょう。
7:スラットのボトムで選ぶ
スラットの下部につけてルーバー同士をつなぐボトムコードにも気を配りましょう。
一般的なのはヒモタイプやチェーンタイプです。
色もメーカーによっては選択できます。
小さな子どもやペットがいる場合は、引っ掛けたりしないよう注意しましょう。
後悔しないバーチカルブラインドを選ぼう
今回は、バーチカルブラインドを取り入れるときの注意点など、後悔しない選び方を詳しく解説しました。
バーチカルブラインドはカーテンに比べて、モダンでスタイリッシュな住まいに向いています。
また、横型ブラインドよりも窓の開閉がしやすいメリットがあります。
カラーや素材も豊富なバーチカルブラインドを採用すれば、他にはないオリジナルの空間づくりができるでしょう。
カーテンと違ってスラットを取り外して洗えるため、汚れてしまった1枚だけでも洗えるのは大きな魅力でしょう。