コンセントの位置は、快適な生活を送るうえでとても大切な要素です。
コンセントの位置が悪いと家事が不便になるだけでなく、コードにつまずいて転んだり、コードを引っ張って家電を落としてしまったりといった事故も発生します。
コンセントの位置で失敗をしないためにも、ベストなコンセント計画の立て方とよくある失敗例について学んでおきましょう。
目次
コンセントを使う家電とは?
コンセントを必要とする家電は、思っている以上に多くあります。
まずはリビング・キッチン・寝室・廊下・洗面所などで使う一般的な家電を見てみましょう。
リビング
リビングで使うコンセントが必要な家電は、生活必需品から趣味寄りの設備まで多岐に渡ります。
- テレビ /オーディオ
- 冷暖房
- コードレス掃除機
- インターネットWi-Fi
- パソコン
- ウォーターサーバー
- 電子ピアノ
- 卓上調理器具
- 加湿/空気清浄機
- スタンド照明
もちろん上に挙げた内容は一部であり、実際にはテレビ周りにブルーレイレコーダーやゲーム用のコンセントが必要になる場合があります。
パソコン周りの作業環境によっては、プリンターをはじめとした周辺機器や、別モニターの電源などが必要になる場合も。
リビングで使用する家電はどの部屋よりも多いため、たくさんのコンセントを配置する必要があります。
キッチン
キッチンでコンセントを使用するのは、主に調理器具です。
- 冷蔵庫
- 炊飯器
- 電子レンジ
- トースター
- ミキサー類
- コーヒーメーカー
- 電子ケトル
- 電気圧力鍋
リビングに次いでコンセントの数が必要になりますが、作業スペースが密集しているぶん配置に頭を悩ませることは少なくなります。
調理の邪魔にならないように、なおかつコンセントコードがコンロや水近くに触れないように気を配って配置を考えましょう。
リビングや寝室と比べて感電の危険性が高いため、安全性には特に注意する必要があります。
寝室
寝室でコンセントを使用する家電はそう多くはありません。
- テレビ
- スマホ充電
- 照明
- 空気清浄機
- 扇風機 /エアコン
寝室は家具が少ないため、コンセントの配線を隠すのが困難です。
なるべく配線が見えないように見栄えの考慮をしつつ、利便性が高くなる工夫をしましょう。
廊下・洗面所
廊下で使う家電は、掃除機・外用監視カメラ・電動自転車の充電・水槽など、ほとんど常時使用ではないものが多いです。
洗面所は、洗濯機類・ドライヤー類・除湿機・電動歯ブラシ・美容関連の家電などがほとんど。
こちらも数は多く必要ないうえに、ある程度王道の配置パターンがあるので、悩むことは少ないはず。
キッチンと同様に水回りであることから、配線の工夫や安全性について注意が必要です。
各部屋にコンセントを配置しよう!ベストな位置決めのコツ
コンセント配置で大切なのは、実際の生活イメージしつつ、最適なコンセントの数と位置を決めていくバランス感覚です。
家を建ててから後悔することがないように、各部屋における位置決めのコツをおさらいしましょう。
リビングの配置は実生活をイメージする
リビングのコンセント位置を決めるときは、家族の生活をイメージすることが何よりも大切です。
自分のライフスタイルをイメージするのは楽ですが、家族全員となると意外に難しいもの。
想定外のコンセント渋滞が起きたり、逆に全く使われないコンセントの位置が浮き彫りになったりと、事前に配置の問題点を認識できるようになります。
また、置きたい家具の配置や掃除機の動線なども合わせてチェックしておくと、スムーズに配置を決めるヒントになります。
キッチンは料理のしやすさと安全性を重視
キッチンでのコンセントの位置決めは、調理のしやすさを重視することが大切です。
炊飯ジャーや電子レンジ、トースター類など、常時差し込んでおくものはキッチンボードで隠れる背面位置に設置するのがおすすめ。
フードプロセッサーやジューサーといった必要時にしか使用しないコンセントは、キッチンに立つ人の正面、シンク側にあると便利です。
ただしシンク側のコンセントは非常に濡れやすいため、安全性にはくれぐれも注意。
キッチンは常時コンセントに差し込んだままの家電がほとんどなので、それらの常備家電+調理で使用する家電の数を把握しておくと、はっきりした必要コンセント数が見えてくるでしょう。
寝室のコンセント位置は寝ながら使えるを前提に
寝室のコンセント位置は、寝ながら使用できることが大切です。
そのため、ベッド周りに2〜4口は欲しいところ。
ダブルベッドで2人で寝ている場合、それぞれが使えるように両サイドに2口コンセントを設置するのがおすすめです。
スマホの充電、ランプなどを起き上がることなくそれぞれ使用できます。
さらに空気清浄機や扇風機用に、足下・サイドの壁にもコンセントを設置しましょう。
廊下・洗面所のコンセント位置は生活動線を意識
廊下のコンセントは靴箱の上に2口、廊下に1口あれば事足りる場合が多いです。
廊下が長く広い玄関であっても、もう1セットずつ増やす程度でOK。廊下で使用する家電は限られてくるため、多くは必要ありません。
また、廊下壁に掃除機用のコンセントを設置する場合、位置を高めにセットしておくと抜き差しがラクです。
洗面所では、基本的に高い位置にコンセントを設置します。
洗濯機・ドライヤーなど、抜き差しにかがまなくて良い位置を意識しましょう。また、水のかからない位置であることも大切です。
よくあるコンセント計画の失敗例
コンセントは多く設置したり配置を計算しつくしたつもりでも、後悔が残りやすいです。
よくあるコンセント計画の失敗例から、ご自宅のコンセント配置を考えてみましょう。
数が足りない
単純に数が足りておらず、結局たこ足配線になってしまうケースが多いです。
とくにテレビ周りでよく見る失敗例だといえます。
コンセントの数は少し多いくらいがちょうど良いと覚えておきましょう。
テレビボードなどで見た目を上手く隠せるのであれば、たこ足配線でも良しとしてしまう考え方もあります。
見栄えを気にしすぎてしまった
「コンセントは見えない方が良い」と考えて、差し込みがしにくい位置に設置をしてしまうことも少なくありません。
見栄えは確かに大切ですが、使い勝手が悪くなってしまっては本末転倒です。
コンセントを隠したいのであれば、コンセントカバーを検討するといった対策をとるのがおすすめです。
家具の後ろに隠れてしまう位置
コンセントは床からコンセント中央部まで25cmで設置するのが、一般的な高さです。
目立たなくて良い位置ではありますが、家具の後ろに隠れやすい位置でもあります。
家具の後ろのコンセントに抜き差しができず、延長コード+たこ足で凌ぐ、というケースも珍しくないでしょう。
「家具の配置を計算したうえでコンセントを設置する」「模様替えのときもコンセント位置を考える」など、家具とコンセントはつねに切り離さずに考える必要があります。
コンセントは増設工事が可能
さまざまなノウハウを説明しましたが、コンセントはあとから増設工事もできるので、そこまで頭を抱える必要はないのかもしれません。
価格は5,000円から1万6,000円が平均で、電気配線の位置や距離によって金額は変動します。
コンセントの位置は設計段階ならもっと安くなる場合があるので、これから家を建てる人は事前に相談して位置を決めるのが良いでしょう。
コンセント計画は入念なシミュレーションをしよう
コンセント計画は失敗しやすいものです。
綿密に計画を練ったつもりでも落とし穴があったり、ライフスタイルの変化で使用用途が変わってしまうこともあり得ます。
どのような状況でも満足できるよう、事前に入念なシミュレーションをして位置を決めてみましょう。
困ったときは家づくりのプロに相談して、失敗がないように一緒に計画してもらうのもおすすめです。