別荘の管理にかかる費用はいくら?内訳と節約方法をご紹介

    リモートワークが浸透し、ワーケーションや二拠点生活が注目されています。

    都心からそれほど遠くない土地に別荘を持つことを考える人も増えているでしょう。

    自然に囲まれたあこがれの別荘を持つためには、管理方法と費用の知識も重要です。

    別荘の管理費用は、場所や条件によりますが、年間30〜80万円程度かかるといわれています。

    この記事では、別荘を持つことで発生する費用や節約方法について、具体的に解説していきます。

    あこがれの別荘ライフを実現させるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

    別荘の管理方法はタイプによって違う

    別荘の管理といっても、戸建てタイプとリゾートマンションタイプで管理方法が異なります。

    ここではそれぞれの特徴を紹介します。

    戸建て別荘タイプの管理

    戸建て別荘タイプとは、一軒家の中古物件をリノベーションしたり、新築で設計したりして購入する別荘のことです。

    別荘地には別荘地域の管理人がいる場合と、別荘所有者に管理が任される場合があります。

    別荘地域の管理人がいる場合は管理費が徴収され、留守中のパトロールや草刈りなどの費用にあてられます。

    COVA

    別荘所有者に管理が任される場合は、別荘のメンテナンスなどはすべて自己管理・自己負担です。

    リゾートマンションタイプの管理

    UnsplashPaul Szewczykが撮影した写真

    リゾートマンションタイプとは、一般的なマンションと同様に共用施設が多く、管理会社がすべてを管理しています。

    そのため、管理費と修繕積立金を支払う必要があり、管理組合に入るケースもあります。

    たまにしか使わない場合でも、特に所有者が管理することはありません。

    ただし、中には老朽化の激しいマンションもあり、購入時に一時金を支払う場合もあるため、物件選びに注意が必要です。

    別荘の管理にかかる維持費は6つ

    別荘にかかる実際の維持費は6つあります。

    ここでは費用をシミュレーションするために、項目ごとに解説していきます。

    別荘を購入する前に確認しておきましょう。

    管理費

    戸建て別荘はエリアによって、別荘地域の管理人がいる場合と、別荘所有者が個人で管理する場合があります。

    個人で管理する際には、すべてにおいて所有者が管理する方法と、管理会社に委託する方法があります。

    管理会社に委託する場合の基本業務は以下の通りです。

    • 別荘地内建物の鍵の保管
    • 別荘地内のパトロール
    • 道路などの清掃・除雪・草刈り
    • 消火栓の管理
    • 別荘地内の街灯・標識・看板の点検
    • 設備の点検
    • 水道の水出し・水抜き作業
    • 通風作業、室内清掃

    管理会社へ支払う料金は、管理会社や管理内容、さらに管理する土地の面積によって異なりますが、年間10万円以上は見込んでおきましょう。

    人気のある別荘地の場合は年間数十万円かかる場所もあるため、購入前にシミュレーションすることが必要です。

    火災保険料

    ひんぱんに利用しない別荘でも、火災保険に入っておいた方がいいでしょう。

    別荘は自然豊かな場所にあるため、落雷による山火事や水害など、自然災害が起きる可能性もあります。

    また、別荘へ定期的に通えない場合、盗難などの被害も想定しておくことも必要でしょう。

    一般的な住居の火災保険料の相場は年間1〜5万円程度ですが、無人の期間が長い別荘はそれよりも高くなる傾向があります。

    水道光熱費

    別荘を使用していなくても、水道光熱費の基本料金はかかります。

    別荘があるエリアや利用時期によって冷暖房費が大きく異なること、別荘ではプロパンガスを利用している場所が多いことも想定しておき、備えることをおすすめします。

    COVA

    おおよそ年間10万円程度かかると見込んでおきましょう。

    通信費

    ワーケーションを別荘でしたい場合は、インターネット環境が重要でしょう。

    そこで必要になるのがWi-Fi環境や通信費です。

    しかし自然豊かな別荘エリアでは、通信環境が整っていないこともあります。

    唯一の通信手段として、固定電話を引くことも考えられます。

    そのため、別荘を購入する前に、通信環境と費用がいくらかかるかを事前に確認しておきましょう。

    設備の修繕費

    別荘を長く維持していくためには、設備の修繕費用もかかります。

    リゾートマンションタイプの別荘なら修繕積立金が徴収されます。

    しかし戸建て別荘タイプの場合は、所有者が積み立てておく必要があります。

    換気や水道の水出し・水抜き作業などの管理を怠ると、湿気などによるカビが発生したり、水道設備が破損したりする可能性があります。

    COVA

    別荘の管理を定期的にできるよう、対策を検討しましょう。

    その他の管理費

    別荘地域の管理人がいる場合は、管理費とは別に費用が発生することがあります。

    別荘を購入する前に確認しておきましょう。

    下記の管理費は土地面積で設定されることが多く、一般的には年間分を一括で支払います。

    • ゴミ処理費用(別荘地の管理体制による)
    • 草刈り・除雪費用(別荘地の管理体制による)
    • 共益施設管理費(別荘地の管理体制による)
    • 借地料(別荘地の管理体制による)
    • 汲み取り費用(簡易水洗トイレの場合)
    • 温泉更新料・使用料(温泉付きの場合)

    別荘の管理にかかる税金は3つ

    別荘にかかる税金は固定資産税・都市計画税・住民税の3つです。

    ここでは別荘にかかる税金について、それぞれ解説していきます。

    固定資産税

    固定資産税とは、毎年1月1日時点を基準にした、住宅・マンション・土地など固定資産にかかる地方税です。

    地価の高いエリアほど税額は高くなります。

    計算式

    納税額 = 課税標準額(土地と建物) × 税率1.4%

    原則として3年ごとに課税標準額の見直しがあり、一般的には建物が経年劣化するため減額されます。

    都市計画税

    都市計画税とは、市街区域に土地や建物を所有しているとかかる地方税です。

    別荘の場合は立地する場所によって課されるかどうかが決まります。

    COVA

    具体的な税率は市町村の条例で定められるため、別荘を購入する予定の地域で確認しましょう。

    住民税

    住民税とは、住民票のある地域に納める税金です。

    住民票がない市町村に別荘を所有する場合は、一律負担の「均等割」という課税方法で税金を納めます。

    税額は2023年まで防災施策の財源として年間5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)、2024年から通常金額の年間4,000円です。

    別荘の管理にかかるその他の費用

    これまで紹介してきました管理費用以外にも、別荘管理に関わる費用があります。

    ここでは交通費や娯楽費、設備の定期点検費について解説します。

    交通費や娯楽費

    別荘に通うための交通費や、別荘滞在中にかかる娯楽費も管理費の一部として計算しましょう。

    別荘を所有者が管理する場合は、建物維持のための通風や清掃、周辺の草刈りなどをするために、定期的に現地に足を運ぶことが必要です。

    別荘を利用する人数や回数、別荘までの移動距離によって、金額は大きくなる可能性があります。

    COVA

    別荘ライフを楽しむためにも、これらの費用を考慮して別荘購入を検討しましょう。

    設備の定期点検費

    別荘の設備を長期的に維持していくためには、定期点検費も念頭に置く必要があります。

    別荘をメンテナンスすることは、安全で快適に過ごすためには欠かせません。

    数年に一度の点検や修繕など、業者に依頼する場合の費用を確認しておきましょう。

    別荘の維持費を節約するには?

    別荘を維持していくためには一定の費用がかかりますが、節約する方法もあります。

    この章では、別荘にかかる管理費を節約したり、節税したりする方法を紹介していきます。

    別荘貸しで維持費削減する

    別荘を使わない時期は、別荘貸しで収益を上げて、維持費をまかなうことも考えられます。

    1日単位で貸し出せる宿泊施設として、民泊サービスに登録することを検討してみましょう。

    民泊を始めるためには届け出と許可が必要です。

    詳しくは観光庁の民泊ポータルサイトで確認しましょう。

    セカンドハウスとして軽減特例を活用する

    セカンドハウスとは、自宅以外に認められた居住用財産のことです。

    セカンドハウスとして認められると、固定資産税・都市計画税が軽減されます。

    固定資産税は課税標準額が1/6、都市計画税は1/3で計算されるため、税額が低く抑えられます。

    さらに新築住宅であれば、戸建てで3年、マンションで5年間、固定資産税を1/2となる控除が可能です。

    セカンドハウスと認めてもらうためには、最低でも月1日以上、居住する必要があります。

    週末を過ごす場所として、または平日の通勤用住宅として活用しやすいエリアに購入すれば、税金の軽減特例を活用できます。

    換気や通水をする

    別荘の定期的な換気と通水を行うことで、メンテナンス費用を節約しましょう。

    部屋に湿気がこもるとダニやカビの原因になりますし、構造材が傷んでシロアリの被害にあう場合もあります。

    また、水道を長く使用しないと、水道管にサビができて破損しやすくなります。

    月に一度は換気と通水をすることで、別荘のメンテナンス費用を節約できます。

    別荘の管理に必要な費用をシミュレーションしよう

    Unsplashrupixen.comが撮影した写真

    ここまで、別荘を持つことで発生する費用や節約方法について、具体的に解説してきました。

    別荘があると、豊かな自然を満喫できたり、リラックスできたり、非日常を取り入れた生活ができるメリットがあります。

    費用を事前にシミュレーションすることは、別荘までの距離や使い方にも関わってきます。

    別荘にかかる具体的な費用を把握し、計画的に管理することで、あこがれの二拠点生活を手に入れましょう。