注文住宅を建築する際、モダンでスタイリッシュな家にしたいと考える人も多いでしょう。
おしゃれな家を実現するためには、家具や家電がごちゃごちゃと並ばない、スッキリした空間をつくりたいですよね。
そんな方におすすめなのは、ビルトインです。
ビルトインはキャビネットなどに家電を組み込むため、インテリアに溶け込むデザインが実現可能です。
海外では一般的な設計手法で、ヨーロッパの家電製品にはビルトイン専用のものも多くあります。
今回は、ビルトインのメリットや種類、設置条件について詳しく解説します。
ビルトインを検討するうえで、ぜひ参考にしてください。
目次
ビルトインとはビルトイン家電のこと
ビルトインとは、家電類をシステムキッチンやキャビネットに組み込む設計のことです。
ビルトイン家電とは、ビルトイン専用の機能を持つ家電を意味します。
そうすることで、キッチンの空間は統一感のあるデザインで設計できます。
近年、日本でもヨーロッパブランドの家電が人気となり、それにともなってビルトインも認知されつつあります。
ビルトインのメリット
家電類をビルトインで設置すると、空間に段差がなくなり、スッキリします。
また空間に余裕ができるため、作業スペースも増やせるでしょう。
ビルトイン家電は壁に組み込まれているため、掃除の手間が減って家事効率が上がります。
憧れのビルトイン家電の種類
ビルトインで設置できる家電は多種多様です。
海外製・日本製の両方がある家電と、海外製しかない家電があります。
ここでは、ビルトイン家電の種類について解説します。
洗濯機・洗濯乾燥機(ランドリー)
ビルトイン洗濯機は置き型洗濯機と異なり、キッチンカウンターや洗面台の下などに設置できます。
そのため、海外インテリアのようなおしゃれなコーディネートが実現可能です。
設置する際はスペースをあらかじめ決めておき、事前に工事する必要があります。
残念ながら日本製品は製造を中止したため、海外メーカーの中から選択しましょう。
海外ではビルトイン洗濯機が主流であるため、多くのブランドからビルトイン洗濯機の製品を選べます。
それぞれ特徴があるため、用途に合うタイプを選びましょう。
冷蔵庫・冷凍冷蔵庫
キッチンで存在感がある冷蔵庫をビルトインにすると、キャビネットや棚に組み込まれフラットなデザインになり、キッチン空間が統一感のある場所になるでしょう。
ビルトイン冷蔵庫には、数は少ないものの日本製のものもあります。
海外製の冷蔵庫はキャビネットなどの扉をつけられるようなデザインになっており、冷蔵庫を隠せるためスッキリした見た目を実現できます。
食器洗い乾燥機
食器洗い乾燥機は日本でもシステムキッチンに搭載する人も多く、ビルトインの中でも人気の家電です。
日本での普及率は30%程度ですが、設置すると節水や家事の時短が実現可能です。
- 日本製の特徴
- スライドオープン(引き出し)タイプ
- 海外製に比べると安価
- 温風で乾燥をしっかりできる
- 海外製の特徴
- 扉が手前に開くフロントオープンタイプ
- 容量が大きくフライパンなども一度に洗える
- サイズが大きいため日本製システムキッチンでは注意
日本製・海外製のどちらを選ぶかは使い方次第のため、使いやすいタイプを検討しましょう。
レンジ・オーブン
電子レンジとガスオーブンは、別々にビルトイン家電として存在します。
近年主流となっているのは、2つの機能が使える電子レンジ機能付きオーブンです。
また、電子レンジとガスオーブンの両方が一体化したコンビネーションレンジもあります。
ガスオーブンは電気式に比べて火力が強く、料理の時短や調理法にこだわりたい人に向いています。
電子レンジ機能付オーブンはコンパクトで、電気式のため設置場所を選ばず、安全性が高いのも特徴です。
IHクッキングヒーター・ガスコンロ
IHクッキングヒーターやガスコンロも、ビルトイン家電として一般的に認知されています。
近年のビルトインガスコンロにはさまざまな機能が搭載されており、IHクッキングヒーターと同様のガラストップが主流で、手入れが楽になりました。
昨今、小さな子どものいる家庭では、IHクッキングヒーターが選ばれています。
逆にシニア世代は、炎の見えないIHクッキングヒーターでは高温になる天板に注意しづらいため、ビルトインガスコンロに交換する人もいます。
ビルトインガスコンロには感震停止機能やオートグリルなども搭載されているので、シニア世代でも安心です。
ビルトインコンロはどちらも日本製が充実しているため、メーカーの特徴をしっかり比較しながら検討しましょう。
その他調理機器
ビルトイン機能を持った家電は他にもあります。
ここでは、ビルトインで設置できるその他のキッチン家電を紹介します。
コーヒーマシン
海外製品では、キッチンキャビネットにビルトインするコーヒーマシンがあります。
エスプレッソやカプチーノを全自動でいれられるのはもちろん、カフェで使っているようなデザインも魅力です。
コーヒーをおいしくいれる機能が盛り込まれており、日常生活にくつろぎのひとときを付加できます。
ワインキャビネット
ワイン好きな人には、ビルトインのワインキャビネットがおすすめです。
温度管理などの保管機能を搭載したキャビネットをシステムキッチンと一体化することで、見た目にもぜいたくな空間をつくり出せます。
浄水器
ビルトイン型の浄水器は、浄水器本体やホースをシンクの下に収納し、シンク回りをスッキリさせます。
ビルトイン型は取り付け型に比べて大型で高性能なため、フィルター交換のサイクルも1年と長く、使いやすいのが魅力です。
ビルトイン家電を導入するための条件
ここでは、ビルトイン家電を導入する際に注意したい条件をいくつか紹介します。
注文住宅の場合は施工業者に相談しながら、設置するための工事を実施しましょう。
200Vのコンセントが必要
海外製のビルトイン製品は、200Vの電源で作動するものがほとんどです。
日本に設置されているコンセントは、エアコンの設置場所以外ほとんど100Vのため、ビルトイン家電を配置する場所の近くに、200V用コンセントを設置しましょう。
設置スペースが必要
ビルトインの家電は、メーカーごとに本体サイズが異なります。
導入したい家電を選んだら、メーカーで決められている必要最小限のスペースを守って設置しましょう。
家電は使うたびに放熱する必要があり、ビルトインの場合は設置する場所が壁やキャビネットの中になります。
そのため、放熱するためのスペースを確保しなければなりません。
放熱が適切にできないと故障の原因となり、冷却ができないことによる電気代が余計にかかります。
サイズについては、ホームページや説明書を必ずチェックしてください。
設置工事が必要
ビルトイン家電を設置するには、電気や給排水などの設備が必要なため、専門の業者にお願いしましょう。
大掛かりな工事になる場合もあるため、事前に設置を決めた場所から変更するのは難しいでしょう。
家事動線をしっかり検討し、後悔しない設置場所を決定してください。
おしゃれなビルトイン家電で暮らしを豊かに
今回は、ビルトイン家電のメリットや種類、設置条件について詳しく解説しました。
ビルトイン家電の設置を検討する場所には、キッチンがおすすめです。
キッチンで使う家電をできるだけビルトインにすると、壁面がフラットな印象になり、ミニマムな空間になるでしょう。
キッチンに限らず、ビルトイン家電を設置することは家事効率の向上に繋がります。
デザイン性と機能性を兼ね備えたビルトインを、快適な住まいづくりに取り入れてみてはいかがでしょうか。
ヨーロッパではキッチン設備を「家具」と認識していて、冷蔵庫やオーブンなどは壁に埋め込むことが一般的です。