脱衣所は、日常生活で家族全員が利用するスペースです。
従来は脱衣所と洗面所が一体化した間取りが一般的でした。
しかし近年、生活がしやすく使い勝手が良いという理由から、注文住宅の自由度を活かして脱衣所を独立させる家庭が増えています。
今回は脱衣所を作るメリットやポイント、一体型でもよい家庭について解説します。
さらに作る場合の収納法も合わせて紹介しているので、イメージを膨らませてください。
目次
そもそも脱衣所とは?
従来の脱衣所は洗面所と兼務していることが多く、はっきりとした線引きがないイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、実は脱衣所と洗面所はそもそもの役割が違います。
脱衣所の役割
- 入浴の準備
- 衣服を着脱する場所
- 洗濯スペースを兼ねる場所でもある
脱衣所は清潔な空間でありながら、一方で汚れた衣服を脱いで洗濯かごに入れるなど洗濯する場所でもあります。
さらに衣服を着脱するので、プライベートな空間ともいえます。
洗面所との違い
洗面所は身なりを整える場所です。
濡れた髪を乾かして整えたり、手や顔を洗ったりします。
特に家族に隠す必要もなく来客も利用する場所なので、住居の中では開かれた空間といえるでしょう。
脱衣所を分けるメリット
脱衣所と洗面所は、生活動線を考える上で切っても切れない関係にあります。
構造上でも水回りは極力ひとつの場所に集めたほうが合理的だと考えられていました。
しかし近年のライフスタイルの多様化により、脱衣所を独立させたほうがメリットだと感じる人もいます。
理由は以下の3点です。
混雑が緩和できてストレスがない
脱衣所を独立させれば役割が明確になり、混雑の緩和と家族間のストレスが軽減します。
例えば、家族の中で出勤前・通学前にシャワーをする人や思春期の子供がいる場合です。
脱衣所と洗面所が一体化の場合だと、洗面所で歯を磨いている人がいれば、浴室を利用している人は出にくくなり、その逆も考えられます。
また、省スペースなので朝の忙しい時間に身支度と洗濯の時間が重なれば混雑し、時間ロスやストレスになることもあるでしょう。
脱衣所と洗面所の役割の違いを部屋として独立させれば、余計な気遣いをせずにストレスなく生活できます。
収納したいものが分けられる
脱衣所と洗面所では使用するものが多いため、独立させれば収納が分けられます。
各々に収納スペースを設ければ使い勝手が良く、ストックの管理もしやすくなるでしょう。
例えば洗面所ではヘアケア類・メイク用品・歯ブラシ・ドライヤーなどです。
脱衣所ではパジャマ・下着・バスタオル・バスマット・洗剤・洗濯かご・掃除用具などを使用します。
使う場所に使う物をすっきり分けて収納できるので、暮らしやすさにつながるでしょう。
来客時に見られたくないものが隠せる
洗面脱衣所は、脱いだ衣類が洗濯カゴに入りっぱなしで生活感が溢れる空間です。
しかし各々を独立させれば、急な来客があっても見られたくないものを脱衣所に隠せます。
来客に洗面台を案内するときは、遠慮なく気持ちよく使ってもらえるでしょう。
独立した脱衣所を作ることは双方にとってメリットがあるといえるでしょう。
洗面脱衣所がオススメな人
脱衣所を作れば多くのメリットが期待できます。
しかし、脱衣所と洗面所が一体となっている方がメリットになる場合もあります。
コンパクトな家を希望する方
脱衣所作りにはスペースが必要なため、物が少なくてコンパクトな住宅を希望する方は、一体型でも問題ないでしょう。
一般的に洗面脱衣所は2畳ほどのスペースですが、独立させるなら各々最低1.5畳のスペースが必要です。
水場がまとまっているので、ライフスタイルによっては作業効率アップが期待できます。
予算をかけるほど優先順位が高くない方
脱衣所を独立させる場合、その分費用がかかります。
仕切る壁や床の素材も変わり、1つの部屋として独立するためです。
したがって小さな書斎が欲しい、もう少しリビングや収納を広げたいなどの要望があれば、一体型にするのがオススメです。
ミニマリストの方、整理整頓が得意な方
洗面脱衣所は、他のスペースより狭い空間の割に、収納するものが多い傾向にあります。
しかし元々ストックをあまり持たない方や物が少ない方、整理整頓が得意な方にとっては独立した脱衣所が必要とは限りません。
設計士と生活動線や収納スペースを相談しながらプランを立てましょう。
独立脱衣所作りで検討する4つのポイント
脱衣所を作るなら最低でも1.5畳の広さは確保しましょう。
特に脱衣場は洗濯機や洗濯カゴを置くことになるので、そのスペースも考慮した上で間取りを作成することが大切です。
独立脱衣所作りを検討する際は下記4つのポイントを参考にしてください。
1:洗濯機のスペースを確保する
脱衣所を作るならば、洗濯機のスペースを確保しましょう。
理由は洗濯が脱衣所だけで完結して、家事の効率が良いためです。
例えば少し汚れた衣類を浴室で下洗いすれば、床を汚すことなくそのまま洗濯機に入れられます。
さらに乾燥機付きの洗濯機を使用している場合。
乾燥が終わった後の下着類は、すぐに脱衣所に設けた収納に入れて洗濯が完了することもあります。
日々の家事が効率よくまわるでしょう。
2:仕切壁やロールスクリーンを活用する
独立した脱衣所を作るには費用がかかるものです。
しかし、1.8~2メートルほどの仕切り壁やロールスクリーンを活用すれば、簡易的な独立脱衣所が作れます。
予算がとれなくても、簡易的な方法で脱衣所は作れるので設計士に相談してみましょう。
3:洗面所を廊下に設置することを検討する
脱衣所を作るために、洗面所をあえて廊下に設置するのも検討してみましょう。
脱衣所の隣に洗面所を必ず設置しなければならないというわけではありません。
洗面所を生活動線に設置すると帰宅後やトイレ後にはすぐに手が洗えて、さらに脱衣所の収納力もアップするためです。
脱衣所の役割である、お風呂前後の支度も楽になるでしょう。
注意点は予洗い時の動線や、他の部屋とのスペースの兼ね合い。
注文住宅の1からつくる特性を活かして、ベストなプランを探っていきましょう!
4:安心安全な素材と温度環境を意識する
脱衣所で重要なのは、床の素材や温度環境です。
理由は、転倒した場合や冬場に急増するヒートショックに備えられるためです。
転倒しても衝撃の少ないクッションフロアやコルク素材、断熱が備わっている窓を選ぶことで暮らしやすさにつながります。
独立脱衣所の収納ポイント
脱衣室で使用するものは意外に多く、収納が多いほど生活しやすくなります。
しかし最低でも1.5畳ほどの空間が必要な脱衣所。
下記がその収納方法の一例です。
扉付きの収納棚を設置
収納のポイントは洗濯機上部や細いスペースに、扉付きの収納棚・引きだし収納などを設置することです。
ものが多くても目隠しになり、スッキリと洗練された印象になります。
注文住宅であれば、ランドリーラックを使用するよりも出し入れしやすい高さに設置できます。
棚を取り付けてオシャレな収納ケースを活用
家族みんなが使いやすい高さに棚を設置するのは、注文住宅ではお手の物です。
その特性を活かして、空いているスペースに何枚か板を使い、渡し棚として活用しましょう。
収納ケースはサイズや色味を統一して並べれば、清潔感のある空間を演出できます。
小さな収納ケースをロッカーのように仕切りとして活用
脱衣所のスペースが想像よりも確保できないこともあるでしょう。
しかし、小さな収納ケースを縦に積んで仕切りとして活かせば、仕切りと収納力を両立できます。
あえて収納を仕切りとして使うので、脱衣所に最低限の収納スペースが確保できます。
脱衣所をつくるなら家族構成やライフスタイルを重視して考えよう!
注文住宅では自由度が高いからこそ、脱衣所を作るか作らないかは悩みどころ。
しかし、家族構成やライフスタイルを考慮して脱衣所をつくれば、暮らしは確実に今より快適になります。
あなたの理想の暮らしはどちらがそのイメージに近いのか、ぜひ考えてみてくださいね。